中学受験辞典

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理科の単元、家庭での学習、受験準備など、これまでの記事をテーマ別に整理しています。

やらないものがあってもよい

この時期、本当に忙しいスケジュールをこなしている子どもたちがいます。

塾もあり、個別指導もあり、家庭教師もある。模擬試験があり、学校別の特別授業もある。あちらこちらに出かけているうちに、家で勉強する時間がほとんどなくなってしまう。

「来週までにこれを覚えておいてね」と言っても、

「その時間、いったいどこにあるの?」

ということになりかねません。

残り時間が少なくなってくると、どうしても「あれもやった方がいい」「これも追加した方がいい」と考えたくなります。

あとになって、「あのとき、やっておけばよかった」と後悔したくない、という気持ちもあるでしょう。

しかし、追加したことが逆に仇になることもあります。

ですから、新しい授業を入れるにしても、家庭教師を頼むにしても、

「何のためにやるのか」
「具体的にどんな効果を求めているのか」

ということを、はっきりさせておく必要があります。

例えば、過去問を解いていて、どうしてもわからない問題がある。解説を読んでもよくわからない。塾の先生に質問しようと思っても、質問の列が長くてなかなか聞けない。

それなら、その問題を教えてもらうために先生に来てもらう。

これは目的がはっきりしています。

しかし、せっかく教えてもらったのに、それをもう一度自分で解いたり、理解したことを確認したりする時間がないまま、次の予定に追われてしまうのであれば、少し考え直した方がいい。

それでは、せっかく時間を使っているのに、十分な効果が出ません。

「何となく不安だから、もう少しやれば成績が上がるかもしれない」

という理由だけで予定を増やしていくのは危険です。

つねに、

「何のためにこれをやるのか」
「やった結果、どうなったのか」

を確かめながら、必要なものを選んでいくべきでしょう。

そして、もうひとつ大事なことがあります。

何かを追加するのであれば、その分、やめるものがあってもよいのです。

時間は増えません。

新しいことをひとつ入れるなら、何かをひとつ減らす。

全部やろうとするのではなく、今、本当に必要なことに時間を使う。

この時期は、そういう整理も大事な受験勉強です。

問題文が読み切れない

問題文の読み違いで多いのは、だいたいパターンが決まっています。

「間違っているものを選びなさい」と書いてあるのに、正しいものを選んでしまう。

「分速で答えなさい」と指定されているのに、時速のまま答えてしまう。

こういうミスは結構多いものです。

もちろん本人も「問題をよく読まないといけない」ということはわかっています。注意して読んでいるつもりでもある。

それでも、なぜ最後まで読み切れないのでしょうか。

これは、問題を読んでいる途中で頭が動き始めるからです。

「あ、これはこうやればいい」

と解き方が浮かぶと、もう問題を解き始めてしまう。最後まで条件を確認することよりも、「早く解きたい」という気持ちの方が勝ってしまうのです。

ただ、これは必ずしも悪いことではありません。

問題を読んで、すぐに解き方が浮かぶというのは大事なことです。そのひらめきを「最後まで読まなければ」と無理に止めてしまうと、せっかく浮かんだアイデアが消えてしまうこともある。

だから、そこを無理に直そうとしなくてもいいと思うのです。

では、どうするか。

答えが出てから、もう一度問題文を確認すればいい。

「さて、答えはこれだ」と思ったところで、問題に戻る。

すると、

「あぶない、分速だった」

とか、

「正しいものではなく、間違っているものだった」

と気がつくことができます。

問題を解く勢いは止めなくていい。

その代わり、

「答えを書く前に、もう一度問題を確認する。」

これをひとつのルーティンにしてしまうことです。

読み間違いをゼロにしようとするよりも、最後に自分で気がつける仕組みを作る。

その方がずっと現実的だと思います。

志望理由を子どもといっしょに考えよう

願書に志望理由を書く学校は多いでしょう。親が文章を書く場合でも、最初から親だけでまとめない方がよいと思います。受験するのは子どもですから、「どうしてこの学校に行きたいのか」を一度聞いてみてください。

文化祭が楽しかった。部活をやってみたい。制服が気に入った。子どもの答えは、親が考えていた理由とは違うかもしれません。でも、それでいいのです。立派な言葉でなくても、その子なりに行きたい理由がある。その理由を、親の考えと並べてみればよいでしょう。

願書だけは親がきれいに書き、面接で子どもが全く違う話をする、というのでは困ります。だからといって、願書の文章を覚えさせるのも違う。親はなぜこの学校がよいと思うのか。子どもはそこで何をしたいのか。その二つを一度話しておくことです。

秋になると、過去問や模擬試験に追われます。今日もまた勉強、という日が続くでしょう。でも、なぜこれだけがんばっているのか。この学校に入りたいからです。その気持ちを本人がもう一度思い出せれば、これからの勉強も少し違ってきます。

志望理由を書くことは、うまい作文を作ることではありません。親子で「なぜこの学校なのか」を話す機会です。先に子どもの話を聞いてから、親の考えを伝える。その方が、願書の文章もずっと書きやすくなると思います。