今週は仕事算です。
仕事算は割合のテーマとして、全体の仕事を1と考える考え方と、比を使って全体の仕事も量を可変的に整数に置き換える方法があります。
全体の仕事を1とすると、当然分数を使った計算が出てくるので、なるべく比を使って整数の計算に持ち込む方法を今回は考えていきましょう。
(例題1)
A君だと30日、B君だと40日かかる仕事があります。
A君が12日やったあと、A君とB君で残りを仕上げると、全部で何日かかりますか。整数で答えなさい。
(解説と解答)
ここでは全体の仕事の量を30と40に最小公倍数である【120】とおきます。【 】で囲むのは、他の数字と区別をするためです。
A君は30日で終えるので1日あたりの仕事の量は【120】÷30=【4】になります。
B君は40日で終えるので1日当たりの仕事の量は【120】÷40=【3】になります。
まずA君が12日やったので、【4】×12=【48】の仕事が終わりましたから、残りは【120】-【48】=【72】です。
ふたりで仕事をすると1日に【4】+【3】=【7】仕事が進みますから、
【72】÷【7】=10・・・【2】となって、11日かかりますから、全体では12+11=23日
(答え)23日
(例題2)
A君がやると12日、B君がやると18日かかる仕事があります。これについて次の問いに答えなさい。
(1)1日のA君とB君の仕事の比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
(2)A君とB君がそれぞれ一人で仕事をして、14日で終わるためにはA君は何日仕事をすればいいですか。
(解説と解答)
(1)は日数をひっくり返せばいいので、A:B=18:12=3:2です。
念のため、全体の仕事を12と18の最小公倍数である【36】とすればAの仕事は【36】÷12=【3】、Bの1日の仕事は【36】÷18=【2】となります。
(答え)3:2
(2)14日間B君が仕事をすると【2】×14=【28】終わりますが、【36】-【28】=【8】残ります。
これをA君が1日変わることによって【3】-【2】=【1】ずつこなせますから、【8】÷【1】=8日がA君になります。
(答え)8日
(例題3)
A、B、Cつの管と大きな水そうがあります。AとBは水そうに水を入れ、Cは水そうから水を出します。
A1本で、空の水そうを45分で満水にします。
B1本で、空の水そうを1時間で満水にします。
C1本で、満水の水を90分で空にします。
次の問いに答えなさい。
(1)まずA1本で20分入れてから、BとCを同時に開きました。全部で何分で水がいっぱいになりますか。
(2)空の水そうに水をいれていきましたが、Aは10分、Cは20分閉じていました。全体で何分で満水になりましたか。
(解説と解答)
A1本で45分、B1本で60分、C1本で90分ですが、Cが水を出すことに注意してください。
45、60、90の最小公倍数は【180】なので、水そうの容積を【180】とすると
Aは1分あたり【180】÷45=【4】
Bは1分あたり【180】÷60=【3】
Cは1分あたり【180】÷90=【2】
となります。
(1)まずAで20分水を入れるので【4】×20=【80】だけ水が入ります。
残りの容積は【180】-【80】=【100】です。
AとBで水を入れCで水を出しますから【4】+【3】-【2】=【5】だけ1分あたり水が入ります。
したがって【100】÷【5】=20分から、合計では20+20=40分
(答え)40分
(2)もしAもCも閉じていなければ、【4】×10=【40】の水が入り、【2】×20=【40】の水が出ていたので、結局満水の水が入ったのと同じです。
したがって【180】÷【5】=36分で水が入りました。
(答え)36分
(例題4)
大人が10人で15日間かかる仕事があります。大人が3人で10日間仕事をした後、子ども10人だけで36日間仕事をしても、終わります。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)大人1人と子ども1人の1日に仕事の比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
(2)大人が5人で10日やった後、子どもが10人だけで20日やり、その後ロボット1台が5日やって仕事が終わりました。最初からロボット2台だけでやると、この仕事は何日で終わりますか。整数で答えなさい。
(解説と解答)
大人1人の1日の仕事の量を【1】とします。全体の仕事は【1】×10×15=【150】です。
大人が3人で10日仕事をすると【1】×3×10=【30】ですから、残りは【150】-【30】=【120】
したがって【120】÷(10×36)=【$$\frac{1}{3}$$】になるので、大人と子どもの仕事の比は1:$$\frac{1}{3}$$=3:1です。
(答え)3:1
(2)分数での計算をさけるために、大人の1日の仕事を【3】、子どもの1日の仕事を【1】とすると、全体の仕事は【3】×10×15=【450】になります。
大人が5人で10日やると【3】×5×10=【150】
その後、子どもが10人で20日ですから【1】×10×20=【200】
したがってロボットが1日でやる仕事は(【450】-【150】-【200】)÷5=【20】です。
最初からロボット2台でやれば【450】÷(【20】×2)=【450】÷【40】=11・・・【10】より12日間です。
(答え)12日
さて、次はニュートン算を考えましょう。
(例題5)
ある水そうに水が入っていて、毎分5Lの割合で水を入れていきます。
1台のポンプでこの水を出していくと、20分で水がなくなり、3台のポンプで水を出していくと、4分で水がなくなります。
(1)1台のポンプは毎分何Lの水を出しますか。
(2)最初、水そうには何Lの水が入っていましたか。
(解説と解答)
水を出したり、入れたり忙しい問題ですね。
(1)1台のポンプで水を出すとその量は最初に水そうに入っていた水+5×20 が出ますから、1台のポンプが1分間に出す水の量を【1】とすればこれが【20】です。
一方、3台のポンプで水を出すと、出した水の量は最初に水そうに入っていた水+5×4 になるので、これが【3】× 4=【12】になります。
最初に入った水+100L =【20】
最初に入った水+20L =【12】
ですから差の【8】が100-20=80Lであることがわかるので80÷8=10より1台のポンプは毎分10Lの水を出します。
(答え)10L
(2)1台のポンプのとき、出した水の量は10×20=200Lで入った水の量は100Lですから、最初に水そうに入っていた水は200-100=100Lになります。
(答え)100L
入っている方も水が変化し、出ていく方も水が変化するので、気を付けていきましょう。
(例題6)
ある池があり、最初に水がたまっていて、一定の割合で水がわきだしています。この池から2台のポンプで水を出すと2時間で水がなくなり、3台のポンプで水を出すと40分で水がなくなります。
では4台のポンプで水を出すと何分で水はなくなりますか。
(解説と解答)
式に書いてみましょう。一定にわきだす水の量を1分あたり[1]とし、1台のポンプが1分あたりに出す水の量を【1】とします。
最初の条件は2時間で水がなくなったので、水は120分出ていますから、
最初の水+[1]×120=【2】×120=【240】 となります。
同様に、3台のときは
最初の水+[1]×40=【3】×40=【120】となります。
この2つの式を比べると
[120]-[40]=[80]が【240】-【120】=【120】に等しいことから[1]:【1】=120:80=3:2になります。
したがって[1]=3 【1】=2 とすると
最初の水+3×120=2×240=480ですから最初の水は480-360=120になります。
したがって4台のポンプにすると水は2×4=8出ますが、わきだす水が3あるので、最初の水は8-3=5しか出せません。
120÷5=24分で水はなくなることになります。
(答え)24分
なるべく分数にならないように解いてみました。工夫すると面倒な計算をしなくて済むので、計算ミスも少なくなります。ニュートン算は最初はわかりにくいかもしれませんが、形が決まっている問題なので変化しているものと、変わっていないものをしっかり区別しながら問題を解いていくと、案外簡単に解けるでしょう。
以下のプリントもお役立ていただければと思います。
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