この時期に来て「過去問をやる時間がない」という話を時々聞きます。逆に過去問をやらないで何をやるのか伺ってみると、「塾の宿題」や「塾のテキスト問題集のやり直し」などが多いようです。ただ塾の宿題というのは。個別に出されているのならともかくも、一同に出されているものだとしたらあくまで最大公約数に過ぎず、したがってそればかりを追いかけていて果たして大丈夫なのかと疑いたくなります。
今春2月3日に慶応中等部が移ってきて、東京、神奈川の入試は3日間という印象が強くなりました。しかも3日はBとか2回、3回というように募集定員が大変少なくなっているので、勝負はやはり1日と2日ということに絞られてきています。つまりそんなに多くの学校を受けるわけではないのだから、むしろ第一志望に的を絞って勉強すべきなのです。
中学受験の範囲はもとから広範囲です。学校の勉強で言えば小学校5年生から中学校2年ぐらいまでになります。したがってそれをすべて復習しマスターすることはなかなか困難です。なので、第一志望の出題傾向にあわせて軸を絞ることで、考えや勉強を深めていくのが一番効率がよくなります。
傾向を追えば必然、やることが絞られ、だから考えや理解が深くなって、実際には模擬試験の結果もよくなることが少なくありません。
ですから、今は何よりも過去問をとき、しっかりときあげ、できなかった問題は復習するという勉強を優先させるべきです。
それに時間が割けないというのは、勉強の仕方として決して効率がよいわけではありません。もしそうならば至急、塾の先生と相談して勉強の仕方を変えてください。