今年は水量の変化を出す学校が多い年でした。
容器にいろいろ仕切りを入れたり、また仕切りが動いたり。その動きも回転するもの、上に上がっていくもの、まあ、いろいろあって今後、このテーマの出題は注意が必要でしょう。
いくつか例題から入っていきましょう。
(例題1)
直方体の容器があります。底面のたての長さが12cm、横が20cm、高さが10cmです。
ここに高さが8cmまで水を入れて、ふたをしました。このとき次の問いに答えなさい。
(1)高さが12cmになるようにこの直方体を置きなおしたとき、水の高さは何cmですか。
(2)さらに水を60㎝3加えて、高さが20cmになるように容器を置きなおしました。水の高さは何cmですか。
(解説と解答)
(1)最初に入っていた水の体積は12×20×8=1920cm3です。高さが12cmになるように置いたということは、底面積は20×10=200cm2になったので、
1920÷200=9.6cmになります。
(答え)9.6cm
(2)1920cm3に60㎝3の水を加えたので1920+60=1980cm3の体積になりました。
今度は高さが20cmになるように置いたので、底面積は12×10=120cm2になるので、1980÷120=16.5cmになります。
(答え)16.5cm
直方体の容積は底面積×高さで計算できます。体積が同じであれば、底面積で割ることで高さを求めることができ、また高さで割ることで底面積を求めることができます。
(例題2)
図のように直方体から直方体を切り取った形をした容器があります。図1の矢印のところから毎分一定の量の水をいれていきました。グラフは水を入れ始めてからの時間と水面の高さの変化を表しています。
(1)1分間に何cm3の水を入れましたか。
(2)図のアの長さは何cmですか。
(1)グラフから12cmのところでグラフの傾きが変わっているので、イの長さが12cmであり、
図の斜線部分を入れるのに12分かかったことになります。
したがって10×20×12が斜線部分の体積になるので、1分あたりの量は
10×20×12÷12=200cm3になります。
(答え)200cm3
(2)
上の部分には16-12=4分で水を入れたので、200×4=800cm3が容積になります。
この部分の高さは20-12=8㎝ですから、
800÷(10×8)=10㎝がアの長さになります。
(答え)10cm
グラフは、水を入れていく問題では条件を提示する方法として良く使われます。この場合は上に上がっていくところで、底面積が狭くなりますから、水面が上がる割合は増えていきます。グラフに12cmと書かれているので、これがどこの長さかがわかれば、あとは難しくはないでしょう。
(例題3)
図1のような直方体の容器の中に長方形の仕切りを面ABCDに平行に立て、図のXから一定の割合で水を入れ始めました。
水を入れ始めてからの水面の高さの変化はグラフの通りです。仕切りの厚さは考えないものとして次の問いに答えなさい・
(1)グラフのアの長さを求めなさい。
(2)図1のイの長さを求めなさい。
(解説と解答)
(1)グラフから図のような水の入り方をしています。グラフのアは仕切りの高さになります。
直方体全体の容積は30×20×20=12000cm3で、これが20分で入っているので1分あたり
12000÷20=600cm3の水が入っていることになります。
すると仕切りの上の部分の容積は600×5=3000cm3になるので、底面積が30×20=600cm2ですから3000÷600=5㎝が仕切りの上の高さになるので、仕切りの高さは20-5=15cmになります。
(答え)15cm
(2)仕切りの右の部分の容積は600×10=6000cm3ですから、
6000÷(20×15)=20㎝がイの長さになります。
(答え)20cm
比を習ってしまうと別の解き方がありますが、グラフを読み取って1分間に入れている水の量が計算できればあとはそれほど難しくはないでしょう。
(例題4)
1辺が20cmの立方体の容器の中に、1辺が10㎝の立方体が1つ入っています。
この容器に水を入れていくとき、高さが5㎝になるのに5分かかりました。
では高さが13㎝になるのは水を入れ始めてから何分後ですか。
高さが5cmになるときは底面積は20×20-10×10=300cm2ですから、入る容積は
300×5=1500cm3です。これが5分で入るので1分あたりの容積は1500÷5=300cm3になります。
高さが13㎝になるとき、高さが10㎝までは底面積は300cm2で、それより上は20×20=400cm2になるので、全体の容積は
300×10+400×3=4200cm3になります。
したがって4200÷300=14分後に高さが13cmになります。
(答え)14分後
途中で底面積が変わるので、1分あたりの水の量を計算した後、いれるべき水の総量を計算した方が簡単でしょう。
仕切りを付けたり、水の量を変えたりと条件をいろいろつけやすい問題ですから、ていねいに解いていってください。
以下のプリントもお役立ていただければと思います。
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