与えることの難しさ

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私も塾生活が長いので、つい教えてしまうことが多いのですが、
「与えれば、自分で得ることをしなくなる」
という面が今の子どもたちには良く見られます。

最近子どもたちのノートを見ていて、図を描くのが下手な子が増えました。なぜ下手なんだろう、と思っていて気が付いたことがあります。今は子どもたちがプリントやテキストで問題を与えられます。そして解いて解答や解説を読んで理解することが多いのです。先生の解説を聞いてノートをとる時間がもったいないからというわけではないでしょうが、テキストに書いてあることをまた書き写すことはしないから、勢い図を書く機会が減ってしまうのです。

ただ応用問題になればなるほど、自分なりに図を書き直してみる技量が必要になります。速さであれば文意をグラフにすることが解法につながる場合が多いし、立体は別方向から見た図がヒントになるでしょう。

自分で図を書かせる、そのことにもう少し時間をさく必要があると思ったのです。そこで今年の夏期講習では、ホワイトボードにその場その場で子どもたちに必要だと思われる問題を書き、子どもたちに写して解いてもらうことにしました。いわゆる「白板問題」です。これは当然、その場で問題を作るので指導員にとっては与えられたテキストを教えるよりしんどい作業ですが、その分子どもたちにとってはいろいろな技量が得られる結果になるでしょう。

与えることはやはり難しいのです。

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