理科や社会には、問題文が長いものがあります。ていねいに読んでいると時間がかかり、最後まで終わらない。そこで、「本文は読まず、聞かれているところだけを探しなさい」という指導が出てきます。確かに、その方が速く進めそうには見えます。
長い文章が付いていても、その内容をほとんど使わない問題はあります。いろいろ書かれている中で「衆議院」に下線が引かれ、聞かれるのは衆議院の定員だけ、というような出題です。これなら該当する部分だけで答えられますし、本文は何のためにあるのか、と思うこともあるでしょう。
しかし、そういう問題ばかりではありません。文章全体の話をつかまなければ答えられない問題も、ちゃんとあります。下線の前後を飛ばし、目についた言葉だけを拾っても、何を答えればよいのか決められないのです。
時間内に終わらない答案を見ると、保護者も読むところを減らしたくなるかもしれません。けれども、入試でどちらの問題が出るかを先に選ぶことはできません。本文を読む必要のない問題だけを前提にした解き方では、読むべき問題に対応できなくなります。時間が足りないことと、本文を読まなくてよいことは別の話です。
長いから読まない、という練習はさせないでください。本文を読んだうえで、自分が解ける問題をきちんと取る。全部を終える方法を探すより、読んで解ける問題で勝負するしかないのです。
