子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第40回 図を書こう

■算数の問題を解いていく上で、大変重要なのが自分で図を書くということです。例えば速さの問題では、人の動きを線分図で書いてみる場合もあるでしょうし、あるいはダイヤグラムにしてみる場合もあるかもしれません。立体や平面図形では、自分でもう一度図を書き直してみたり、あるいは別の方向から見た図を書いたほうがわかりやすい場合もあるでしょう。

■ところが算数があまり得意でない人は、この自分で図を書くという作業をあまりしない傾向にあります。ただ文章をじっとにらめっこしていても、問題はなかなか解けないもの。むしろ問題文の題意を読みながら、自分で図を書いてみることが大事です。

■速さの問題などでは、同じ距離を動いているところとか、同じ時間動いているところが問題を解くヒントになることが多いのですが、実際に図を書いてみないとそれに気がつきにくいのです。例えばダイヤグラムを書けば、同じ時間動いている場所は簡単に見つかる場合が多いのです。

■図を書かない子供たちの言いわけは大きく分けて、2つあります。「めんどくさい」「たいへん」でも良く考えてみましょう。面倒だといって、結局得点できなければ合格できないのです。これは理由になりませんね。もうひとつは「図が下手だから」確かに、見取り図を上手に書くのは最初、むずかしいかもしれません。しかし、やっていけばだんだん上手になるもの。図を書かなければ、いつまでたっても上手になれませんね。

■図を上手に書くのに使って便利なのが方眼紙です。グラフ用紙のことですが、この紙には格子状にうすく線がひいてあるので、この上をなぞると上手に直線や正方形、長方形がかけます。立方体の見取り図も格子を利用することで、うまく書くことができますね。ですから、図を書くのがあまり得意でない人は方眼のノートを算数のノートとして使ってみてください。

■方眼紙に図を書いていくと、グラフも簡単にかけますね。そうやって練習していくと、図を書くのがだんだん苦にならなくなります。そうすると問題文を読むのもポイントがわかるようになって、算数の得点力がだいぶ変わってくるでしょう。今からでも遅くはないので、すぐに図を書きながら解いていってください。

(平成17年10月26日)

第39回 得意不得意の範囲

■みなさんの手帳に得意、不得意の範囲って書いてありますか?模擬試験やカリキュラム試験の点数を手帳に書いてみてください。そして例えば算数は横軸にテーマをつけてみると面白いグラフができます。

■速さでは偏差値が低いが、平面図形は偏差値が高いなど、半年分ぐらいのデータを調べてみると傾向がはっきりします。国語も物語文は強いが、論説文はだめだとか。理科でも電気はだめで、水溶液は得意とか。自分の傾向を過去の試験のデータから調べてみてください。実は、あまりそういうことを意識していない人が多いのです。

■それがはっきりしたら、次は対策です。自分が解決しなければならない課題がいくつもあると思いますが、その中から重要だと思うものを3つないし5つ選びましょう。そしてそれを解決するための方法をそれぞれのテーマで1つか2つ考えるのです。例えば速さの問題が不得意なので、この問題集の速さの問題だけをやってみよう、とか。歴史がしっかり覚えられていないので、もう一度5年生のテキストを復習しようとか。

■残された時間は決して多くはありません。ですから上手に時間を使って対策をしなければならないのです。もしうまくできないようなら、お父さんやお母さんに手伝ってもらうといいでしょう。そうやって自分の得意な分野、不得意な分野を知って対策を立ててください。

■その内容が決まったら毎日のスケジュールに加えていきましょう。もうすでに毎日の学習の計画は立てていると思いますが、今日は何時から何時まで何をするということは明確に決めて勉強してください。ついでに言えば、ごほうびも決めるといいと思います。例えばここまでやったら、アイスクリームを食べようとか。ここまで終えたらマンガを読もうとか。

■私も時々授業でやります。ここまで授業の10分前に終わったらみんなでトランプしようとか。結構、みんな必死になってがんばりますよ。だからその後のトランプもとても楽しい時間になります。手帳で上手に時間を使いながら、楽しみも加えて良い準備をしてください。

(平成17年10月19日)

第38回 できないと決めているのは君だ!

■14回で「自分を変えることができるのは自分だけ」というお話をしました。その通りなのですが、この逆もありえるのです。

■ある生徒は算数ができるのですが、図形の問題はできないといいます。でも、これは明らかにおかしい。だって他の問題ができるのなら、図形の問題だってできるはずです。でもできないと決めている、それは本人が決めているからそうなるのです。

■漢字を覚えられない、という人もいます。でも、書ける漢字が0なのでしょうか?そんなことは絶対にないはずです。自分の名前を漢字で書けるでしょう。たくさんは覚えられないと自分が決めているだけなのです。覚えられない、難しい、先に言い訳をいっているだけ。その結果として自分が考えた言い訳通りの人間になってしまっている可能性があるのです。

■本当にできないか、もう一度よーく考えてみてください。ほんとに、デキマセンカ?

■そうです。わかってきましたか?できないと決めているのは君だ!!塾の先生でもお母さんでもなく、君がそう決めてしまっているのです。でも本当にできないかといえば、絶対に違います。確かに得意ではないでしょう。でも「まったくできない」というのはまずありえない。いくらかはできるはずです。

■いくらか、できるのであれば、もう少し努力をすれば、できる範囲は広がります。確かにどんな範囲でも満点を取るのは大変です。でも6割とか7割とかできるようにはなるはずです。完璧でなくてもいいから、少しでもできるように努力してください。できないと決めているのは自分自身であることに気がついてください。どうせ決めるのなら「ある程度は何でもできるよ、ボク」と決めてください。そうすれば残りの時間が相当有効に使えるようになるでしょう。

(平成17年10月12日)