2014年開成中学の問題です。
ガラス製の注射器に空気を入れ、押さえる力や温度によって空気の体積が変わることについて考えます。空気の量は、ピストンをおもりで押さえない状態で30.0mLとし、空気がもれないように注射器の先を閉じておきます。ピストンは注射器内部でなめらかに動くことができますが、注射器とピストンのすき間から空気がもれることはないものとします。また、ピストンの断面積は2.0cm2とします。
はじめに、注射器を水平な床面に対して垂直に固定してピストンの上におもりを乗せていきます。すると、おもりの数と空気の体積の関係は以下の表のようになりました。ただし、おもりの重さはどれも同じで、1個の重さは1.0kgです。
問1 解答用紙の方眼上で、おもりの数を横軸に、空気の体積をたて軸にとり、おも・りの数が0~2、4~6のそれぞれのときの空気の体積を点で表し、すべての点をなめらかな1つの曲線でつないで、おもりの数と空気の体積の関係のグラフを完成させなさい。
問2 問1のグラフを用いて表の(1)にあてはまる数値を答えなさい。
空気を押さえる力の大きさと空気の体積の関係は、押さえる力の大きさを2倍、3倍と大きくしていくと、体積が$$\frac{1}{2}$$倍、$$\frac{1}{3}$$倍と小さくなることが知られています。ところが、上の表の結果は、おもりの教を2倍、3倍としても、体積が$$\frac{1}{2}$$倍、$$\frac{1}{3}$$倍とはなっていません。これは、おもりが乗っていないときからピストンには大気の重さがかかっており、空気を押さえるカの大きさは、おもりの重さとピストンにかかる大気の重さをたしたものと考えられるからです。なお、ピストンの重さはおもり1個の重さに比べてとても小さいので無視することとします。
問3 ピストンにかかる大気の重さは1.0kgのおもり何個分でしょうか。もっとも近い整数で答えなさい。
次に注射器からおもりを降ろし、注射器を水そうの中に入れ、水そうに氷や熱湯を入れて温度を変えていきます。すると、温度と空気の体積の関係は以下の表のようになりました。なお、測定時の気温は11.3℃でした。
問4 表の(2)にあてはまる数値を答えなさい。
温度が下がるとともに気体の体積が減ることは昔から知られており、気体の体積が0mL以下になることは考えられないことから、「それ以下にはならない温度」が存在すると考えられました。
問5 上の表にある温度と空気の体積の関係が、ずっと低い温度になっても同じように成り立つとすると、「それ以下にはならない温度」は何℃であると考えられますか。もっとも近いものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア ー200℃ イ ー240℃ ウ -270℃ エ ー300℃
(解説と解答)
問1 グラフは下図のようになります。
なるべくなめらかな曲線にする、という条件を満たすようにしましょう。
問2 グラフから12.0を読み取ります。
(答え)12.0
問3 1個と4個でちょうど半分になっています。おもりを乗せていないときの大気のおもさをおもり【1】個分とすると。
【1】+1:【1】+4=1:2になることから【1】+4=【2】+2より【1】=2個分になります。
(答え)2
問4 温度が15.0℃上がるごとに、体積が1.6mLずつ増えているので、32+1.6=33.6mL
(答え)33.6
問5 30℃で32mLですから32÷1.6=20 15×20=300℃から30-300=-270℃で体積が0になります。
(答え)ウ
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