以前、こんな問題を出したことがありました。
A管だと15分、B管だと10分で水が入り、C管だと12分で水がなくなる水そうがあります。A、B、C3つをあけて入れると何分でいっぱいになりますか。
こんなの、簡単だよ、と言って間違える、典型的な問題だと思うのです。
全体の水そうの容積を60とすればAは4、Bは6、Cは5となります。と、ここで、問題を良く読んでいないと
60÷(4+6+5)=4分と答えてしまいます。
ところがC管は出すので正しくは
60÷(4+6ー5)=12分が正しい。やり方はわかっていても、C管が出す管であることを忘れてしまうと、ミスがおこるわけです。
「簡単だよ」と思った瞬間にC管が出すことを見逃してしまう。A、B、C同じに考えてしまいがちなのです。
入試というのは、差がついてくれないといけない。作成側からすると、差がつかない入試問題はやさしかろうと、難しかろうと、だめな問題です。だから、作問は「ここで間違えるだろう」という罠をしかける。
それを見抜けるかどうか、注意力の問題。だから、ていねいに問題文を読めるかどうかが、合否の大事な分かれ目であるのです。
新刊「子どもを慶應義塾諸学校に入れる」(田中貴)
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