いよいよ入試が近づいてきました。
子供たちにもお母さんにもプレッシャーがかかってくる時期です。ここまできたら、何とか合格してもらいたいと思うのは誰しも同じですが、実際の入試の平均倍率はおよそ3倍、むしろ不合格の数のほうが多いのです。
その現実の中で、ともすればお母さんも突然不安にかられることがあるかもしれません。
また実際に入試が終わった後、「この学校に入るためにがんばってきたのではない」というような喪失感みたいなものに襲われる方も少なくないそうです。
そこで、このような心構えをもたれるとよいでしょう。
いずれにしても6年生は来年の4月には中学生になります。義務教育ですから、必ずどこかの中学校には行くのです。どこへ行こうと、進学した学校をベストにすればいい、「この子にとってあの学校に行ったのが結局良かった」と思えるようにしていけばいい、そう思われることです。
以前私が教えた子が第一志望に入らず、滑り止めに行くことになってしまいました。本人としては第一志望に入れると思っていたために、かなりがっかりしてその学校に進学しました。しかしその学校では、大学の系列で体育系のクラブのコーチ陣が充実していました。彼は硬式テニス部に入り、黙々と練習しました。(中学の成績はあまりたいしたことはなかったようです。)その努力が報いられて高校でインター杯に出場できることになりました。もちろん途中で敗退したのですが、この出場が彼に新たな自信をもたらします。「テニスでできるなら、勉強でもできる」結局現役で第一志望の東大に行きました。
彼にももちろん喪失感はあったでしょう。しかし進んだ学校で第一志望では到底得られない経験(インター杯出場)を得たのです。つまりはそこをベストにすることができた、だから「この学校に来て良かった」と心から言えるようになったのだと思います。
お母さんもお父さんも、そういう気持ちで子供たちのがんばりを見守ってあげてください。そのことが結局は子供たちの自信を引き出し、新たな道を開いてくれるでしょう。