■6年生はほぼ、あと半年というところ。ここから、いわゆる受験本番対策に入ってきます。夏は、天王山とは言いながら、半年以上先のことなので、子供たち自身があまりピンと感じていないのですが、やはり秋風が吹くころから、今までのんびり構えていた子供たちも目の色が変わってきます。
■ この時期は、得点力をつけるということが課題になります。応用力をつけるとか考える力をつけるというよりも、1点でも多くとる工夫をするべきです。例えば、漢字や知識など、知っていれば得点できるという問題に対する対策をすべきでしょう。
■知識についていえば、やはり頻出する事項から覚えるというのが正しいやり方です。女の子に多いのですが、いろいろ調べてノートを作ってまとめるのだけれど、まったく覚えられないというのでは、時間の無駄です。よく出るものから、覚えるということが大事でしょう。
■すべての範囲を100としたとき、その3割程度が出題の7割を占めるようです。ということは、その3割を覚えれば、7割の問題は解けるということになります。中学入試の合格点は6割程度ですから、まずはよく出る3割を確実の覚えるということが大事になります。
■では、どうやって頻出する3割を見つけ出すかということになりますが、これはすでに市販されています。出る順シリーズという旺文社から出版されている知識のまとめが、頻出順に分類されているので、大変便利です。そのほか、四谷大塚の四科のまとめなどもよく出る範囲をまとめています。これらを使って知識を覚えていくわけですが、ひとりではなかなか大変ですから、こういうときに手伝ってあげてください。お母さんが出題者になって、問題を出題し、お子さんが答えていくというやり方がおもしろいでしょう。どうせですから、正解数になにか賞品をつけて、楽しみながら学習してください。
■ただ、傾向は毎年少しずつ変わっていきますし、志望校によってよく出る範囲は微妙に違います。したがって、その部分を補わなければなりません。その意味で過去問の学習が必要になるわけです。塾によっては、過去問の勉強をぎりぎりまでしないというところもあるようですが、私はあまり賛成できません。むしろ、どんどん解いていって、よく出る範囲というものを体感していくことが大事だろうと思います。
■そういう意味では、受験校やその傾向が近い学校の問題を、どんどん解いていくことが重要な勉強法です。解いていけば、よく出ている知識というのもわかるし、間違えれば、記憶に残りやすくなります。できなかった知識を単語ごとにまとめておくのも良いかも知れません。そうするうちに、断片的に覚えてきた知識が次第につながってきて、知識が面になり、理解が深まります。
■漢字やことばの問題も非常に大切です。入試は1点不足しても不合格ですから、1点でも多くとる工夫を秋には心がけてください。
(平成15年9月7日)