中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

テストの復習

模擬試験の結果が出たら、点数、偏差値、合格可能性いろいろ気になることがあるでしょうが、一番大事なのは復習です。

特にどうしてこの点数になったのかを考えてみることが大事です。

例えば国語の点数が悪くても模擬試験で読む文章は2つ程度、その2つの文章を読み取れなければ大きく点数を減らしてしまう可能性があるでしょう。

算数にしても、ミスをしたのか、それとも時間が足りないのか、ぜんぜんわからないのか、その区別をつけていなかければなりません。

時間が足りないのは、なぜなのか、実はできない問題の見切りが悪かったからかもしれません。

多くの子どもたちに模擬試験をやり直させてみると、30点、40点すぐ変わります。つまりその点数を取れる可能性はあった、しかし、それが結果としてとれなかったのはなぜか、「実力が足りない」で片付けてはいけません。

問題文の条件をきちんと確認する方法、その場で検算して算数のミスをなくす方法、など具体的な方法を次の模擬試験で試すためにも十分検討してください。

こればかりは子ども任せにせず、保護者の方がどこを間違えたのか確認しておくのが大事です。子どもだけでそれが判断できるわけではないから、冷静に見てあげてください。

あくまで冷静に。
「どうしてこんな間違いをするかなあ」
なんていっちゃだめですよ。

自分で勉強する力

この時期6年生が、まだ自分で勉強できないとなるとやはり問題が多いといえます。ただ、机に向かっていても実際に勉強していない(ただ問題集とか、参考書を開いているだけだったり、同じ問題をだらだらと考えていたり)ということだと、まったく力は伸びないでしょう。

まだ塾や個別指導に行っているほうがましというので、この時期塾の回数や個別指導、家庭教師などを頼まれる方が増える時期ではありますが、やはり自分で勉強する、自分のできないことをできるようにするという強い気持ちを持たせていかなければなかなか合格に結びつきません。

つまり勉強は「やらされる」ものではなく、自分でやるものでなければならないわけです。ではどうすればそうなるのか、ひとつには目標をしっかり持つことでしょう。これは第一志望ばかりでなく、算数のミスを減らそうとか、相似のところがもとできるようになろうなど、具体的であることが重要です。ただし、それがあまりたくさんあると、「できやしない」とあきらめてしまう子もいますから、上手に考えてあげると良いでしょう。

もうひとつは、「認める」ということが大事です。いろいろなことができるようになっているのですが、親としては先に欠点が目につくもの。ですが、本当にそうでしょうか。

この前、ある保護者のメールを読んでいて同じように感じました。いや、結構できるようになっていませんか?と返信したのですが、お母さんもそう言われれば、その通りだと思っておられたようです。

できるようになったという意識が出てくれば、自分で勉強する力はさらに大きく、強くなります。で、結局のところどんな先生についていようと、その力が小さい子は合格しずらく、その力が大きい子はこの後かなり伸びるのです。

お子さんを伸ばすためにも、ぜひ良いところを見つけてほめてあげてください。

親が陥りやすい間違い(2)

受験期が近づいてきて、相談メールが増えてきました。時期が時期なので、なるべく間髪いれずにご返信していますが、その中で他の保護者のみなさまにも役立つ話は今後もブログでご説明していきたいと思います。

さて、今回は塾の話。2学期になってうちも授業が増えましたが、多くの塾が直前授業を増やしているでしょう。授業を増やせば、当然宿題や課題が増えて、家での勉強時間は減るから「課題や宿題がこなせなくなる」ということになります。増えたのは仕方がないとしてどれからやればいいのか、優先順位をつけてくださいと相談したところ「ぜんぶ大事ですから、できるところまででいいからやってください。」と言われてしまったという話です。

しかし、それではなかなか計画も立てにくいでしょうから、私なりに優先順位をつけてご返信しましたが、問題は「量をこなす」という考え方。

受験が過熱してきて、競争率が上昇し、とそこまでは分かるのですが「量をこなさないと合格しない」という考え方がどうも私には釈然としないのです。もちろん勉強はしなければならないが、どこまでやれるのか、やはりしっかり見通しを立てておかないと、ひとつひとつの勉強の質が高まらない。

大きい塾にはありがちかちかもしれませんが、みんなにどーんと課題を与えて、できる子がいれば塾としてはOKでしょう。これは保険と同じです。だれが病気になるか、だれが事故に会うかはわからないが、ある確率で起こるわけだから、総数に確率をかけておけば期待値が出てくる。数が多ければ多いほど倍率に近づいてきますが、合格者の数は出るわけです。だから合格実績を出せば、会員は集まると考えるからどこの塾でも合格実績を○○中何名と出していくわけですね。

しかし、保護者のみなさんからすれば、他の子はどうでもいい。(すいません。)うちの子が入るかどうかが大事なわけで、その確率論の中で具体的な手が打てなければ意味がない。できもしない課題を与えられて、四苦八苦しても仕方がないわけです。

もちろんできる子は、できる子の競争をしてみたいと思う気持ちも強いので、それはそれなりに利用する手がいっぱいあるでしょう。しかし、うまくいかない場合もっと手を考えていかないといけないわけですね。

この場合はもっと強く塾の先生に優先順位を聞いてみるべきでしょう。(ただ、その先生が私は単科の先生だと思うのですね。他の教科のことについて余分なことはいえないから、こういう答になったのではないかと思うのですが。)

なぜ私が量をこなすことに疑問を持つかと言えば、子どもの持つ可能性を引き出すのがむずかしいからです。

私は算数の授業では白板に問題を書いて、子どもたちに解かせます。子どもたちはこの勉強方法が好きです。なぜか、じっくり問題を考えられるから、自分でも解きあげるチャンスがあるからです。おもしろい、解きたいと思えば自然、子どもたちの可能性は引き出されてきますが、最初から量がどーんとあると、その気持ちも萎えてしまうでしょう。そして慌てて問題を解けば、そんなにわかるわけはないから、結局のところ、力はあまりついていないということになるのです。

「おもしろいんだ」「とけそうなんだ」こういう気持ちを持っているとき、子どもの力は大変に伸びます。しかも全てのパターンを網羅することなどできないのだから、子どもの考える力、問題処理能力をつけていくしかないのです。

私は塾を再開するとき、以前のやり方はもうやめようと思いました。そういう塾はたくさんあるし、そういうところに合う子はその塾で目標を達成してくれればそれでいいのです。

そのやり方でうまくいかない、どうも分量が多すぎて自信をなくしている、そういう子にたくさんの人数のクラスで教えても意味がないから、教室は小さくしました。【エルフィー】はいくつかありますが、1つ1つはたぶん大きい塾の1教室分しかないでしょう。だからクラス分けなどありません。(高校受験はありますが。)

どういう塾を選べばいいか、それは子どもの状況で決まります。だから上手に選んであげてください。親がしっかりコントロールする気持ちを持っていないと、良い結果は得られませんから、ぜひその点はよく考えてあげてほしいと思います。塾はあくまで親が利用するものであって、「お任せ」するところではありません。