■早生まれの子は受験に不利でしょうか?とよく質問されました。面接で、成績が悪かったりすると「やはり、早生まれだからでしょうか?」とも聞かれたものです。同学年で4月生まれの子と3月生まれの子には約1年の差があります。したがって、確かに差があることは間違いありません。ただ、早生まれの子はすべて、不利なのかというと、もちろんこれも違います。早生まれの子も、たくさん合格しています。
■子どもは成長に、個人差があります。4月生まれの子でも成長が遅い場合もあり、3月生まれの子でも、成長のスピードが速い子もいます。ですから、早生まれの子が一概に受験に不利だとは言えません。むしろ個人の成長のスピードが問題なのです。
■中学受験の場合、小学校6年生の2月が入試ですから、それまでにどのくらい成長したかが問題になります。幼い子は、なかなか本気にならず、受験はまだ早いかなと思うことも少なくありません。だからといってあまり無理をして、本来、子どもが持っている成長のスピードを変えてしまうと、ストレスを与えてしまい、子どもの成長を阻害するケースもありますから、やはり子ども一人一人の様子を見ながら、ペースを作っていくことが大事で、早生まれの子どもでも、これは同じです。
■ただ最大、1年の差はありますから、早生まれの子どもの場合は、少し、早めに準備を始めておくと良いと思います。たとえば中学受験は4年生の後半から準備が始まりますが、3年生くらいから準備を始めるのです。その代わり、子どものできる範囲を十分見定めて、無理なく進めてください。
■そうすれば、早くから刺激が与えられますから、早生まれの子どもであっても、その刺激を受けて、勉強する能力がだんだん備わってきますし、考える力も活性化してきます。活性化すれば、子どもが本来持っている「大きくなりたい」という欲求が出てきて、1年くらいの差はすぐ埋まってしまいます。大事なことは、子どもひとりひとりのペースが違うことを、親や指導する側がしっかりと認識して、ストレスを与えない程度に準備をすすめるということです。やりすぎてしまうと、逆効果になりますから、注意が必要です。「早生まれだから」ということはあまり「気にしない」というのが一番大切でしょう。
(平成14年5月18日)