子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第43回 冬休みの学習法

■冬休みは入試前、最後にまとまった時間がとれるチャンスです。ですから、ここで上手に時間を使って効率よく勉強しましょう。まず、何をしなければならないか、課題を整理することから始めます。

■これまで受験した模擬試験や日ごろの学習から、まだ自信がない分野があるかと思います。これを重点的に勉強すると良いのですが、ただし、これには前提条件があります。それは志望校に良く出題されているか?という問題です。例えばよく例に出すのが文学史。平安から始まってこれまでの有名な文学作品と著者を覚えるという内容ですが、出題する学校とそうでない学校ははっきり分かれます。

■過去10年出題されていなければ、今年もまず出題されないと思って良いでしょう。それよりも、志望校に良く出題される範囲で、自分がまだ得意でない分野に集中する方がより効率的なのです。例えば国語で記述が出るとわかっているのであれば、やはり記述の対策をやった方がいいでしょう。これらの傾向は過去の入試問題を解いていけば、自然と理解できるはずです。まだ過去問を5年ないし10年分やっていないのであれば、大至急過去問を勉強してください。そしてその中で、できなかった分野を集中して学習することが大事です。

■とはいっても、すべての範囲を学習できるとは限りません。冬休みは短いですし、すでに冬期講習も申し込んであるでしょう。したがって意外に自分で自分の不得意な範囲を勉強する時間が少ないのです。もし、不安があるのであれば、お父さんやお母さん、あるいは塾の先生と相談して、時間を確保することも必要になるかもしれません。塾はどうしても、集団で勉強することが多く、自分ができない範囲だけ勉強するのは難しくなります。ですからまず、時間を確保することから始めてください。

■時間を確保できたら、次は計画です。合格手帳を開いて、やらなければいけないことに優先順位をつけてから配分します。ただし、ここでもうひとつ大事なポイントがあります。それは冬休みから新しい問題集や参考書には手をつけないということです。むしろこれまでやってきたテキストを中心にやりなおしをしてください。いろいろ手を広げるより、ここにある問題は全部できるという自信をつくることの方が大事なのです。

■生活のうえで大事なことは2つあります。1つは朝型に切り替えること。試験は朝8時半~9時に始まることが多いので、あまり夜遅くまで起きていないように注意してください。またかぜがはやっています。インフルエンザも猛威を振るうかもしれませんから、外から帰ってきたら、必ず手を洗い、うがいをしてください。少し熱がある、というようなときは無理をせず、きちんと治してから勉強しましょう。体調が悪いのに勉強しても効果はあまり上がりません。無理をしないように気をつけてください。

(平成17年11月27日)

第42回 記述を得意にする方法

■最近の入試問題では記述が増えてきました。でもみなさんの答案を良く見ると、記号や書き抜きの部分は答えているけれど、記述は白紙という人が少なくありません。白紙で出してしまうと、0点は決まってしまいます。どうして白紙にしてしまうのでしょうか?一番多い答えは面倒だ、ということです。次の答えはわからない、でも本当にそうなのでしょうか?

■似たような問題でも選択肢にすると、答えを出せる人は少なくありません。最初から答えを出すことにあまり慣れていないから、記述問題を遠ざけてしまう人が多いのです。ですから、まず書き出す!という練習をしましょう。

■問題を読んで、こうだと思うことをまず書いてみるのです。上手に書こうなどとは思わず、メモ書き程度でもいいでしょう。とにかく書くのです。「お父さんが亡くなって悲しい気持ち」とか「自分が考えたとおりになって満足した」とか短い文を考えてください。字数が多いと、そんなに書けないという人がいるかもしれません。しかし、短い文をたくさん書けばいいだけです。

■短い文をたくさん書く、この練習をしてください。短い文ですから、書くスペースが小さければすぐいっぱいになってしまうでしょう。そしてここがポイントですが、記述問題は必ずといっていいほど部分点があるので、書けばなにがしかの得点になる可能性は高くなるのです。

■どんな記述問題でも答えを書く、という気持ちを持ってください。そこで部分点が数点でもとれると、実際の入試では何人もの受験生を追い抜くことができるのです。上手に書こうと思わず、短い文をたくさん書く、ここに集中してください。

■必ず答えを書くというくせをつけると、答えを書くことが苦痛ではなくなります。そして書きなれてくればくるほど、力はついてきます。少し余裕が出たら、答えと自分の書いた答えを見比べて、「こういうことを書けばいいんだなあ」と復習してみてください。そういう練習が積み重なると、記述問題は得意になってくるはずです。私は今まで、たくさんの子どもたちの記述指導をしましたが、6年生の最後まで「書けない」という子は1人もいませんでした。つまり書くこと自体はみんなできることなのです。次のテストでは、絶対に空白にしないぞと決めて取り組んでほしいと思います。

(平成17年11月20日)

第41回 なぜ計算間違いをするのか

■算数のテストをやり直してみると、結構計算間違いが原因で答えが違っている場合が多いものです。もちろん、みなさんは計算のやり方は良く知っています。でも間違えるのです、なぜでしょうか。

■実は手の動きと頭の動きがばらばらになるから、間違いが起こりやすいのです。例えば計算をしている、手で筆算を書いているでしょう。しかし、頭はその先へ進もうと思っています。次にこうやって、というようにプロセスを追いかけているわけですが、手はまだ文字を書き終わっていません。結果として頭に出た数字を書いて次にいってしまうことがおきてしまうのです。あとから考えるとなぜこんな数字を書いたんだろうと思うかもしれませんが、要はあせりが原因なのです。

■本来計算は、自分が書いている文字を見て、それを確認しながら進んでいくことが大事なのです。それさえきちんとやれれば、計算問題をたくさんこなさなくても、計算力はつきます。一日5題程度の問題を絶対に間違えないという気持ちで練習することが大事なのです。

■入試では、いったん提出した答案を変えることはできません。したがってやり直しはききませんから、一発で正しい答えを出す必要があるのです。だから計算は絶対に間違えない方法で解いてください。つまりひとつひとつ確認しながら、進めましょう。そしてここがポイントですが手が先です。

■頭が先にいってしまうと、本来書かなければいけない数字を間違えます。しかし手が先なら手が書いた文字をそこでもう一度確認することができます。だから間違えにくくはなるのです。ついでにいえば、その場でもう一度検算すれば、完璧でしょう。

■1問の計算違いで、合格を落とすことだってあるもの。ですから、ていねいに、ていねいに解いていくくせをつけてください。

(平成17年11月6日)