中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

冬期講習(1)

冬期講習2日目。直前の講習とはいえ、いざ、教えてみれば当然のことながら、「これはこうしろ」「あれはああしろ」が出てくるのも事実なのです。しかし時間はもう多くはない、だから「とにかく、ここまではやろう。それでできなければ仕方がない」「わかりました。」

お互いに達成したいことは同じですから、ああいえばピンときてくれるのでしょう。この一体感のために多くの指導員が塾の仕事から離れられないのかもしれません。

今年もそれぞれの子どもたちに担当の指導員が冬のプログラムを個別に書き下ろしました。今日もいくつか話をしましたが、指導する側の気持ちがよくわかります。そしてそれに何とか応えようという子どもたちの姿勢もよくわかります。この9日余りの間、ぜひともそれぞれの努力が結果に結びついて欲しいと思うのです。

帰り際、「今朝、何時に起きた?」
「6時半。」
「7時10分、明日はがんばります。」
ははは、でも子どもたちはみんなそれなりに必死なのです。大人の目から見ればまだまだかもしれませんが、本人たちはそれなりにがんばっているのです。どうぞ、その点はぜひ認めてあげてください。

不合格ははずかしいことではない

昨日、帰国の合格発表があり、無事合格したのですが、その子と話をしていて
「「でも、落ちてもちゃーんと塾に行きなさいよ。」ってお母さんに言われたの。」という話を聞きました。

大事なことだと思います。確かに不合格は残念なことであるし、悔しいことでもあるでしょう。しかし、決してはずかしいことではない。このことはちゃんと教えておく必要があります。

土台、多くの学校では不合格者の数の方が多いのです。しかし、このころになると学校の友達が同じ学校を受けると聞いて「自分が落ちたら、どうしよう。もう学校にも行かない」などという子もいるかもしれないのです。

しかし、ここで気持ちをネガティブにしてはいけない、人生、そう勝ち続けることはできない、負けるときもある、だからまたがんばればいいのです。もちろん、そんなことは大人であればわかります。しかし子供たちにとっては最初の経験であることが多いのです。その結果は数時間のテストの結果にすぎないのだけれど、合否は出るし、それがもちろん重いからこそ子供たちにとって心理的なプレッシャーを与えるのです。

不合格はくやしいことです。涙を流すのも当然。ただ決して恥ずかしいことではない。またその気持ちを振起して、次に向かっていかなければならないのです。親としては当然、失敗してほしいとは思わないでしょう。しかし、失敗を受け止めさせることも大事なことです。ただその受け止め方はしっかり教えておく必要があります。

落ちても塾に来れば、ほんのちょっとの時間でもうもとに戻るのです。しかし、そこにくるまでの間、子供たちの気持ちには葛藤があるのです。ぜひ、背中を押してあげてください。

ビジョンをもって

ここまで中学受験がブーム化すると、ムードに乗せられて「中学受験をしなければ」と思わず、考えてしまうご家庭も少なくないのではないでしょうか。

中学受験は首都圏、関西圏、九州の一部では高校受験に代わってその中心となってきているようですが、全国的に見ればまだまだ高校受験が中心の地域が少なくありません。首都圏の場合、私立高校は付属中学を併設して高校の募集を中止している学校が増えてきていますが、都立、県立をはじめとした公立高校も私立に負けない教育の内容を充実させてきています。今までは一斉テストだった公立高校も次第に独自入試を掲げてきていますし、これまで一浪は当たり前といっていた大学受験についても対策がとられてきています。

だから、なぜ中学受験をするのか、もう一度冷静に考えてみるべきなのです。中学受験には当然メリットがありますが、一方でデメリットもあります。やり方を間違えれば子どもにとって負担が大きすぎてしまう場合もあるでしょう。

本来、良い教育環境を与えたいと思って始める受験勉強ならばその過程も教育的であるべきですが、そうでない場合が増えているのです。

ですから、なぜ中学受験をさせるのか、どういう学校に行かせて、どういう教育を受けさせるのか、親がしっかりビジョンを持つべきです。そしてその準備についても「我が家の指針」に照らしてそれがいいのかどうか、親がしっかり吟味する必要があると思います。

中学受験をしないという選択肢も当然あるのです。