第35回 パターン

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■例えばこんな問題解いたことがありませんか?1×2×3×・・・×100までかけた積をPとします。このPは1の位から何個0が続きますか?ある、そうきっと問題を解いたことはあると思うのです。実はこの問題は、数の性質の典型的な問題で、毎年どこかの学校の入試問題に登場します。解説すれば、10=2×5ですから素因数分解したときに、5がいくつあるかがわかれば、0の数もわかります。

■100÷5=20 100÷25=4で答えは24個になるわけです。似たような問題でこの積が3で何回割り切れますか?というのも典型的な問題でしょう。

■理科はもっと、パターンが決まってきます。たとえば水溶液の中和の問題。これは水酸化ナトリウム水溶液と塩酸をまぜる実験しか、出題されません。しかも水酸化ナトリウムを固定して、塩酸を加えるか、その逆しかないので解き方を覚えていれば、簡単に解ける問題といえるでしょう。もちろん、その場で解き方を考え出すのでもいいのですが、これはこう解くと覚えておくと、あまり時間をかけずに解くことができます。

■こういうパターンは、いろいろなところでみなさんが自然に使っています。例えば速さの比をひっくりかえせば、同じ距離を行くのにかかる時間の比になりますね。これをみなさんは、問題を解くときに良く使っているでしょう。つまり、算数の問題を解く(あるいは理科の計算問題を解く)というのはそのパターンをいくつか組み合わせながら、自分で解き方を考え出していくプロセスといえるのです。

■算数ができない人は、実はこのパターンが少ない。解き方を覚えられていないのです。でも等差数列の和の公式はほとんどの人が覚えているでしょう。台形の面積の公式もきっと覚えていますよね。それと同じで、問題の解法はある程度覚えてしまうのが良いのです。ただ、社会の年号と違って、覚えにくい部分はあります。だから、基本問題で練習しながら、解き方を覚えてしまうことが大事なのです。

■算数や理科の計算問題は暗記だ、というとみなさん、びっくりしてしまうかもしれません。でもそういう側面をもっているのです。算数が得意でない人は、もう一度、基本のまとめの問題集をやり直しながら、解き方を覚えてみてください。2ヶ月でずいぶん結果が変わってくるはずです。

(平成17年9月22日)

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