今回は、直方体や円柱の容器に水をいれたときの深さと体積の比や、さらに立体をいれたときの深さの変化に着いて考えていきます。
(例題1)
底面積が40㎝2、高さ20㎝の直方体の容器に高さが8㎝まで水が入っています。この水を底面積が50㎝2、高さ30cmの空の直方体の容器に入れると、水の深さは何cmになりますか。
(解答と解説)
簡単な問題ですが、直方体の容器に水を入れるとその体積は底面積×高さで求めることができます。水の深さをXとすると
したがって40×8=50×x
という関係になります。したがってx=320÷50=6.4cmになります。
この場合体積が一定ですから、底面積と深さは反比例します。
(答え)6.4cm
(例題2)
高さが等しい容器A、Bがあります。底面積の比はA:B=5:4です。同じ体積の水をAとBに入れたところ、Bの深さがAよりも0.8cm高くなりました。Aの水の深さは何cmですか。
(解説と解答)
これも同じ体積なので、底面積と高さは反比例します。
したがって底面積の比がA:B=5:4であるならば、高さの比はA:B=4:5
になります。Bの方が1大きいわけですが、この1が0.8cmにあたるので、Aの水の深さは0.8×4=3.2cmになります。
(答え)3.2cm
(例題3)
A、B、C3つの円柱の容器があります。空のAとBに2:1の体積の水を入れたところ、AとBの水の高さは同じになりました。ここでAの半分の水を空のCに入れたところ、Cの水の高さはBの水の高さの$$\frac{2}{3}$$になりました。次の問いに答えなさい。
(1)AとBの底面積の比を求めなさい。
(2)Cの底面積はBの底面積の何倍ですか。
(解説と解答)
(1)AとBに入っている水の体積が2:1で高さが同じになったので、底面積の比は水の体積の比と同じです。
(答え)2:1
(2)Aに入れた水の体積の半分はBに入れた水の体積と同じです。これをCに入れたのだから、BとCには同じ体積の水が入っています。そのときCの水の高さの比はB:C=3:2になったのだから、底面積の比はB:C=2:3になります。したがってCの底面積はBの底面積の3÷2=1.5倍です。
(答え)1.5倍
(例題4)
底面積が150cm2、高さが10㎝の直方体の容器に高さが4cmまで水が入っています。ここに1辺の長さが5cmの立方体を底に並ぶように入れていきます。
(1)立方体を1個入れたときの水の深さは何cmですか。
(2)立方体を3個入れたときの水の深さは何cmですか。
(解説と解答)
ここでは立方体が完全に水の中に入るのか、それとも一部が水面の上に出ているのか、によって解き方が変わります。
(1)ここでは水が入ることのできる底面積は150-5×5=125cm2になっています。
水の体積は150×4=600cm3なので、600÷125=4.8cmとなって、5cmを下回ることから立方体は完全に水の中に入っていないことがわかります。したがってこの解き方で良く、答えは4.8cmです。
(答え)4.8cm
(2)この問題も(1)と同じように解いてみましょう。
水が入ることのできる体面積は150-5×5×3=75cm2になるので、
600÷75=8㎝となり、水は5cmを越えています。この場合、完全に水没しているので、立方体の上の部分は水が入ることができるので、このままでは正しい答えにはなりません。
この場合は、立方体を水として考えます。
5×5×5×3=375cm3の水が増えたとして、600+375=975
975÷150=6.5cmが水の高さになります。
(答え)6.5cm
(例題5)
ある直方体の容器があり、ある高さまで水が入っています。ここに底面積が25㎝2、高さが10㎝の直方体のおもりAを入れたところ、水の深さは10㎝になりました。さらに底面積が50㎝2。高さ12㎝の直方体のおもりBを入れたところ、水の深さは12㎝になりました。次の問いに答えなさい。
(1)容器の底面積は何cm2ですか。
(2)最初の水の深さは何cmですか。
(解説と解答)
(1)
直方体を水と考えてしまうと、水面があがった部分の体積ははちょうど直方体の体積と等しくなります。直方体Bを入れたとき、水面は2cm上がりましたから、
底面積×2=50×12=600cm3になるので、底面積は600÷2=300cm2です。
(答え)300cm2
(2)直方体Aの体積は25×10=250cm3なので、水面は250÷300=$$\frac{5}{6}$$cm上がったことになります。
したがって最初の水の高さは10-$$\frac{5}{6}$$=9$$\frac{1}{6}$$
(答え)9$$\frac{1}{6}$$cm
(例題6)
直方体の容器に深さが10㎝まで水が入っています。ここに直方体のおもりAを図2のように入れたところ、おもりAは完全に水の中に入り、水の深さは12cmになりました。
このおもりAを図3のように立てたところ、今度はAの一部が水面上に出てきて、水の深さは11.5cmになりました。
図のXの長さは何cmですか。
(解説と解答)
完全に水に入った時、水面の高さは12-10=2cm上がりましたから、容器の底面積×2cmがおもりAの体積です。
一方、一部が入った時は水面の高さは11.5-10=1.5cm上がりましたから、水中にあるおもりAの体積は容器の底面積×1.5cmになります。
したがって一部が入ったとき、水中にある部分の体積は全体の1.5÷2=$$\frac{3}{4}$$にあたるので、
Xの長さは11.5÷3×4=15$$\frac{1}{3}$$cmです。
(答え)15$$\frac{1}{3}$$cm
(例題7)
高さが12cmの円柱の容器Aに高さ8㎝まで水が入っています。ここに空でふたの空いた円柱の容器BをAとBの底面が平行になるようにそのまま入れていきます。Bの高さは6cmです。
Aの底面積が100cm2、Bの底面積が60cm2のとき、次の問いに答えなさい。
(1)Bの容器に水が入る瞬間、Bの底とAの底の間は何cm離れていますか。
(2)容器Bに深さ4cmまで水が入ったとき、容器Aの水面の高さは何cmですか。
(解説と解答)
(1)最初に容器Aに入っていた水の体積は100×8=800cm3です。水面がBの上の部分まで来たときは、図のようになります。
このとき水面の下の体積は800+60×6=1160cm3になるので、水の高さは1160÷100=11.6cmになります。
容器Bの底面はそこから6cm下ですから容器Aと容器Bの底面の間の距離は11.6-6=5.6cmです。
(答え)5.6cm
(2)容器Bに水が4cmまで水が入ると、残りは2cmですから、60×2=120cm3が入ります。
したがって全体の体積は800+120=920cm3ですから、920÷100=9.2cmが水の高さになります。
(答え)9.2cm
2013年は水量の変化の問題は各校で良く出題されていました。いろいろ複雑にできる部分があるので今後も出題は多いテーマだと思います。しっかり基本をマスターしてください。
以下のプリントもお役立ていただければと思います。
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