最終回 学力とは生きる力? 

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■ここ数年、中学入試の合格点が下がってきたのは大きな疑問でした。これだけ中学受験自体が過熱化し、毎年受験率が過去最高を更新する現在、なぜ学力が下がるのか、私にも明確な答えが出せなかったのです。

■しかし、エルフィークラブ(メールマガジン)でもお話した通り、やはり子どもたちの生活が乱れているのがひとつの大きな原因のようです。最近の子どもたちの生活はテレビやテレビゲーム、インターネットのような刺激的な情報の氾濫とそれにともなう夜型生活によってかなり成長をゆがめられているようなのです。

■国語の読解力ひとつをとっても、今の子どもたちの音読はあまり上手とはいえません。なぜか。彼らが耳から得ている日本語はテレビの言語が多いのです。子どもたちは多くの情報を耳から得ます。したがってはやっているこどばはすぐ覚えます。「ヤバクない?」などのことばは今の子どもたちからすぐ聞くことができるでしょう。

■しかし、子どもたちの読む文章はこれとはまったく違っています。だから読めない、わからないということになるわけです。しかも塾に毎週3日も4日も通い、かつ夜遅くまで勉強する。しかし、すでに子どもたちの限界は超えています。だから勉強していても、あまり頭に入っていかない。「課題が終わらない」とあせる一方でやらせる問題は増加の一途をたどっているのです。

■子どもたちは解きたいと思ったり、おもしろいと思ったことについてはストレートに感情をあらわします。したがってそういう気持ちが強ければ強いほど、しっかりと考えるし学力もついていくのです。ただ与えるだけでなく、本人がほしがるようにする工夫が、今一番求められているのではないでしょうか?

長い間お読みいただき、ありがとうございました。はたまた母親講座は今回をもちまして最終回とさせていただきます。次のシリーズは「それでも母親講座」と題して近日、またスタートする予定ですので今後ともお役立ていただければと思います。

(田中 貴)

(2006年4月20日)

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