一人で行く林間学校

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今はどうなっているのか定かではありませんが、以前、ある男子校の林間学校がおもしろかった。

まだ乗換案内などという便利なシステムがなかった時代。その学校の山荘に決められた時間に一人で来い、というのです。しかも新中学1年生に対して。

普通林間学校というものは、学校までやってくると観光バスが何台か並んでいて、そこに先生と乗り込み、わけのわからないガイドを聞き流し、あるいはバスガイドをいじめつつ、騒ぎ、先生に怒られ、そして宿舎に向かう、というのが定番であるわけですが、勝手にやってこいというのです。

もちろん、これには当然のことながらある目的がある。親の保護から離れて自分で山荘まで行く経験をさせることで、多少なりとも自立を図ろうというものであったと思うのです。

だから、家庭に対しても決して手伝ってはいけない、という話をしてあったとは思いますが、しかし、まあ、過保護なママはいるものであり、近くまで自家用車で送る、なんてこともあったかもしれない。

「だって、何かあったら」

という声が聞こえてきそうです。

そして林間学校が終わったら、また一人で帰っていくのです。当然、電車代はとっておかないといけない。

これが結構、目の付け所としては良いと思うのです。絶対使っちゃう子がいるだろうから。それもまた自分で考えて行動する、という元になってくる。そういう経験が子どもを大きくするのです。

別に豪華な旅行に行かずとも、充分に独立の気概を持たすことはできる、という例だと思うのですが。

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