熱量の問題

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2014年麻布中学の問題です。


図のような温度計は液体温度計と呼ばれ、管の内部に灯油などの液体が入れてあり、温度が変化するとその液体がぼう張または収縮します。液体の体積が変わると液の先の位置が変わるため、液の先の目盛りを見れば温度がわかるのです。

問1 図の温度計を最小目盛りの10分の1の位まで値を読み取ると、この温度計は何℃を指しているといえますか。

問2 温度計の管の太さを均一にしたとき、目盛りを等間隔にするためには、どのような性質の液体を中に入れればよいですか。簡潔に説明しなさい。

問3 液体温度計に用いる液体として、水はあまりふさわしくありません。これは水にどのような性質があるからですか。もっとも適当なものを下のア~カから選び記号で答えなさい。
  ア.さまざまなものをよくとかす。   イ.地球上に多く存在する。
  ウ.灯油と混ぜると分離してしまう。  エ.4℃で体積が最小になる。
  オ.空気との境目で光が曲がる。    カ. 蒸発するときに熱をうばう。

  このような温度計は気体や液体の温度を測ることには適していますが、固体の温度を測ることには適していません。そこで、温度のわからない銅球の温度を求めるために、以下の様な、間接的に固体の温度を測る実験を行いました。ただし、この実験ではまわりの空気や容器の影響で水温が変化しないように工夫をしました。

実験1
 ある銅球をふっとうしている100℃の湯の中で十分に温めると、銅球は100℃になります。この100℃の銅球を20℃の水50gが入った容器Aの中に入れると、最終的に全体が30℃になりました。また、100℃に温めた同じ銅球を60℃の水50gが入った容器Aの中に入れると、最終的に全体が65℃になりました。

実験2
温度のわからない、実験1と同じ銅球を20℃の水50gが入った容器Aの中に入れると、最終的に全体が28℃になりました。

問4 実験2で用いた銅球のもとの温度は何℃ですか。答えが整数にならないときは、小数第1位を四捨五入して答えなさい。

問5 この実験で用いる容器Aとしてもっとも適当なものを、下のア~カから選び記号で答えなさい。
   ア.紙コップ     イ,発泡スチロール製カップ ウ,ペットボトル
   エ.ガラス製ビーカー オ,銅製コップ       カ,磁器のティーカップ

 日本に住む私たちが通常使う温度は「セルシウス度(℃)」と呼ばれる温度です。セルシウス度は水がこおる温度を0℃、水がふっとうする温度を100℃とし、その間を100等分して定められた温度です。

 一方、海外の一部の国では「ファーレンハイト度(°F)」と呼ばれる温度が用いられています。ファーレンハイト度では水がこおる温度は320°F、水がふっとうする温度は212°Fとなり、その間は180等分されています。
 そのため、同じ「気温32度」でも、それがセルシウス度で32℃であれば夏の気温であるのに対し、ファーレンハイト度で320°Fであれば水もこおるような冬の気温に相当するのです。

問6 ファーレンハイト度で100°Fは、セルシウス度で何℃ですか。答えが割り切れないときは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで答えなさい。

 ファーレンハイト度は、この温度が定められた18世紀当時に、大量の塩と氷でつくることができたもっとも低い温度を基準として0°Fを定めたといわれています。しかし、実際にはこれよりも低い温度をつくることができます。では、温度はどこまで下がるのかを考えてみましょう。

 気体には温度が下がると一定の割合で収縮する性質があります。たとえば、ある量の気体をじょじょに冷やしていく実験を行いました。すると、下の表のように一定の割合で気体の体積が減少しました。この結果をもとにすると、ある温度で気体の体積が計算上OmLとなってしまうはずです。また、気体の種類やはじめの体積を変えてこのような実験を行っても、気体の体積が計算上OmLとなる温度は同じでした。そこで、温度には下限があると考え、下限となる温度を「絶対零度」と呼ぶようになりました。そして、絶対零度を「温度ゼロ」の基準として定めた「絶対温度(熱力学温度)」という温度(単位はK-ケルビン)は、セルシウス度やファーレンバイト度に代わる温度として、科学の世界でおもに使われるようになりました。

問7 この実験において、気体の体積が計算上OmLとなる温度は何℃になりますか。


【解説と解答】
問1 最小の目盛は1℃ですから、その10分の1で0.1℃単位で答えます。
(答え)37.2

問2 2つ条件があるでしょう。ひとつは常温では液体であること。もうひとつが、膨張、収縮の割合が温度変化に対して一定であることです。
(答え)常温で液体で、温度と体積の変化が比例するもの。

問3 水は4℃で体積が最小となるので、膨張、収縮の割合が一定になりません。
(答え)エ

問4 
銅球の重さをxgとすると100℃にしたとき、銅球は100×xの熱量を持っていますから、
100×x+20×50=30×(x+50)
100×x+1000=30×x+1500より
70×x=500からx=$$\frac{50}{7}$$gとなります。

温度がわからないこの銅球と、20g50℃の水を混ぜたとき、28度になったので、銅球が最初にもっていた熱量は
($$\frac{50}{7}$$+50)×28-20×50=600
になるので、最初の銅球の温度は
600÷$$\frac{50}{7}$$=84℃になります。

(答え)84

問5 熱が外に逃げず、また外の熱が中に入ってこないようにするためには段寝る効果がある発泡スチロール製のカップが良いことになります。

(答え)イ
問6 
(答え)37.8
問7 -270

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