中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

あと10日、何をすればいいか?

いよいよ2月1日まであと10日あまり。
すでに千葉、埼玉の入試がピークを迎えています。間もなくこの流れが東京、神奈川に移り、2月5日まで一斉に入試が行われます。

20日の市川もそうでしたが、千葉の入試は予想通り応募者が多く、大変な入試になっているようです。今年の受験生は5万人と朝日の夕刊がトップ記事で伝える中、実際、この10日間をどう過ごすせば良いのでしょうか?

まず、健康管理。当たり前ですが必ずといっていいほど1月31日に熱を出す子がいます。また直前に怪我をする子もいますから、本当に注意してください。

次に勉強。
この時期はまず1点。確実に知識を増やすこと、正確に解きあげること、ミスをしないこと、この練習がすべてといっていいでしょう。知識は暗記のテキストを繰り返す。過去問をやる中で、指示を確認する、計算をきれいに、ていねいにやる。だからといって満点をとれるわけではないので、ミスは出てくるでしょう。

その出現率をなるべく減らす工夫をすることです。(お母さんが怒っても直りません。)基本的には具体的なやり方を見つけることです。問題文に下線を引く、指示を答える前にもう一度確認する、そういうひとつひとつの作業を確実にすることができるか?この10日間はそのチェックに費やすべきでしょう。

もしスランプがおきたら?
今まで出来ていたのに、計算ミスがとたんに増えた。問題の読み違いをしている。明らかにプレッシャーがかかっていると見てよいでしょう。まず「失敗することは恥ずかしいことではない」ということは確認してあげてください。落ちることをこわがるとこういうプレッシャーが出てきます。その上で、易しい問題を確実に解く練習をすることです。それでも間違えるかもしれません。では、やり直して。そうすればできるはずですから「出来るでしょう?」と確認してあげてほしいのです。今まで培った力はどこにも行きません。その子どもがちゃんと持っています。問題はそれを発揮する力。これは精神的なものが大きい。「絶対に合格するんだ」という強い気持ちがもてれば言うことはないです。しかしそうでない子どもたちもいるでしょう。だから合格するために「具体的な方法を確実に実行する練習をつむ」ことです。その延長戦上に合格があると思ってください。

今年は受験生の数が多いので1点差にかなりの受験生が並ぶことが予想されます。つまり、1問ミスを防ぐだけでかなり順位が上がっていくのです。

その練習をこの10日間の間にしっかりやりとげて、万全の体制で入試に挑んでください。

本番は平常心というけれど

埼玉、千葉の受験が続いています。

千葉の子は本番が先ですから、すでに臨戦態勢。むしろ終わってほっとしたところで、「さーて、東京だ」と向かってきます。
神奈川の子は、埼玉、千葉に遠征に行くには東京をまたいでいかないといけないので、1月受験はあまりしない傾向にあります。その分、短期決戦になるわけですが、どうも見ていると「まだ時間はある」と見ているフシがあるのです。まあ、地域柄といってしまえばそれまでなのでしょうが。

さて、本番は平常心で臨みたいと誰もが思っているでしょう。

いや、しかし。本番は本番なのです。絶対緊張します。平常心?無理無理。
「上がらない」といっている子が上がっている。「これは応仁の乱でしょ。」
「あー、そうだ!」(と頭をかきむしる。)なんてことになるのです。

今年は5万人受けます。例えば今日の市川。幕張メッセの人の数を見て、心中穏やかでない子どもはたくさんいるはずです。いや、保護者の方もきっとそうでしょう。今年はどこへ行っても人の列を感じる受験になると思います。

だから平常心で臨めない、というのが当たり前なのです。まして12歳。

現場でやりきるところまで含めて力と思ってください。偏差値だけではないのです。自立してたか、お母さんに朝、起こされて学校に行っていなかったか、そういうことまで全部含めて力です。それで勝負するのです。

昨日、関西に出発していった子どもがいます。関西に帰る可能性があるから受けるということも充分にあるのです。前日の入試会場入り。でもそれでも関西の子どもたちと競うのです。力を出し切ってもらいたいと思います。

そういう状況だから、親は一歩下がってみててあげてください。私が何とかしようなんて思ってはいけない。何かしようと思えば思うだけ、平常心からは遠くなります。もうすでに、彼らは彼らの勝負を始めているのです。その結果が、どうであれ「結果をベストにしよう」そう思っててください。

お子さんの顔が少したくましくなったように見えると思います。

小4の壁

先日、日経の記事の取材を受けました。その内容が15日の日経夕刊紙に出ています。それを読んで(というのは、取材を受けてもその内容を教えてもらえるわけではありません。記事自体は出た後読むだけなのです。)思うところが多々ありました。

「小4の壁」というのはこういうことです。最近は晩婚傾向があるので、第一子が小学校4年生(10才)になるとき、お母さんが40代で管理職になるかならないかの選択を迫られる時期と重なります。子供に中学受験をさせるのであれば、忙しい管理職は選択せずに、子供のフォローに回った方がいい、もし管理職を受けるなら子供の受験はあきらめた方がいい、ということでこれが「小4の壁」なのだそうです。

私は、キャリアを考えて管理職に進まれたいと思われるお母さんはぜひにその道を進んでもらいたいと思います。かつ中学受験はもちろん挑戦してほしいと思うのです。

子供の面倒を見なければ、中学受験のトップ校には合格しない、これは決してそうではありません。

確かに4年生や5年生の間、子どもたちの動機付けはまだ充分ではないでしょう。したがって勉強よりは遊び、テキストよりはゲームという気持ちが強いはずで、それを叱りながら机に向かわせないと合格はおぼつかないと思われているかもしれません。

でも、それでは結局合格はしないのです。前からお話している通り、中学受験の範囲は小5から中2まで幅広く、「やらされる」勉強だけで力がつくわけはないのです。

私はむしろ自立心を持つ子どもたちが、合格しやすいとさえ思います。何から何までお母さんに面倒を見てもらう子どもたちが、3時間~4時間で自分の力を出し切らなければいけない戦いに一人で向かうことができるでしょうか?そうではないでしょう。

だからお母さんが働いていることはハンディにはなりません。むしろ子どもたちの自立を促し、動機付けができれば自ら勉強できる子どもに成長してくれるでしょう。

先日、以前の教え子がフィアンセを連れてきました。彼は本当に自分でいろいろなことをやりとげた子で、実際にお母さんと面談することはほとんどなかったのですが、そのお母さんは敢えて何でも自分でさせようとしていたのだそうです。むしろそういう育て方をする方が、中学受験ばかりではなくその後の成長にも役立つのではないでしょうか。

確かに自分一人で塾に行くことは大変なことかもしれません。でも、やり方を考えればまだまだ方法があるのではないでしょうか。お母さんのキャリアアップも子どもたちの自立も両立させることをぜひ目指していただければと思います。