その気にさせる

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塾の先生の仕事で最も大事なのが、やはり生徒をその気にさせるということだと思うのです。

入試が近づいてくるにつれ、生徒たちも次第に真剣になってくるのですが、やはり勉強というのは、自分が主体的に進めていければ、全然結果が違ってきます。

「勉強しなさい」といわれていやいや勉強するのと、自分から進んでやるのでは時間の効率も違うだろうし、成果も大きく違うでしょう。問題は、どうやったらその気にさせることができるかです。

今まで子どもたちと向き合ってきて、うまくいった子もいれば、そうでなかった子もいます。うまくいった子どもたちの例でいえば、やはり
「君なら何とかなるんじゃないの?」
という言葉が子どもたちの心に届いたという点だと思うのです。

口では何とか言えても、実際に子どもたちがそう思わなければ何にもならないのです。成績が悪かったり、授業で問題ができなかったりすれば、「やっぱりできないし」という気持ちになるわけで、いくら「何とかなるんじゃない」と言っても子どもの気持ちを前向きに変えてあげることができないのです。

では、うまくいった子どもたちはどうして心に届いたのか?という点を振り返ってみると、一点突破だったように思います。

全教科がすぐによくなるわけでないし、自信も簡単にはできないでしょう。でも好きな科目、得意な科目のある一定の部分については何か光るものを見出すことができると思うのです。

ある女の子が算数でメロメロな点をとってきました。
「やっちゃったねえ。全然わかんなかったの?」
「うん。」
この子はずーっと算数が苦手なので、どんどん自信をなくしています。いろいろと話はするのですが、相変わらず「算数は嫌い、できない」という意識が強く心にきざまれているのです。

何か道はないかなあ、と思いながら、彼女の答案を見ていたところ、案外知識は良くできていることに気が付きました。

「社会とか、漢字とかはできてるんだねえ。」
「そういうのは簡単なの。」
「簡単?」
「だって、覚えるだけじゃん。」
「でも、覚えられない子もたくさんいるよ?」
「覚えるのはできるの。でも考えるのは難しいのよ。」
「算数はいくつかの解法を組み合わせるから、覚えているとある程度できるんじゃない?」
「え、だって、思いつかないもん。」
「わかった。じゃあ、こうしてみたら?復習するときにね。解法を覚えるんだ。それでね、もう一回やってみるの?」
「時間かかるけど。」
「できる分だけでいいから、その代わり、二度解いてみたら。そうすると、覚えているから、次はできるということになるんじゃない?」

本人は半信半疑ではあるものの、実際に始めてみました。で、結果としてはできるようになった。なぜかというと、これまでの解き直しは解き方を覚えようとはしていなかった。パターンを覚えるのではありません。ただ、もう一回解きなおすことで、似たような問題ができるようになっていったのです。

何か、道が開けると、子どもたちもやる気が出てきます。その気にさせられたら、子どもたちの可能性をかなり引き出すことができるのではないでしょうか。

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