中学受験辞典

知りたいことから記事を探す

理科の単元、家庭での学習、受験準備など、これまでの記事をテーマ別に整理しています。

人は悲観的になりやすい

成績を見て、「これは合格しないかなあ」と考えるのは、ある意味では簡単なことです。良くない結果が出れば、この先も難しいように思えてくる。そう思い始めると、親も子どももそのムードに浸りやすくなります。人は、それだけ悲観的になりやすいのです。

しかし、受験はそこで終わったわけではありません。「もう無理かもしれない」と思い続けても、今の状態は変わらない。必要なのは、根拠もなく大丈夫だと言うことではなく、ここからひっくり返すという意志を持つことです。

保護者も、成績を見れば心配になるでしょう。ただ、心配をそのまま子どもに向けても、話は先へ進みません。考えるべきなのは、悲観する理由を並べることではなく、具体的に何を変えるかです。親子で話すなら、「これから何を変える?」というところから始めればよいと思います。

「もっとがんばろう」だけでは足りません。何をがんばるのかを決めないまま力を入れようとしても、それもまたムードで終わります。あれもこれもと広げず、いま変えることを一つはっきりさせる。そして決めたことを実行し、その結果から次の課題を見つけるのです。

これを最後まで続けることです。成績を見て落ち込むことはあるでしょう。それでも、そこで長く立ち止まらない。何を変えるかを決め、実際にやる。悲観的なムードをひっくり返すのは、その意志です。

そんなに悪いわけではない

算数が150点満点で、問題は30問。1問は5点です。そこで70点だったら、半分にも届いていない、と感じるでしょう。点数だけを眺めていると、ずいぶん悪かったように思えてしまいます。

しかし、あと6問正解すれば3桁です。点数では大きな差に見えても、問題数にすれば6問。その中にミスで落とした問題があれば、直しているうちに3桁へ入ることもあります。見た目ほど、力が大きく離れているわけではないのです。

模擬試験は、1種類の試験ですべての学校の判定を出そうとします。そのためには、受験した子どもたちの差を出さなければいけない。問題をたくさん出せば、1問、2問の違いが点数や順位にはっきり表れます。これが僅差の勝負の姿です。

だから、70点を見て、もう間に合わないと決めつける必要はありません。保護者ががっかりして、子どもを急がせれば、手をつける問題ばかりが増えてしまうかもしれない。しかし、正解しなければ点数にはなりません。慌てさせないことです。

間違えた問題は直す。ただし、何問やったかだけを追わない。ここからは、手をつけた問題をどれだけ正解できたかの方が大事です。正解率が高い子ほど合格します。点数が低く見えたときも、何問の差なのかを確かめると、受け止め方は変わります。

70点は70点です。しかし、そんなに悪いわけではない。あと6問をどう正解するか。考えるのは、そこです。

本文を読むな、は間違い

理科や社会には、問題文が長いものがあります。ていねいに読んでいると時間がかかり、最後まで終わらない。そこで、「本文は読まず、聞かれているところだけを探しなさい」という指導が出てきます。確かに、その方が速く進めそうには見えます。

長い文章が付いていても、その内容をほとんど使わない問題はあります。いろいろ書かれている中で「衆議院」に下線が引かれ、聞かれるのは衆議院の定員だけ、というような出題です。これなら該当する部分だけで答えられますし、本文は何のためにあるのか、と思うこともあるでしょう。

しかし、そういう問題ばかりではありません。文章全体の話をつかまなければ答えられない問題も、ちゃんとあります。下線の前後を飛ばし、目についた言葉だけを拾っても、何を答えればよいのか決められないのです。

時間内に終わらない答案を見ると、保護者も読むところを減らしたくなるかもしれません。けれども、入試でどちらの問題が出るかを先に選ぶことはできません。本文を読む必要のない問題だけを前提にした解き方では、読むべき問題に対応できなくなります。時間が足りないことと、本文を読まなくてよいことは別の話です。

長いから読まない、という練習はさせないでください。本文を読んだうえで、自分が解ける問題をきちんと取る。全部を終える方法を探すより、読んで解ける問題で勝負するしかないのです。