後ろに下がって

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考えてみると、ある中学に合格した子どもたちは本当に僅差の中にいるのだろうと思います。

それがだんだん時間が経つにつれて変わってくる。差がついてくるという面もあるでしょう。できる子がいるし、できない子がいる。できない子は明らかに勉強しなくなった、という原因があるでしょうが、しかし、それは別のことに興味を持った結果かもしれません。

で、こういう変化は当たり前のことであって、みんなそれぞれ個性を持っているわけだから、好きなこと、やりたいこと、興味のあることが全部違うわけで、それが一律に有名大学に向かうことにはならないでしょう。

もうひとつ言えば、一つの方向に向かい始めると、他の方向には行きにくくなります。

医学を志せば、法律とはあまり縁がなくなってくるかもしれない。経済に進めば燃料機関のことはわからなくなるでしょう。

何から何までわかる、というようなことはあり得ないわけで、専門が進むにつれて、みなひとそれぞれ自分の個性と志向の中で道が選ばれてくる。

ところが割と親というのは、その違いが心配になりやすい。「そんなことをやって生きていけるんだろうか」「食べていけないのでは?」みたいな心配をするのです。まあ、それはみな同じかもしれません。

でも、そういう心配とは裏腹に、子どもたちはやはり自分の人生をしっかり進み始めていく。で、ちょうどそのスタートが実は中学1年生のような気がするのです。

今まではああしなさい、こうしなさい、と言われててやっていたのが、そろそろ自分なりにしたいこと、やりたい方法が出てきて、お父さん、お母さんとぶつかるようになる。

しかし、そうならないとやはり困るわけで、そろそろ親としては後ろに下がって見ている段階に入ったといえるかもしれません。

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