第36回 1月受験

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■冬期講習が終わりに近づいたなと思っていたら、もう入試がスタートです。全国の学校では東京入試をやる学校も珍しくはなくなりました。1月の受験を試し受験として受ける受験生が増えてきています。千葉や埼玉など1月に入試を行う学校も増加して、ますます過熱感が出てきました。

■ただ確かに入学試験ではあるのだけれど、本人の第一志望ではないためし受験というのは、あまりメリットがないように思います。たとえばある学校を受けて、受かれば2月1日の学校を変えるという指導をする塾があります。その学校に合格して手続きをする話かと思っていたら、そうではないのだそうです。手続きはどうでもいいのです。土台、通える範囲ではない場合も少なくありません。ただその入試に入れるのなら、もう一段難しい学校にしてもいいだろうという考え方のようです。

■これはそうあたるものでもないように思うのです。確かに1月校でも難しい学校はあるでしょう。ただ、難しい学校でも手続きをしない生徒はたくさんいます。したがって学校としてはある程度合格者を確保しなければならないから、その分余分に合格者を出すでしょう。そういうお試しの受験生が増えれば増えるほど、実は合格者も増えていくことになりますから、むしろ簡単になる可能性だってあるのです。

■しかもその学校と第一志望の学校の入試傾向が違うのであれば、その学校に合格したからといって第一志望に入れるとは限りません。私はこういう小手先の策におぼれてしまってはいけないと思います。第一志望はちゃんと狙えばいいのです。当然不合格になる可能性もあるでしょう。だから安全な学校も受ければいいのです。この時期、子どもたちの力は接近していますから、ちょっとしたことで受かりもするし、落ちもするのです。その結果で1日の受験校を決められては、子どもたちもかわいそうでしょう。

■1月校に通う可能性がないのであれば、絶対に合格する学校を受けてください。入試を体験するだけの話であるならば、不合格になる必要などまったくないでしょう。第一志望はもう決まっているのだから、それに備えてしっかり勉強し、1月校にはきちんと合格して、勢いをつける、それでいいのではないでしょうか。

■結果を見ないという手もあるでしょう。最初から見ないことにしていればいいのです。結果が出てから見ないことにすると、子どもたちの感情も揺さぶられてしまうでしょうから、通う可能性がない学校を受験する場合はそう決めてしまっておくのも一手です。

(田中 貴)

(2006年1月7日)

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