第90回 夏休みの宿題

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■ 学校別クラスの担任をしていた頃、夏休みの宿題を子どもたちに個別に出していました。同じ学校をめざす子どもたちですから、ある程度内容が似てきます。過去問の他にも、例えば国語の記述問題の練習とか、あるいは理科の動植物を先に覚えるとか。

■ 一応、やるべきことを算数国語理科社会一覧にして、その中から子どもの成績や力量に合わせて選んでいきます。まずはABCの3ランクに分けてAは絶対にやる Bはできたらやる Cは余裕があったらやるということでチェックしていくわけですが、それでもやはり量が多くなりがちでした。だから終わらない。

■ したがって夏休みの宿題の最終提出が9月30日になることもありました。9月30日になっても終わらない。でもそこは、それで打ち切り。なぜかというとすでに「秋の宿題」がスタートしてしまっていて、最早間に合わなくなるからです。

■ 最初に考えていることはだいたい量が多くなりがちです。そこで、中間報告をもらって、さらに消す、という作業をするようになりました。お盆休み前に子どもたちに様子を聞く。

■ ただ、終わりそうか?と聞くと、大抵は大丈夫、と答えます。(そんなことはないのに。)つまり、課題や宿題になると、当然やらなきゃいけない、と思うわけだけれど、ただ終わらせるだけでは受験勉強は意味がない。つまり力がつかなければいけないわけで、充分に時間をかけて考えないといけないが、つい答えを写して終わりにしてしまったりすると、意味がないのです。

■ 塾で宿題や課題が出るところが多くなりました。これはこれで親切な部分がありますが、やはり過大になっているところはあるもの。早めにもらって、計画を作って、かつ自分でやりたいことも入れてみて、だめならだめで優先順位をはっきりつけていきましょう。充分に時間をかけることができないなら、「やらない方がまし」という場合は多いのです。

■ 宿題や課題はあくまで力をつけるためのものであって、「終わらせること」が重要なのではありません。この点は勘違いしないようにしてください。

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