子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第9回 できた箱、できなかった箱

■今週は算数の復習の仕方をお話します。B6というカードが文房具屋さんに売っていると思います。まずこれを買ってきます。もしレポート用紙やB5の紙があれば、それを半分に切ってもいいですが、できれば厚い紙の方がいいでしょう。

■さて、塾でやったり、テストを受けたりしてできなかった問題があるでしょう。それを集めてきましょう。そしてそのカードの表に問題を、裏に解説を書くのです。最初は自分で写した方がいいでしょう。

■写しているうちに問題を読んだり、やり方を書いたりしますから少しは思い出せるかもしれません。あまりに量が多い場合は、全部やれないかもしれませんから、お父さんやお母さんと相談していくつか抜き出してみましょう。

■1枚のカードに1問ずつ書き写します。さてそのカードができたら、カードが入る2つの箱を用意します。そしてできなかった箱とできた箱と大きく書き出してください。用意したカードは「できなかった箱」に入れます。そして箱の中から適当に1枚引き出しては解いていくのです。

■解けたら「できた箱」へ。できなかったら解答を読んで「できなかった箱」へ入れます。あとはこれを繰り返すだけ。1週間に1度、またできなかった問題を整理して「できなかった箱」へ入れます。

■だいたい「できなかった箱」の問題がどんどん増えていくのが普通です。「できた箱」に早くいれたいですね。ですから、がんばって問題を解きましょう。このやり方のいいところは、次に何がでてくるかわかりません。毎週のテーマが決まっているわけではないので、その週の記憶だけでは勝負できないのです。

■まとめてやるのは春休みや夏休みなどの長期休みです。まずこのできなかった箱の問題をなくすかということが長期休みの一番の課題です。これが終わらないで塾の講習に行っても、またできなかった箱の問題が増えるだけで、ぜんぜん解決しませんね。

■できた箱の問題が増えていけば、「へえ、こんなにできるようになったんだ」という自信がはっきりわいてきます。さあ、今週からやってみてください。

(平成17年3月2日)

第8回 わからなかった問題、どうしてます?

■算数のわからなかった問題、どうしてますか?え、ほったらかし?うーん、やっぱりやり直してほしいんですね。できる問題というのは、似たような問題をやっても多分できることが多いでしょう。問題はできなかった問題をどうできるようにするか?なのです。

■たとえば塾に行って、問題をやりますね。それができなければ、当然、解説を聞いてくるわけですが、ではその解説が本当にその場でわかったかというとそうでもないのです。実際に後から解きなおしてみると、案外できなかったりするのです。

■結局のところ、わかった気になっていたけれど、本当はわかっていなかったという問題が多いもの。だからやり直すべきです。これが復習ですね。

■よく復習しなさいというと、ノートやテキストを見直している人がいます。確かにそういう復習の仕方もあるのですが、算数に関していえば、それでは不足します。もう一度、解きなおしてみて、できればそれでOKですが、できなければ再度考えます。

■考えてもわからなければ、解説を見るなり、先生にとき方を教えてもらうなりして、何とかマスターしましょう。算数はこの積み重ねでできるようになります。

■似たような問題をたくさんやる塾がありますね。たとえばつるかめ算が20題ぐらいプリントになっていて、それをどんどん解くような勉強の仕方もあります。確かに基本を徹底する意味ではこのやり方は効果があります。しかし、いったんわかってしまえば、計算問題を解いているようなもので、あまり考える力をつけることにはなりません。

■できなかった問題はいっぱいあるでしょう。全部を復習するには時間がかかるもの。だから塾の先生やお父さん、お母さんと相談して、絶対復習しなければいけない問題を選びましょう。そして選んだら、徹底的にやるのが大事です。

■次回はB6というカードを使って、算数のできなかった問題を復習する方法をみなさんに伝授します。が、まずは自分でこの1週間、できなかった問題をしっかり復習してみてください。

(平成17年2月22日)

第7回 自分で勉強しよう

■受験勉強が始まると、お母さんやお父さんから「勉強しなさい!」といわれることが結構でてくるのではないでしょうか?言われて、どんな気持ち?「頭きちゃう!」つい「わかってるよ」とか言いたくなったりするかもしれません。

■みなさんは、中学受験をすると決めたので、勉強をしなければなりません。受験をしない他の子どもたちに比べれば、当然、勉強する量も多くなるでしょう。そんなことは、わかっているのです。でも、お父さん、お母さんから見ると、「勉強しなさい」といいたくなるような状態になっているのです。

■どうして?そうだなあ。まず、みなさんにとって受験勉強はたぶん初めての経験でしょう。したがって、いったいどのくらい勉強すれば大丈夫なのか、あまり見当がついていないかもしれませんね。でも、お父さんやお母さんは受験の経験があるので、「やはりこのくらい勉強しないと合格しない」と思っている姿があるのだと思うのです。

■みなさんは、勉強しているつもり。でも、お父さんやお母さんはそうは思っていない。だから不幸がおこるわけです。そこで前にお話したように、計画を作りどれくらい勉強すればいいのか、具体的に決める必要があるわけですね。

■さて、計画は決まったわけですが、実際に自分で勉強できていますか?お母さんに「ほら、いつから始めるの?」なんて言われてません?「わかってるよ」と捨てセリフをはいている人もいるかもしれませんね。

■せっかく計画を立てたのだから、自分でどんどん勉強しましょう。自分の時間を自分でコントロールすること、これは自立の第一歩だとお話しましたね。ですから、自分で決めたことは、自分でどんどんやる、そうすれば勉強にも生活にももっと自信がわいてくるはずです。

■「あれ、なぜテレビ見てるの?」「え、だって今日やることは全部終わったから」(カッコイイ!)そんな風に毎日の生活を送ってください。やらされる勉強をしたのでは、なかなか力がつきません。自分でやる勉強、自分でやってやろうと思う勉強だと、短時間でもものすごく力がつくものです。

■お父さんやお母さんから「勉強しなさい」といわれているうちは、まだまだ「やらされている勉強」をしているだけのこと。「自分からやる勉強」ができるように、これからがんばってください。

(平成17年2月15日)