第39回 受験を失敗させる親

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中学受験は保護者が受験にかかわる要素が多い分、失敗の原因を作ってしまう可能性が少なくありません。
入試まであとわずかになってきましたから、ちょっと警鐘を鳴らす意味でお話してみたいと思います。

(1)言葉で厳しく、態度が甘い親

「勉強しなさい。」「何度いったらわかるの?」
言葉は怒気を含んでいるものの、実際には「仕方がないわね、もう寝なさい!」となってはいけません。
例えば子どもが計画を立てた勉強が終わらなかったら。
「大変ねえ。がんばってね。お母さんは先に寝るから。」
が正しい態度なのです。次の日が眠かろうと、朝、起きれなかろうと、それは本人が悪い。自分がやろうと思ったことは最後までやらないといけないのです。だから言葉が厳しい必要はありません。言葉が厳しくても、「お母さんは寝ろというに違いない」と思われたら、そこで勝負ありですから。

(2)子どもの障害を取り除こうとする親

人生、いろいろあるのだから、自分で何とかするということができないと先先困ってしまうと思うのです。
しかし、どんどん取り除いてしまう。まるでラッセル車、あるいはブルドーザーのように。子どもは人がやってくれるのなら、当然、自分でやろうとは思いません。
よく自立させようとお考えになっているお母さんとお話をしますが、そういうお母さんに限ってまだ子どもを朝起こしているのです。自分の時間をコントロールしようと思ったら、朝、自分で起きるのが当たり前。学校に遅刻しようが、自分のまいた種。だから自分で起きるまでほっとけばいいのです。子どもの部屋の掃除、お母さんがしていては自立はほど遠いと思ってください。

(3)子どもの受験が自分の受験と同質化している親
誰が受けるのか?当然、子どもでしょう。しかし、まるで自分が受けるかのように心配したり、準備されているお母さんがいるものです。もちろん、それなりに親として準備しなければいけないことはあります。願書や手続きは親がやってあげないといけないでしょう。しかし・・・。本人がやらなければいけないことまで、お母さんがやる必要はありません。これから入試が近づいてくるにつれ、子どもの受験だとしっかり割り切る必要があります。
本人がどこまでやるのか、しっかり見届けてあげるのは大事なこと。しかしあまり手を出しすぎると、本人は「最後はお母さんが入れてくれる」などと思うようになったりするものです。

(4)今の学校や受験状況を知らない親

さすがにお母さんは情報通なのですが、お父さんが疎いという家庭はまだまだ多いかもしれませんね。最近は保護者会や講演会にお父さんが足を運んでくださる方も増えましたが、しかし、そうでない方も多いのが現実かもしれません。
「え、そんな学校に行くのに塾に行くの?」
今の学校はお父さんの時代の水準と大きく違っているはず。ですから、そういう言葉がいかに子どもを傷つけるか、あまりご存知ないとすれば、それは問題外。おじいさんやおばあさんではないのだから、今の状況はある程度知っていてほしいものだと思うのですが。
ただし、お父さんがあまり詳しすぎるというのもちょっと考えもので。お父さんもお母さんも子どもにはっぱをかけていると子どもの逃げ場はなくなります。お父さんが一番果たさなければいけない役割、それはお母さんの話を聞いてあげることなのです。

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