第25回 20年前との比較

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■今からちょうど20年前。私は初めて6年生の担任になりました。担任した生徒は当時24名。今、32歳になるはずです。この生徒たちをどうやって指導したかを思い出しているうちに、あることに気がつきました。

■実は、指導法というのは、あまり変わっていないのではないかということです。ビジネスとしての塾はいろいろな変遷をたどっています。テスト塾、集合塾、志望校別塾、習熟度別クラス編成、個別指導。しかし、そのやり方は旧態依然としたものなのです。

■つまり、あるカリキュラムの順番で子どもたちを指導しているのです。子どもの性格、得手不得手は関係ない。ある順番で進んでいるのです。算数で例をあげると、小数の計算、分数の計算、そして割合、最後が比。速さがあって、旅人算があって、流水算になって、グラフ。しかし、この順番通りで本当にいいのでしょうか。

■仕事算などは、まず全体の仕事を必ず1とおくから始まります。例えば6人で10日でやる仕事を1とする。すると1人が1日でやる仕事は60分の1です。計算が面倒ですから、先生によっては最初から仕事を60として教えます。しかし途中で問題が複雑になると、また全体の仕事を置き換えなければならなくなって、やはり1にした方がいいと主張する先生もいます。

■そこが先生主体であることに実は問題があるのではないかと、私は思うのです。子どもによって指導する方法が違っていいし、進み方が違っていい。じゃ、それは個別指導ですねといわれるのですが、現実の個別指導もこのように教え方が違うわけではないのです。あるカリキュラムの中で同じ順番で教えていく。ただ、一人を相手にするか、複数を相手にするか、その違いしかないのです。

■塾は実は、その研究をしなければならないのです。子どもができるようになる、理解が進むようになる、そして成績があがるようになるための研究。私がよく、子どもをほめてくださいというのも、ひとつの指導法であるわけですが、精神的なことばかりでなく、子どもの性格、理解度にあわせていろいろな指導法があるのではないかということです。

■昨年、ある生徒に半年で受験準備を終えるカリキュラムを作りました。スタートが遅いので、全部など到底間に合いません。ですから、出そうなものから学習するという優先順位で勉強してもらいました。合格までにはいたりませんでしたが、最後の方は結構問題が解けるようになっていました。データーベースやコンピューターが発達した今、まず手をつけなければいけないのはここではないかと思うのです。塾はできない子をできるようにして、何とか合格させてあげなければいけないのですから。

(平成16年9月17日)

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