パパママ先生合格術」カテゴリーアーカイブ

第6回 ノートの使い方

■勉強する際、ノートの使い方はとても大切です。子供たち自身も、勉強が進むにつれて自分で工夫できるようになるでしょうが、最初のうちは、少し指導してあげると良いと思います。

■ まず算数ですが、これは多少もったいなくとも、1問1ページを守ると良いと思います。私はルーズリーフで、できればB5よりもA4を進めます。まだまだ学校や塾ではB系のプリントが多いと思いますが、A4の方がスペースも大きく、B5、A4両方に対応できるので、後でプリントの整理などをするときも便利です。

■問題を解くとき、もしコピーがあるのなら、ノートに問題をコピーしてはっておくと便利です。その問題の下に子供が自分で解くスペースを作り、裏は解答をやはりコピーしてはっておきます。

■すると1問単位の問題集ができあがります。ルーズリーフ式ですと、ファイルしなおすことが可能になります。できた問題だけは別にし、できなかった問題だけをファイルしなおすことができますから、夏休みなどに復習するのに大変便利になります。以前はこれをB6の京大型カードで勧めていた時期もありましたが、今はルーズリーフの方が便利だと思います。

■コピー機があれば、参考書や問題集、あるいは塾からもらった教材などもすべてこのバインダーにファイルしてしまうことです。分類は時系列で良いと思います。そのファイルに勉強すべき素材が全部はいっていることになりますから、それを解きなおしたり、見直したりすれば良いことになります。

■情報はポケット1つにまとめてしまい、それを何回も繰り返して勉強することが、大事です。特にカリキュラムが進んでいるときは、どうしても復習がおろそかになりやすいのです。ですから、問題や資料をひとつにまとめて、勉強するようにし、以前に学習したことを、かんたんに振り返るシステムを作っておきましょう。

■ただし、ひとつ気をつけなければいけないことがあります。こういうノート作りを教えると、きれいなノートを作るのですが、肝心の勉強が進まないという子がいるものです。女の子に多いのですが、ノートを作ることが勉強になってしまって、ノートができると安心してしまいがちのようです。あくまでノートは手段ですから、その中身をしっかり勉強してはじめて目的が達成されます。気をつけてあげてください。

(平成15年5月25日)

第5回 算数、初歩の勉強法

■最初のうちは、算数も基本問題が多いものです。例えば、和差算を勉強するとき、いくつかのパターンがありますが、そのパターンを網羅しようとすると、量をこなすことになります。この量をこなすという勉強の仕方が、子供たちにはあまりプラスに働きません。

■ なぜか、内容が理解できた子供たちにとってすれば、「できることを、なぜ繰り返す必要があるのか?できるに決まっているのに。」という気持ちを起こさせます。できない子供たちからすれば、「できないから、もうやりたくない。」という気持ちになりますから、いずれにしてもあまり良い気持ちにさせてあげられないのです。

■4年生や5年生のうちは、まだ、問題も複雑ではありませんから、自信がつきやすい時期です。この時期に算数は得意だと思わせてあげることが非常に大切です。では、得意だと思わせるにはどうすればよいでしょうか。

■基本的には「できる」「わかる」という気持ちがおこればよいのです。先日、理系の大学院生と話をしていたとき、「どうして今の専門を選んだの?」とたずねたところ、「この勉強がおもしろかったから。」という答えが返ってきました。「どうして、おもしろいと感じたんだろうね。」とさらにたずねてみると、「多分、わかったからだと思います。」という返事でした。その通りだと思うのです。自分ができると感じる勉強はおもしろくなるものです。

■ですから、算数の初歩ではとにかく「できること」をなるべく多くすることに集中してください。カリキュラムにあって、難しくてわからないところは、最初のうちは避けて通りましょう。それでよいのです。それをできるようにしようと思うばかり、お父さんもお母さんもいっしょになってがんばってしまうと、逆効果になることが多いのです。

■「僕は算数きらいだ」といわれてしまうと、これを直すのには大変苦労します。「わかる」→自信ができる→「好き」という流れに乗せてしまえれば、子供たちはほっておいても勉強するし、勉強すれば必ずできるようになるものです。

■難しい範囲が出てきたら「これは今わからなくても大丈夫だ」といってあげてください。4年生や5年生のうちは、それをわからせることで「自信を失わせてしまう」ことの方に問題がありますから、注意が必要です。

(平成15年5月18日)

第4回 1週間の計画を立てる

■家庭で子供の学習の面倒をみる場合、子供のそばにずっとついているわけにはいきませんから1週間の計画をたてて、帰宅後その成果を確認するというやり方をとるのが一般的になります。 したがって計画を前もって立てておく必要があるわけですが、これにも工夫が必要です。

■ まず勉強する内容を決めます。計画を立てる段階では、いろいろなことができそうな気がするものですが、実際に子供たちは忙しいものなのです。習い事があったり、スポーツクラブがあったり、友達と遊ぶのも大事なことです。したがって、あれもこれもと考えがちですが、最初の段階では少し少なめだと思うくらいでちょうどいいでしょう。

■また科目も4教科均等ではないほうが良いと思います。特に4.5年生の間は算数の学習時間をなるべく長くしておくことがポイントです。中学入試では、算数ができる生徒の合格率が高いので、なるべく算数が得意にしておきたいところです。その意味でも、絶対的な時間を長くしておくことだろうと思います。

■さて、実際に計画を書き出すときに、「この日は算数」では、やり方が具体的でないので、子供たちも困惑します。学習の指示は具体的でなければなりません。この問題集のこのページをやるというような具体的な学習内容を決めてあげてください。

■算数の学習の場合、問題をやってもらう場面が多くなると思いますが、その際、ノートに式や計算を書いて記録を残してもらうことが大事です。特にできる子供は、自分の頭の中で考えが進んでいくので、こういうことをいやがる傾向にありますが、最初からくせをつけておかないと、後に問題が難しくなったとき、ミスが多くなります。あとで、その式を見れば、子供がどこまでわかっているのか、わかりますから、とにかく過程を書き残すくせはつけてください。

■最初に計画を作ってみて、実際にやってみると、やり残しが多くなる可能性があります。これは計画が妥当だったのか、もう一度考えてみる必要があります。中学受験に関して動機づけができているお子さんならまだしも、大抵の子供たちは、まだまだ勉強よりもやりたいことはたくさんあります。ですから本当に実行できる計画を立ててください。やり切れれば、子供たちにも自信がでてきますし、意欲も強くなります。

■ご自宅に帰って、子供たちの勉強を確認するとき、とにかく、「ほめることば」を多くしましょう。これは意識的に多くしようと思わないとうまくいきません。どうしてもノートをみれば、注意することが目につくものです。それを直接子供に言ってしまうと、せっかく「ほめてもらおう」と思っていた子供の気持ちを台無しにしてしまいます。2つほめて、1つ注意するくらいの気持ちで、お話してあげてください。

(平成15年4月20日)