第407回 この先子どもにどんな力をつけるか

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■ ここのところ、私学の募集担当の先生と話をしていて感じるのは、「この先、子どもたちにどんな力をつけていくべきか」ということを学校が悩んでいる、という点です。

■ これまでグローバル化が進む前は国内のヒエラルキーに従って、上位の大学に入れることが大事だとされていたわけで、だからみんなで大学受験の上位校を目指していたところがあるでしょう。

■ しかし、グローバル化が進み、さらにIT技術が進歩して、働く環境も必要な能力もいろいろ変わってきた。それでいろいろな模索が続いていて、大学入試を変革しよう、という動きや小学校で英語やプログラミングを教えようというようなことになっているわけです。

■ しかしプログラミングすら、AIがやってしまう時代に入っていくかもしれないし。すでにみなさんの手元には電訳機があるわけですから、本当に学ぶことが必要なものはもっと違うのではないか?ということになってきている。

■ そのひとつがコース化です。最近いろいろな学校で取り入れられているのですが。海外の大学に進もう、というコース、あるいは医学系のコース、理科系のコースなどもあります。これらはすべて専門学校化、ともいえるような話になってきているのですが、私はどうも違和感がある。

■ 最初から方向を決めて良いのだろうか、という気がするのです。もちろん、そういう意志がすでに決まっている子もいるだろうが、しかし、この先その気持ちは変わるかもしれない。だって、まだ良くわかっていないのだから。自分のことがまだ本当にわかっているわけではない時期からコースに進んで良いのか、と思うことが多々あるのです。

■ 私は逆にもっとプリミティブな力が必要だと思っています。情報を集めて、自分で理解する力。課題を解決する力。表現する力。結局求められるの創造力になってくるので、それを培う基礎力を育てながら、自分が何をしたいのか、が段々に絞られてくるのが一番良い。それにこれからは技術が変わるわけだから、一度大学を出た後でも二度、三度と大学に戻ってきて勉強することは必要になるでしょう。だから新たに学ぶという力も必要だと思うのです。

■ その意味で学校はもう少し自分の育てる範囲を見直してみることが大事だと思いますが、行政がかき回しているところがあるので、なかなか方向性が決まらないところが出てきているように感じます。


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