第15回 ある格差

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中学受験の本質は中学2年までの先取り学習です。本来、小学校卒業程度でよいはずですが、それでは差がつかないので、出題は「小学生でも解ける問題」という形で出題されます。そうすると、例えば数学でいえば一次方程式、一次関数ぐらいはラクに範囲に入ってしまう。中学受験を終えた生徒が、中学校で方程式を習うときに「これ、算数で解いてもいいですか?」とつい口走ってしまう、そのくらい中学受験の範囲はだぶっているのです。

で、今回はその先の話です。

その結果として私立中学に合格した子どもたちは、すでに中学2年程度まではある程度学習しています。だから、ここで一気に中2ぐらいまでに中3までの過程を学習していけば、中3では高1、高1では高2と1年飛び級することができるようになります。もちろんすべての学校がそうではありませんが、実質そういうことができる。したがって中高一貫校の高3では、ほぼ一浪と同じ大学受験対策が組めることになるのです。

結果として同じ現役にもかかわらず、高3で高3のことをやった公立の卒業生と一浪状態の中高一貫校の卒業生では大学受験の結果が大きく違ってくるわけで、ここ数年来有名大学の入学者は、私立中高一貫校の生徒が6割から7割を占めるようになってきました。

しかし、こうなると地方の子どもたちはどうなるのか?という疑念が生まれてきます。

地方は公立中学に進み、県立高校がだいたいNo1スクールですから、地方に暮らしただけである格差がついてしまうということになるのです。

これは歓迎されざる事態でしょう。しかし厳然と高校受験があると、勝手に飛び級するわけにもいかない。そこで。

地方は特に、公立の中高一貫校に力をいれるべきなのです。むしろ近辺の小学生が集まってくるような公立の中高一貫校を作っていく必要があります。また公立校自体ももっと変わらなければいけない。

幸い、公立中学は学区撤廃の動きを受けてだいぶ変わってきています。状態が悪い中学は生徒が集まらない、こんなことが公立であるなど数年前まで想像だにできませんでしたが、確かにその結果として公立中学も変わりつつあります。

そして、ゆとり見直しを機に、本当に子どもたちの基礎学力の充実に力をいれるべきです。

いたずらに中学受験を考えるよりも、まずしっかりとした基礎学力を培う、その上で応用力を伸ばすことを考えないと結局、本当の学力にはなりません。今の小学生の基礎学力は、まだまだ充分とはいえないのではないかと最近良く思います。

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