2019年駒場東邦の問題です。
下の文章を読んで,あとの問いに答えなさい。
〔文1〕カイコガは冬の間をたまごで過ごし,5月頃にたまごからふ化します。うまれたばかりの幼虫を「1齢幼虫」といい,長い毛が目立つので毛蚕とも呼ばれます。幼虫はクワの葉を食べて成長し,数日たつと頭を上げて動かなくなり,その後,脱皮をして「2齢幼虫」となります。幼虫は脱皮を繰り返して大きくなり,やがて「5齢幼虫」になると,口の下の吐糸口(としこう)から糸をはき出し,まゆをつくり始めます。幼虫は,まゆの中でもう一度脱皮をして「さなぎ」になり,さなぎになってから10~12日後に,まゆから羽化した「成虫」が出てきます。このように,幼虫がさなぎになってから成虫になることを( 1 )といいます。
(1)文中の( 1 )に入る語を答えなさい。
(2)カイコガのたまごはどんな形をしていますか。次のア~ウからあてはまるものを1つ選び,記号で答えなさい。
(3)下図はカイコガの幼虫の頭部を表した図です。カイコガの幼虫の眼はどれですか。図中のア~ウからあてはまるものを1つ選び,記号で答えなさい。
(4)下図A~Cは3種類のガのまゆを表した図です。下のア~カから正しい組み合わせを1つ選び,記号で答えなさい。
(5)昆虫が食べる植物を食草や食樹といいます。カイコガの幼虫はクワの葉を食べて成長します。一方,モンシロチョウの幼虫はキャベツやアブラナを食草としていることが知られています。ガやチョウの幼虫の食草・食樹として他にどんなものがありますか。ガやチョウと植物(食草・食樹)の組み合わせを1つ答えなさい。ただし,カイコガとクワ,モンシロチョウとキャベツ,モンシロチョウとアブラナの組み合わせを除きます。
〔文2〕カイコガの幼虫の食樹である「クワ」には,いくつか種類があります。日本では,関東地方にはヤマグワ,九州南部や沖縄にはシマグワが生育しています。中国原産のマグワは,かつて養蚕のために広く栽培されていたものが放置されて,野生化しています。どのクワも,葉はカイコのえさ,幹は建築材や家具材などに使われ.有用性の高い植物です。
小笠原諸島には固有種のオガサワラグワが生育していますが,明治時代に家具や彫刻用に多くのオガサワラグワの大木が伐採されてしまいました。一方,養蚕のために導入されたシマグワは野生化し,島でみられる「クワ」のほとんどはシマグワになっています。小笠原諸島では,繁殖力の強い外来種のアカギが森林の主要な構成種となっていて,オガサワラグワの生育を妨げています。現在,純粋なオガサワラグワは100本程度しかなく,ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が高い絶滅危倶種として,レッドデータブックに掲載されています。早急に,オガサワラグワの保全に取り組む必要があるでしょう。
(6)オガサワラグワ以外に,絶滅危倶種に指定されている動植物にはどんなものがありますか。次のア~カからあてはまるものをすべて選び,記号で答えなさい。
ア.カイコガ イ.アホウドリ ウ.ニホンカワウソ
エ.ジュゴン オ.ブナ カ.カントウタンポポ
(7)人間活動によって本来の生息場所から別の場所に持ち込まれ,その場所にすみつくようになった生物を外来生物といいます。現在,日本の自然をこわしてしまう外来生物は特定外来生物に指定され,外来生物法によって飼育や販売など規制の対象とされています。次のア~エから,特定外来生物に指定されている生物を1つ選び,記号で答えなさい。
ア.カブトガニ イ.シュレーゲルアオガエル
ウ.アライグマ エ.ニッパヤシ
(8)生き残っているオガサワラグワに実るほとんどの種子がシマグワとの雑種種子であることが分かっています。純粋なオガサワラグワを増やすためにはどうしたら良いでしょうか。以下の点をふまえて説明しなさい。
・自然界で純粋種子の生産は確認されている。
・アカギやシマグワの個体数は多すぎて,根絶するのは困難。
・オガサワラグワの芽生えは野生化したヤギによって食べられてしまう。
【解説と解答】
(1)さなぎが入っていますから完全変態です。
(答え)完全変態
(2)
(答え)ウ
(3)
(答え)ア
(4)
(答え)ウ
(5)アゲハチョウはミカンが食草です。
(答え)チョウ・ガの名前 アゲハ 食草・食樹の名前 ミカン
(6)
(答え)イ,エ
(7)
(答え)ウ
(8)他の生物と交わらないように隔離して温室などで栽培することが必要です。
(答え)オガサワラグワの純粋種子を,隔離して温室やビニルハウスの中で育成する。
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