中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

考える算数

ここのところ、算数の勉強法のご相談が続いているのですが、根本的に考え方が違うのではないかと思われる(塾?)の指導法が目に付きます。

算数の勉強法というのは考える力をつけるために、真剣に、あるいは夢中になって考えさせる時間を創るということに尽きます。例えば、問題集に数字を変えた例題がいっぱい載っているものがありますが、あれは役に立つのか?といえば私はそうではないと思っているのです。

似たようなパターンの問題を練習する、確かにそのパターンはできるようになるでしょう。しかし、入試に同じ問題がでるとは限りません。むしろ今までになかったような問題をそれこそ1年かけて考えてくるわけで、だからすべてのパターンを網羅しようとすると中学受験の範囲は小5~中2ぐらいまでひろがってしまうのです。

もちろん解く道具として、公式や解き方を知っていることは大事です。しかし、それは応用問題の中でも勉強はできる。真剣に考えれば、解き方は自分で発明できるものです。その発明が、その子の力を創りだすといって過言ではない。だから、真剣に考えさせるべきであって、同じような問題を数字を変えて解くことはそのこの動機をそぐという意味で、私はあまり良い方法とは思わないのです。

良い問題をじっくり、考える。できなかったら復習する。(というか、良く考えるがずーっと続いているのですが。)そこから考える力が養えるのではないかと思っています。

今年も7月から学校別特訓をやるのですが、(私の担当は大倉山と桜台になりそうです。)それまでの間同じ時間帯で6年生を対象にした算数の特別授業「ゴリラ特別」をやろうかなあと思っています。(まだ発表された時間割には載っていません。)テキストなし。白板で問題を出し、じっくり考えてもらい、解説。そして家で復習。基礎から教えない。プリントも出さない。白板に書いてある問題を写せなければ何もできない危険性がありますが、逆に真剣にやれる子にとっては考える力がつく授業になるように思うのです。

詳細が決まりましたらまた書き込もうと思いますが、今の子どもたちは加熱する雰囲気の中で本当に過度な準備に追いまくられています。もっと問題数を絞って、しっかり考える、楽しく勉強することが大事だと思うのです。解くのがおもしろくなれば、考える力はつくのです。考える力をつけるということをご家庭でも意識していただければと思います。

ここからは気持ち次第。

今日は6年生の補習です。

ほぼ学校別と同じように、それぞれが自分の志望校の過去問をやっていきますが、すでに2回目、3回目に入っているので高得点をとれるようになってきました。問題はミス。ちょっと気持ちが外に向くと、字が汚くなる、ミスが出る。
「この答案はていねいでないな、やりなおしなさい。」

受験生は誰しもが入りたい。だから合格したいと本当に強く思うことは大事なことです。その分、親は多少距離感を持って見守る必要があり、親が強く合格を思うとあまりろくなことがないものです。

さて、最近の学校別では緊張感をもてるようにしています。わざとプレッシャーをかける。何割取れたかチームにわけてポイントを競ったり、個人戦にしたり。土台全員がやっていることは違うものの、個別指導だとその分競うという緊張感はなくなります。だからやっていることは違うが競わせる。難しい問題を解いている子とそうでない子には若干のハンデはあるものの、とにかく競わせてミスを減らす。だいたい試験会場ではだめで、家だとスラスラできるのが普通です。だからプレッシャーをかけないといけない。

もうひとつは、もうあまり教えない。自分で考え、自分で理解させる。どうしてもわからない問題は「しようがない、教えてあげよう」ともったいぶって教えます。ここでもったいぶるのが大事。「え、教わっていいんだ?」「あ、いいです。もう一回考えます。」そうそう、それが必要。

今日のカミナリは記述の量が少ない子に。
もってきた答案がほぼ1文しか書いていなかったので、
「すべて4行書け。それが書けるまでは帰れないぞ。」
最後の一人になってでもやらせます。自分の課題が終われば補習ですから帰れますが、彼だけは帰ってはいけないのです。

で、結果はどうなったのか。
ちゃーんと書けるんですね。つまり気合が入っていない!
「やればできることをちゃんとやらない、君がいけない」
とコンコンと怒られて帰って行きました。

ここからは気持ち次第。気持ちの強い子が、成績のハンデをひっくり返すものです。

説明する気持ち

記述の採点をしていると、勝手な思い込みで書いていたり、言葉が不足している答案をよく見かけます。

本人はなんとなくはわかっているようですが、しかしそれを相手に伝えようとする気持ちが不足している、だから勝手きままに書いて「わかっている」ことが採点者に伝わらない。

答案というのは、自分が何を理解したのかを採点者に伝えられなければいけないのです。単に答えを書くだけなら、YESかNOかですが、途中の考え方を記述で書いたり、あるいは登場人物の心情を説明する場合は、何がわかったのか、どういう考え方をしたのか、その過程をなるべく詳しく書いていく必要があるわけです。

「わかってもらいたい」という気持ちが文章に出る子は、大方合格します。逆にその気持ちがない子は、伝わってこない。「何を言いたいのか?」が見えてきません。

過去問を練習したり、記述問題を練習したりするとき、まずは「わかってもらいたい」という気持ちをしっかり持たせて練習させてください。

でないと、時間の無駄になることが多いものです。