振り返りにオンラインは便利

受験準備を早く始めるほど、以前に学んだ内容を忘れてしまうことは避けられません。

特に理科は、知識を覚えるだけでなく、算数の基礎が必要になる分野もあります。電気、力、溶解度、中和などは、計算の力が弱いとそこで止まってしまう。また、生物や地学のように範囲が広い分野は、一度覚えたつもりでも、時間が経てばどうしてもあいまいになります。

だから大事なのは、「忘れないようにする」ことではなく、「忘れたときにすぐ戻れる」環境を用意しておくことです。

ところが、紙のテキストやプリントだけで振り返ろうとすると、どこに何があったかを探すだけで時間がかかります。やる気が出てきたときに、すぐ復習に入れない。これは案外大きなロスです。

その点、オンライン塾やオンライン教材は、振り返りに向いています。単元ごとに内容を確認でき、必要なところだけを選んでやり直すことができるからです。理科の知識分野を見直す、算数の基本問題に戻る、過去に間違えた単元だけをやり直す。そういう動きがしやすくなります。

子どもたちは、入試が近づいてくると自然に気持ちが入ってきます。そのときに、「何をやればよいかわからない」とならず、すぐに必要な勉強へ戻れることが大事です。

塾のカリキュラムを追いかけるだけでは、今の自分に必要な復習が後回しになることがあります。だからこそ、いったん塾のペースから離れ、まずは自分の弱点を確認し、できるところから自信を取り戻すという方法も考えてよいでしょう。

早く始めることだけが受験準備ではありません。忘れた内容をどう思い出し、どうもう一度積み上げるか。そのために、振り返りやすいオンラインの学習環境を上手に使うことは、これからますます大きな意味を持つと思います。

塾のペースから脱却して、まずは確実に自信を取り戻す。そういう学び方も、ぜひ選択肢に入れてみてください。

志望校対策へ切り替える時期

これまでの勉強は、塾のカリキュラムに沿って進んできたご家庭が多いと思います。

毎週授業があり、宿題があり、確認テストがあり、組み分けテストがある。その流れをきちんとこなすことが、受験勉強の中心になってきたはずです。

もちろん、それは大事な土台です。基本的な知識や解法を身につけるためには、一定のカリキュラムに沿って学ぶ必要があります。

ただ、ここから先は少し考え方を変えなければなりません。

みんなと同じカリキュラムをやり、みんなと同じテストを受け、みんなと同じ宿題をこなしてきたということは、逆に言えば、そこで大きな差別化ができているわけではない、ということでもあります。

しかも、子どもたちは全員同じ学校を受けるわけではありません。

第一志望校も違えば、併願校も違う。得意な科目も違うし、苦手な単元も違う。算数で差をつけたい子もいれば、国語を安定させなければならない子もいます。理科社会で落とせない子もいるでしょう。

そう考えると、ここから大事になるのは「いまどのクラスにいるか」「偏差値がいくつか」だけではありません。

もちろん偏差値は目安になります。しかし、合格を決めるのは、偏差値表の数字ではなく、その学校の入試当日に、合格点を取れるかどうかです。

全員が受ける入試などありません。

大事なのは、その学校を受ける子どもたちの中で、合格点に届く答案を作れるかどうかです。たとえ模試の偏差値が足りていても、その学校の問題に合わなければ得点は伸びません。逆に、偏差値だけを見れば少し厳しく見えても、出題傾向に合わせて対策を進めれば、合格点に近づくことは十分にあります。

だからこそ、ここからは志望校に視点を切り替える時期です。

まず見るべきは、その学校の問題です。どの科目で点を取りやすいのか。どの単元がよく出るのか。記述が多いのか、処理量が多いのか、標準問題を確実に取る学校なのか、難問で差がつく学校なのか。

その上で、わが子の現状と照らし合わせます。

何を続けるべきか。何を減らしてよいか。どの科目に時間を回すべきか。塾の課題を全部同じ重さでこなすのではなく、志望校の合格点から逆算して、優先順位をつける必要があります。

ここで大切なのは、塾の流れを否定することではありません。これまで積み上げてきたものを、志望校に向けて組み替えるということです。

みんなと同じ勉強から、自分の入試に必要な勉強へ。

ここから先の数か月は、その切り替えができるかどうかで大きく変わります。

偏差値を追いかけるだけでなく、志望校の問題で合格点を取る。その視点に立って、そろそろ対策を考える時期に入ってきました。

今のやり方が最短なのか?

最近、つくづく感じることは、子どもたちが合格に向かわないといけないのに、どんどん遠回りをしていることです。

みんな同じことをやるのは、塾にとっては合理的であっても、子どもたちにとっては合理的でない。

志望校によっては出題されない、複雑な理科計算や立体図形の問題まで、延々とやらされて自信ややる気を失っている現実。

これらは、やはり道筋としては最短とは言い難いところではあるのです。

志望校を早くに決めてしまえば、要らないと思うがどんどん決まって来る。

しかし、そう決まってしまって塾を離脱させるわけにはいかないから、学校別特訓の資格審査など、姑息な?手段で子どもたちに同じ道を歩ませている現実は、どうも納得がいかない。

それであとから、慌てて学校別対策をしようとしても間に合わなくなってしまうのは本当にもったいないのです。

この夏もまた、意味のない分厚い過去問集をやらされる子どもたちのことを考えると、ここはそろそろ家庭が思い切った決断をした方が良い、と思います。