第1回どうして中学受験をするのでしょうか?

Pocket
LINEで送る

■さて、この講座を始めるにあたって、どうして中学受験をするのか考えてみたいと思います。日本では中学校までが義務教育です。義務教育というのは国民全員が必ず受けなければならないのです。多くのみなさんが公立小学校に通っていると思いますが、住まいの近くには公立の中学校もあるでしょう。みなさんは小学校を卒業すれば、かならず公立の中学校にはいけるのです。

■一方で、みなさんには学校を選ぶ自由があります。自分が教育を受ける学校を自分で選ぶことができるのです。最近では公立中学でも選ぶことができるようになりました。ですから、ちょっと家から離れているけれど、例えば自分の大好きなスポーツのクラブがあるのでそちらの学校を選ぶということも可能です。

■また中学校には公立中学校ばかりでなく、私立中学や国立中学があります。これらの学校は、あるルールにしたがってできた学校ですから、中学校であることに変わりはありません。ただ、どういう教育をしようかということをいろいろ考えて作られた学校ですから、公立中学校に比べればいろいろな特徴があります。そしてこれらの学校の多くには付属の高等学校があるので、たいていの場合は中学に入ることで高校入試を受けずに高等学校へ入学することができます。

■公立中学校に行くと、みなさんはたいてい高等学校に進学しますから、高校受験をしなければなりません。ただこれら私立、国立中学に進学すれば高校受験はなくなります。ただ、その分、中学の入学試験を受けなければならなくなります。これらの学校に入学を希望する人は多いので、学校としてはその希望者の中から試験によって入学者を決めているのです。

■さて、そうするとみなさんの前にはいま大きく2つの道があることがわかります。中学受験をして6年間いっかん教育(大学付属の場合ですと10年いっかん教育になります)に行くか、今は受験勉強をせず、公立中学に進学して、中学3年生で受験して高校に行くかです。ただこの場合は、3年後に大学を受けることになり、3年、3年と受験勉強が続くことになりますね。

■私立、国立中学に行く利点の第一は6年間は受験勉強をせずに、自分の勉強やクラブ活動ができるという点です。2番目の利点は私立、国立は独自の教育内容を受けられることです。英語の学習時間が公立より多かったり、クラブ活動が広範囲だったり、海外に留学することができたり、いろいろおもしろいことがあるのです。また勉強は入学試験に合格した人たちだけのクラスですから、一般にレベルは高く、早くから難しい勉強に取り組むこともできます。

■もちろん、公立中学に行って、その後、高校受験、大学受験をしている人たちはたくさんいます。首都圏でいえば全体の15%の人たちが中学受験をしているだけで、残りの人たちは高校受験、大学受験というコースを選んでいます。もちろん私立の場合は公立にくらべて費用がかかります。だからたくさんの人がいけるわけではありません。ただ、みなさんには学校を選ぶ自由がありますから、自分の行きたい学校を選ぶことができるのです。

■さあ、ここから、みなさんが保護者の方と相談して、いろいろ考えてみなければいけません。自分はどういう学校で、どういう勉強をしたいのか?みなさんは考えたことがありますか?考えたことのない人は、ぜひこの機会に考えてみてください。そして保護者の方といろいろ話し合ってみてください。きっといろいろな話をしてくださるでしょう。そしてもし、中学を受験しようときめ、保護者の方も賛成してくださったなら、この後の私の講座をぜひ聞いてみてください。さあ、始めましょう。

(平成17年1月4日)

Pocket
LINEで送る