IT(情報技術)の中核はインターネットです。10年前の私たちの生活と極端に違っているのは、このインターネットと携帯電話ではないかと思います。
情報が瞬時に必要な人の手に届くようになりました。これは自分から発信する人にとっては大変便利なことです。自分が考えていることを調べたり、自分の書きたいことを人に見てもらうにはこんなに便利な道具はないでしょう。実際に私のブログもこうして簡単につくることができているわけです。
ではインターネットで子どもたちを教えられるのか?これが私の最初の疑問でした。その意味では、ソフトウェア、動画などいろいろなものが開発されましたが、あれから10年何が残ったでしょうか?
実は子どもの学習に関するものはそれこそ何一つ残らなかったといって過言ではないのです。そしてWEBに関する技術は少なくももう、行き着くところまで来ています。イーラーニングはきわめて高度な段階まで来ています。画像も大変きれいですし、ストリーミングにしてもスピードに問題はありません。
でも、子どもたちはあまりそれに関心を持たないでしょう。なぜか?
それは子どもたちが受動的になることを拒否するからです。どんな場合でもITが子どもの相手をするためにはあるパターン化が必要になります。例えばデジタルテストで4択にするなど、形式を決められるのです。ストリーミングであれば何分間かはその動画を見なければならない、ここがきらいなのです。
子どもの感受性、興味、これは自在に動きます。だからその場その場で指導する側が上手に反応しなければならないのです。だからITで子どもの動機付けを維持できないのです。
唯一、彼らがITで楽しめるのはゲームです。だからゲームの文化は脈々と続いています。今のゲームはそれなりに多くの工夫がされていて、多種多様な変化を仕掛けられるので子どもたちにとっては楽しいのでしょう。同じことが教育ソフトでできないかといえば、できる可能性があります。ただ、ゲームと同じ開発費をかけても売れないだろうと思われているから、誰も作らないのが現状と思います。
ITは子どもを直接教えるのには役にたたない、良い先生をそろえた方が良いのです。ただ、その先生が子どもたちの情報を整理したり、入試の状況を考えたり、忙しい保護者のみなさんと細かい情報の交換をするにはITは大変便利です。発信する側にとってはこんなに便利な道具はありません。educe.netもその観点から作り、保護者のみなさんにカリキュラム内容を発信しているのです。また偏差値を計算するのに、電卓を使うところはどこにもないでしょう。すべてプログラムで電算処理されています。その意味でITを使う場面はたくさんあるのです。
これからの教育は、力のある先生が情報技術をしっかり使って、子どもたちに発信し、子どもたちの多種多様な反応に上手に対応していくということが中核となると私は思っているのです。