各校の入試問題から」カテゴリーアーカイブ

食塩に関する問題

2024年桜蔭中学の問題です。

つぎの文章を読み、下の問いに答えなさい。

水溶液を冷やしたり、水分を蒸発させたりすると、とけているもの(固体)はつぶとなって出てきます。これを結晶といい、ものによって結晶の形や色は決まっています。
たとえば、湯に砂糖をできるだけ多くとかしてから、ゆっくり冷やしていくと(1)結晶が出てきます。これと同じやり方で食塩の結晶は出てくるでしょうか。残念ながら、ほとんど出てきません。なぜなら、食塩は(    2    )からです。食塩の結晶を取り出すには、食塩水から水を蒸発させなければいけません。食塩は100℃での水100gに39.3gまでとけます。
100℃での食塩水から水を蒸発させる場合、食塩の結晶ができ始めるとき、まだ食塩水の(  3  )%が水分ですから、これをすべて蒸発させるのは大変です。食塩水から食塩を取り出すには大きなエネルギーが必要なのです。
海水には約3%の塩(食塩)がとけていますが、海水をそのまま煮つめて塩を取り出すのでは能率が良くないので、こい塩水をつくる工夫が欠かせません。

日本で古くから行われてきた塩づくりに揚浜(あげはま)式製塩という方法があります。まず、細かい砂がしきつめられた塩田の上に海水をていねいにまきます。海水が地下にしみこまないように、塩田の下は( 4 )の層になっています。太陽のエネルギーにより水分が蒸発し、かわいた砂の表面には塩の結晶がつきます。塩のついた砂を集めて、塩田に設置してある箱の中に入れます。(5)箱の上から海水を流しこむと、砂の表面についた塩が海水にとけこみ、こい塩水が下からでてきます。図1は箱の断面を表しています。この塩水を、大きな(6)かまに入れて煮つめていきます。はじめは強火で煮つめ、水分がある程度蒸発したところでいったん火を消して(7)冷まします。その後、弱火でさらに煮つめ、かまの底にたまった塩を取り出します。このように、海水からの塩づくりでは、さまざまな工夫がなされているのです。

問1  下線部(1)はどのような形ですか。もっともふさわしいものをつぎのア~オから1つ選び、 記号で答えなさい。

問2  文中の( 2 )にあてはまる語句を25字以内で書きなさい。
問3  文中の( 3 )にあてはまる数字を、小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めなさい。
問4  文中の( 4 )にあてはまる語をつぎのア~オから1つ選び、記号で答えなさい。
ア.れき  イ.砂  ウ.粘土  エ.軽石  オ.木

問5 下線部(5)について述べたつぎの文の(a)~(e)にあてはまる数字を答えなさい。ただし、 答えが割り切れない場合は、小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めなさい。

海水を3%の食塩水とし、箱の下から出てくる「こい塩水」を12.7%の食塩水とします。
100kgの「こい塩水」をつくる場合を考えてみましょう。箱の上から入れた海水はすべて下から出てくるものとし、蠢中で水は蒸発しないものとします。100kgの「こい塩水」にふくまれる水は(a)kgなので、箱の上から流しこむ海水は(b)kg です。箱の上から流しこむ海水にとけている塩は(c)kgですから、砂の表面から海水にとけこむ塩の量は(d)kgと計算できます。それだけの塩がついた砂をつくるためには、少なくとも(e)kgの海水を塩田にまく必要があります。

問6 下線部(6)のかまは、平らなおけのような形をしていて、内側は右図のような直径1.6m、高さ30 cm の円柱形だとすると、かまいっぱいに入る塩水はおよそ何Lですか。もっとも近いものをつぎのア~力から1つ選び、記号で答えなさい。

ア.200 イ.600 ウ.2000 エ.6000 オ.20000 カ.60000

問7 下線部(7)のとき、しばらくすると液面にいくつかの塩の結晶が見られることがあります。その理由として正しいものを、つぎのア~エから1つ選び、記号で答えなさい。

ア.底よりも液面に近いほうがうすい塩水なので、液面に結晶がうかぶ。
イ.液面は蒸発が盛んなので、液面の近くで結晶ができる。
ウ.底の近くから温度が下がるので、液面の近くで結晶ができる。
エ.1cm3 あたりの重さは、塩水よりも結晶のほうが小さいので、液面に結晶がうかぶ。

【解説と解答】
問1 砂糖の結晶は、エのような形が上下についています。
(答え)エ

問2 食塩は水の温度が変わっても、溶ける量があまり変化しません。
(答え)水の温度が変化しても、溶ける量はほとんど変わらない。

問3 100÷(100+39.3)×100=71.78・・・≒71.8
(答え)71.8

問4 海水が地下にしみ込まないようにするので、粘土の層にします。
(答え)ウ

問5
a=100-12.7=87.3
b=87.3÷(100−3)×100=90
c=90×0.03=2.7
d=12.7ー2.7=10
e=10÷0.03≒333.3
(答え) a 87.3 b 90 c 2.7 d 10 e 333.3

問6   80×80×3.14×30÷1000=602.88≒600L
(答え)イ

問7  液面で、蒸発が盛んなので、液面の近くでも結晶ができやすくなります。
(答え)イ


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水溶液に関する問題 ー2024年 開成ー

2024年開成中学の問題です。

Ⅰ 5種類の水溶液A~Eを試験管に用意して実験1~実験3を行いました。これらの水
 溶液は、以下の6つのいずれかであることがわかっています。

アンモニア水 ・  塩酸  ・  重そう水 ・ 食塩水 ・ 石灰水 ・ 炭酸水

実験1 水溶液を蒸発皿に入れ、加熱して水を蒸発させると、水溶液B、C、Dでは白い固体が残りましたが、水溶液A、Eでは何も残りませんでした。
実験2 においをかぐと、においがあったのはAだけでした。
実験3 水溶液A、Eは青色リトマス紙を赤色に、水溶液B、Cは赤色リトマス紙を青色に変えましたが、水溶液Dでは、リトマス紙の色の変化はありませんでした。

問1 水溶液Eの名前を答えなさい。

問2 水溶液Aの名前を答えなさい。

問3 水溶液A~Eをすべて特定するためには、少なくともあと1つの実験をする必要があります。その実験として最も適切なものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
 ア BTB溶液を水溶液に加えてみる。
 イ 二酸化炭素を水溶液にふきこんでみる。
 ウ 実験1で得られた白い固体に磁石を近づけてみる。
 エ 実験1で得られた白い固体が電気を通すか調べてみる。

Ⅱ 水溶液の酸性・中性・アルカリ性を知る方法はリトマス紙やBTB溶液以外にも複数あり、例えば、ムラサキキャベツにふくまれるアントシアニンという、多様な色を示す色素を利用する方法もあります。さらに複数の色素をしみこませた万能試験紙(図1)を使うことで、酸性やアルカリ性の「強さ」を調べることができます。強さはpHで表し、中性を7とし、多くの水溶液は0から14までの数値で表されます。数値が7から小さくなるほど強い酸性、大きくなるほど強いアルカリ性であることを示しています。
 ここでは医薬品にも使われるほう酸と、果実などに入っているクエン酸に注目し、万能試験紙を使って、実験4~実験7を行いました。

実験4 ほう酸を25℃の水80gにとかしたところ、4.0gまでとけました。ガラス棒の先を使って、この水溶液を万能試験紙につけたところ、万能試験紙の色が変わりました。色が変わった万能試験紙と見本を図2のように比べたところ、pHは5程度であることがわかりました。この水溶液を50℃まで温めたところ、ほう酸はさらに4.8gとけました。

実験5 クエン酸についても実験4と同様に、25℃の水80gにとかしたところ、60gまでとけました。水溶液のpHは、クエン酸を水80gに4.0gとかした時点で2程度になり、最終的に60gをとかしたとき、pHは1程度になりました。

実験6 実験4で得られたpHが5程度のほう酸水溶液にスチールウールを入れたところ、あわは発生しませんでした。一方、実験5で得られたpHが1程度のクエン酸水溶液では、あわが発生しました。

実験7 ほかの酸の水溶液についても酸性の強さを調べました。市販の酢では、pHは2~3程度でした。実験室にあった濃度3%の塩酸では、pHは0~1程度でした。

問4 実験4の結果より、ほう酸は50℃の水100gに何gとけることがわかりますか。ただし、答えが整数にならない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

問5 50℃の水100gにほう酸を7.0gとかしました。この水溶液を25℃まで冷やしたとき、水を何g追加すれば、25℃でほう酸をとかしきることができますか。25℃の水にほう酸がとける限界の量は実験4の結果から判断して答えなさい。ただし、答えが整数にならない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

問6 実験4~実験7の結果から言えることとして、正しいものを、次のア~オの中からすべて選び、記号で答えなさい。
 ア 25℃の水にほう酸をできるだけとかしたとき、その水溶液の酸性は市販の酢より強くなる。
 イ クエン酸の水溶液は水でうすめると、その酸性の強さは弱くなる。
 ウ クエン酸が水にとけた重さと、pHの7からの変化量の間には比例の関係かおる。
 エ 市販の酢の中にスチールウールを入れると、あわが発生する。
 オ 酸をとかした水溶液の濃度が同じであっても、ほう酸やクエン酸といった酸の種類が異なれば、水溶液の酸性の強さが同じになるとは限らない。

【解説と解答】
問1 A、Eは蒸発させて何も残らないので、気体か液体を溶質とする水溶液です。Aににおいがあることから、アンモニアか塩酸とわかるので、Eは炭酸水。炭酸水は二酸化炭素が溶けています。
(答え)炭酸水

問2 問1からAはアンモニア水か塩酸ですが、Aは青色リトマス紙を赤色にしたので、酸性ですから、塩酸。
(答え)塩酸

問3 残る固体が溶けた水溶液はB、C、Dで、重そう水、食塩水、石灰水になります。BとCがアルカリ性であることから、Dは食塩水とわかります。そうなると、重そう水か、石灰水を決める実験になるので、石灰水は二酸化炭素を吹き込めば白くにごります。
(答え)イ

問4 ほう酸は25℃の水80gに4.0g溶け、50℃の水にさらに4.8g溶けたので合計8.8g溶けました。80gの水に8.8gですから、100gの水には11.0g溶けます。
(答え)11.0g

問5 25℃、100gの水にホウ酸は4.0÷80×100=5.0gしか溶けません。したがって、7.0gを溶かすにも、7.0÷5.0×100=140gの水が必要になるので、必要な水は40gです。
(答え)40g

問6 
ア 市販のお酢のpHは2~3程度。25℃の水に、できるだけほう酸を溶かしたとき、pHは5程度なので、お酢の方が酸性が強いことがわかります。
イ クエン酸を水80gに4.0g溶かしたらpHは2、60g溶かしたらpH1になっているので、水で薄めれば酸性は弱くなります。したがってこれは○。
ウ クエン酸が溶ける量には限界があるので、比例関係にはなりません。
エ スチールウールが反応するのはpH1程度なので、お酢では反応しません。
オ 濃度が同じでも、pHに違いが出るので、酸性の強さが同じになりません。これは○。
(答え)イ、オ



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マグネシウムに関する問題

2024年 浅野中学の問題です。

次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
 マグネシウムは銀白色の金属です。マグネシウムに塩酸を加えると、水素を発生し、塩化マグネシウムの水溶液に変化します。マグネシウムに7.3%の塩酸を加えたとき、発生した水素の体積を調べたところ、[表1]のようになりました。

 このようにマグネシウムと塩酸を反応させたとき、水溶液は塩化マグネシウムの水溶液になります。水分を蒸発させると、塩化マグネシウムの白い固体を取り出すことができます。
 また、金属のマグネシウムの薄い板は、マッチなどでたやすく火をつけることができ、明るい白い光を放って燃え、酸化マグネシウムと呼ばれる白い粉になります。この酸化マグネシウムに塩酸を加えると反応し、塩化マグネシウムの水溶液に変化しますが、気体は発生しません。

(1)金属のマグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムは身の回りのさまざまな場面で使われています。次の①~③の場面で使われているものはどれですか。
 もっとも適切な組み合わせを、後のア~力の中から1つ選び、記号で答えなさい。

  ① 海水に含まれ「にがり」とも呼ばれる。豆乳から豆腐を作るときに使う。
  ② 銅とともにアルミニウムに混ぜて軽い合金にし、飛行機などの材料に使う。
  ③ 塩酸とおだやかに反応する性質を用い、胃腸薬の一種として用いる。

(2)7.3%の塩酸25.0gと過不足なく反応するマグネシウムは、何gになりますか。次のア~コの中から1つ選び、記号で答えなさい。

  ア 0.03g  イ 0.06g  ウ 0.12g  エ 0.30g  オ 0.60g
  カ 1.20g  キ 3.00g  ク 6.00g  ケ 12.00g  コ 30.00g

(3)[表1]のあにあてはまる数値を整数で答えなさい。
      -
(4)マグネシウム1.20gに十分な量の塩酸を加え、マグネシウムがなくなるまで反応 させたとき、残った水溶液の水分を蒸発させてできた塩化マグネシウムの固体は 4.75gでした。[表1]の実験にある「マグネシウム1.60gに7.3%の塩酸60.0gを 加えて反応させた」水溶液から水分を蒸発させてできた固体の重さは何gですか。
 もっとも近いものを、次のア~コの中から1つ選び、記号で答えなさい。ただし、マグネシウムが全て反応せずに一部が残っている場合には、できた塩化マグネシウムと反応しなかったマグネシウムの両方が固体に含まれるものとします。

  ア 1.4g  イ 1.5g  ウ 2.8g  エ 2.9g  オ 4.7g
  カ 4.9g  キ 5.7g  ク 5.9g  ケ 6.3g  コ 7.3g

(5)マグネシウム6.0gを完全に燃やしたときにできる酸化マグネシウムは10.0gとなります。いま、マグネシウム12.0gを燃やしたところ、燃え残りがあり、できた酸化マグネシウムと燃え残りのマグネシウムが混ざった固体の重さは15.2gでした。
  (a)固体の中のマグネシウムの燃え残りは何gですか。
  (b)この固体に塩酸を加え、残りのマグネシウムが全て反応してなくなるまでに発生する水素は何mLですか。

【解説と解答】
(1)金属のマグネシウムは、②になるのはわかるかと思います。問題は酸化マグネシウムと塩化マグネシウム。なんとなく「にがり」は塩化マグネシウムかな?と思う受験生は多かったのではないでしょうか。海に関係している感じがしますからね。塩化マグネシウムは海水からとります。そしてこれがにがりの原料になります。酸化マグネシウムは、塩酸の作用を抑える働きがあることから、胃酸過多などの症状を和らげる胃腸薬として使われます。

(答え)オ

(2)7.3%の塩酸10gに対して、マグネシウム0.12gと0.60gだと5倍になっていますが、気体の発生は2倍にとどまっています。したがって、7.3%の塩酸10gとマグネシウム0.24gが過不足なく反応して、水素を240mL発生させることがわかるので、25g÷10g=2.5倍ですから、0.24×2.5=0.6gになります。

(答え)オ

(3)塩酸が60gあるので(2)から反応するマグネシウムは0.24×6=1.44gですから、マグネシウムの方が多いので、塩酸によって発生する水素の量が決まります。
塩酸が6倍ですから240×6=1440mL

(答え)1440mL

(4)マグネシウム1.2gが充分に塩酸に反応すると、4.75gの塩化マグネシウムができます。(3)から反応するマグネシウムは1.44gですから、1.44÷1.2=1.2倍ですから、4.75×1.2=5.7gになります。ただし、塩酸が切れているので、1.6-1.44=0.16gのマグネシウムが反応せずに残っています。したがって、5.7+0.16=5.86gからク。

(答え)ク

(5)
(a) 反応したマグネシウムを【3】g、反応しなかったマグネシウムを12-【3】gとすると、反応すると酸化マグネシウムは6gから10gになるので、【3】のマグネシウムは【5】になります。
したがって【5】+12ー【3】=15.2gから【2】=3.2g 【1】=1.6g 12-1.6×3=7.2g

(答え)7.2g

(b)酸化マグネシウムは塩酸に反応しても水素は発生しません。したがって残りのマグネシウム7.2gを反応させたときの水素の発生量です。
0.24gのマグネシウムが240mLの水素を発生しますから、7.2÷0.24×240=7200

(答え)7200mL


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