■算数の力を伸ばすためには、やはり計算力が必要になります。ところが、計算力をつけるという学習に、多くの誤解があるようです。
■一度、クラスで試したことがあるのですが、計算問題を30題子どもたちに出すと、ほとんどの子どもたちが最後の10題のところで、ミスをします。これはある意味当たり前のことで、似たようなことをずっとやらされていると、子どもたちの集中力は続きません。ところが、計算力をつけるという名のもとに、たくさんの計算問題をやらせる手法が依然として多いのです。これは、あまり効果的ではありません。
■入学試験で、計算問題を30題出すところはありません。もちろん、応用問題でも計算は必要ですが、だからといって、たくさんやれば力がつくというわけではないのです。ではどうすれば、いいのでしょうか。
■私がやっていたのは、1回について5題まで。その代わり、絶対間違えないように、検算をさせるということでした。5題なら十分集中力が続きますし、ぜったいに間違えないという自信をつける意味でも、大変、効果的でした。子どもはマシンではないのですから、たくさんやらせれば良いというわけにはいかないのです。
■ご家庭では、計算ドリルなどを使って、毎日5題ずつ、絶対間違えないように、解いてもらってください。そして連続記録をつけてあげてください。20日連続、ミスがなかったら、ちょっとしたごほうびを用意してあげると、子どもたちはとても喜ぶでしょう。
(平成14年3月15日)