中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

ノート

私はなるべく授業で問題ややり方を写させるようにしています。特に3・4年生の頃からそのくせをきちんとつけていくように指導しているのですが、そのくせがつかないと自分で図を描いたり、表を書いたりすることができません。

先日、6年生の授業で出した問題も場合わけをしてひとつひとつ書き出していく問題を出したのですが、そのくせがついている子は一目見れば、分類の方法が正しいかどうかまで、すぐわかります。ところが、この場合は左側、あの場合は右側というようにどこに書いてあるか分からない子もいます。

「7の場合はどこにあるの?」
「え、ここ」
「なんでここなの」
「スペースが足りなかったから」
その結果として間違えることが多いのです。

6年生になったらきれいに書けるようになるとは限りません。したがって、4年生ごろからなるべくノートをきれいに書くように注意していってください。

四谷大塚第1回合不合結果速報を読んで

四谷大塚第1回合不合の結果速報を読みました。

第1回から随分受験者が増えています。これまでの傾向とすれば合不合はやや難しいのでもう少し実力をつけてから受験するという生徒も少なくなかったのですが、今年は最初から13%近く増加しています。四谷大塚では来年、5万人突破することは確実だと見ていますが、多分その通りでしょう。

で、今回の合不合は実はやさしかったのです。男女とも500点満点で平均点が56%前後。その結果として平均付近に集中することとなり、むしろ偏差値70以上が少なくなるという分布になっています。その結果、各学校の合否判定が厳しくなっている、特に50%、20%というところは集中していて1点の差でかなり順位が変わるからでしょう。

やさしい問題、これは今年の春の入試がそうだったので、それに準じて出題をしたものとを思いますが、番狂わせが生じるのです。問題がやさしければ、下位の子でもできる問題が増えます。逆に上位の子が間違えると致命的になりやすい。

「え、あの子が落ちた」ということがあるのは、まさに入試問題がやさしいときなのです。

近年学力低下は中学受験でも言われるようになり、中学の先生方の話を聞くと、以前と同じレベルで問題を作ると合格点が下がってしまうということでした。そこで問題をやさしくし始めたわけですが、そうなると実力のある子が落ちやすいということになります。

この展開で考えれば、同じ70点でも7割に手をつけて全部できるタイプが圧倒的に有利です。確実性をいかに身に付けさせるか、残りの時間でもっとも重要視する部分でしょう。

5年生2学期、テストの成績が下がったら

ここのところ立て続けに5年生の保護者の方から相談のメールをいただきました。みなさんに共通しているのは、5年1学期の成績はまずまずだったのが、2学期になったら成績が下がってきた、毎日毎日横で勉強を見ているのだが、成績は上がらず、子どもも私も疲れてしまって・・・という問題です。

今も何とか塾のクラスは維持してはいるものの、それにかけるエネルギーは相当なもので、このまま続けられるか自信がない、でもクラスを落ちてしまえば志望校に合格できないのでは?という漠然とした不安を抱えられているようです。

まず、塾のクラスと合否が一番関係があるのは、6年生の2学期というか、直前期でしょう。ただ、この時期の生徒の成績の差はあまりないので、ある集団が飛び出る他は固まっているといってもいいでしょう。

それに5年生の成績をあげるためには、細かい知識も理科も国語の漢字もできなければいけませんが、その記憶の多くは入試まで持ち続けることができないのでここでそれほどエネルギーをかける必要があるかどうかという点は考えてみなければならないのです。

5年1学期と2学期はかなり分量も難しさも違います。ある一定量を処理できた子どもたちも2学期に入るとアップアップするというのは、毎年のこと。ですからそこで振り分けられてしまって「志望校にいけないのでは?」と不安を感じられるお母さんも多いでしょう。

ですが細かい知識は6年生の後半期でしっかり固めればいいのです。それより5年のうちは算数の基礎力をしっかりして、毎週1本か2本、国語の読解練習をして読解力を身につけていくことが必要でしょう。塾に行けば理科や社会の勉強をするでしょうから、細かい知識の暗記を何回も繰り返すのではなく、塾の勉強だけで試験を受けるでもいいでしょう。つまりこの段階でも何を優先すべきなのか、しっかり決めてやらないと時間はいくらあっても足りないのです。

クラス分けが進む塾では、やはり漠然とした不安があるでしょう。上位のクラスにいれないのだから、志望校に入れない。でも本当にそうでしょうか?山の登り方はいくらでもあります。うちのような塾でも一切クラス分けはありませんが、上位の学校には入っていけます。

大事な認識は「その塾のやり方が自分のお子さんにあっていない」ということです。合っていれば上位にいけるでしょう。合っていないのだから成績が伸びない、だとすればやり方を考えてあげなければいけません。これはやはり保護者が考えないといけないのです。

5年のうちはまだまだ余裕をもって勉強をしてほしいと思うのです。お母さんとお子さんが夜遅くまで歴史の暗記をするのはなぜ?塾のクラス分けのテストのためだとすれば、本当に必要なのだろうか?こう考えなければいけないのです。

歴史の暗記をするのは6年生でいいのです。(繰り返しになりますが、ほとんどの子が忘れているからです。)その分5年で算数や国語の力を伸ばした方がよほどいい、そう考えると勉強の優先順位は変わるはずです。

クラス分けで楽に上位に行ける子はそのままやればいいのです。そうでなかったら勉強の方法は考えなければなりません。ただ問題は入試に間に合えばいいのです。どんなに先にいっても入試がだめなら不合格です。逆にその日が良ければそれでいいのです。もう少し幅広く考えてあげてください。