第23回 まず計算力をつけよう

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■ある塾に新4年生が入塾しました。学校以外にこういうところで勉強をするのがはじめての子です。「おもしろい、でも、むずかしい」というのがはじめて塾に行った日の感想。「こんなのやったことないから、すぐはできないよ」とも言っていました。最初のテスト。結果は散々なものでした。しかし、本人はめげる雰囲気でもありません。「あいつは、できるんだよ。」という返事。さて、どうしたものか、ご相談がきました。

■ テスト範囲は和差算と角度。問題はそれほどむずかしいものではありません。和差算のとき方も角度のとき方も本人は覚えていました。でも、できなかったのです。結論を先に言えば、計算力がないのひとことにつきるのです。

■三角形の3つの角度ABCがあります。AとBの和はCよりも30度大きく、AはBより5度大きいそうです。Aは何度ですか。という問題があったとしましょう。この問題は2回和差算を繰り返せばとけます。先生が解説します。三角形の和が180度だから30たして2で割ればA+Bがでます。その答えは105度ですからそこから5足して2で割ればAが出ます。といわれて、その通りなのですがこれが計算力がない子はぴんとこないのです。

■子どもはその場その場で、式を考えてしますから、そこを気にすると解説がわからなくなります。だからといって解説を聞いても、計算のイメージがわかないから、理解が進みません。根本は計算力をつけることであって、和差算や角度の復習をしても、決してできるようにはならないのです。

■計算は毎日ちょっとずつ練習して、積み重ねていきましょう。1日3題から5題くらい、間違わないように解いてもらいましょう。たくさんやってもミスばかりではあまり意味がありません。必ず正答するくせをつけます。時間を気にしてもいけません。だんだん慣れていけば、やがて早くなります。最初からスピードを求めるとあわててしまって、なかなか正答する力をつけることができなくなります。

■計算力をつけていくことは、一朝一夕ではなかなかいきません。継続的な努力をすることが必要で、それを苦しくやってしまうと子どもはやりたがらなくなります。毎日少しずつ、積み重ねていくことが大事です。毎日やっていって何日連続ノーミスなどという記録をつけていって、ベスト記録を更新したときは、大いにほめてあげてください。つまらない勉強も楽しくやれば、より力がつきやすくなります。

(平成16年4月3日)

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