過去問はいつやるか?

塾によっては、まだ過去問に手を出さないでくださいというところもあります。

それはそれで塾の考え方だから、いろいろあると思いますが、ではいつやるのか? 塾でやってくれるのか?は聞いておいた方が良いと思うのです。

ほとんどの塾では、過去問を塾でやることはありません。

個別指導や、個人塾では当たり前にやることですが、大手集合塾では家庭に任されることが多い。

で、途中、やらなくて良いといっていたことが、秋の中盤になると「まだやってないのか?」みたいな話に変わってくる。

だって、そんな時間、どこにあった?と振り返って思うご家庭は多いのです。

だから、先に聞いておく。

で、ある程度、どういう風に進めていくのか、予定は立てておきましょう。後から慌てないように。

合格点も頭に入れて

これまでの勉強では、組み分け試験やマンスリーの結果を意識することが多かったかもしれません。

偏差値を上げる。クラスを上げる。少なくとも今のクラスを維持する。そういう目標は、塾の中ではわかりやすいものです。

しかし、これからの勉強は少し視点を変えていく必要があります。大事なのは、偏差値や順位ではなく、志望校の入試で合格点を取ることです。

中学入試は、それぞれの学校が独自に問題を作ります。出題される分野も、問題の難度も、時間配分も学校によって違います。当然、合格点も学校によって大きく異なります。

合格ラインが7割から8割程度になる学校もあれば、55%前後で合格できる学校もあります。つまり、同じ「合格」といっても、必要な得点の取り方は学校ごとにまったく違うのです。

だから、これからは「全体の中でどの位置にいるか」よりも、「志望校の問題で、あと何点取れば合格点に届くのか」を見ていくことが大切になります。

模擬試験は、ひとつの試験で多くの学校の判定を出します。そのため、どうしても実際の入試とはずれが出ます。模試では合格可能性が50%未満でも、志望校の出題傾向に合っていて、過去問でしっかり点が取れる子はいます。

むしろ、これからはそういう状態を作っていかなければなりません。模試の判定を気にしすぎるより、志望校の入試問題を研究し、どの科目で何点取るのか、どこで失点を減らすのかを具体的に考えることです。

合格点を意識すると、勉強の優先順位も変わります。難しい問題を何でも解く必要はありません。志望校でよく出る問題、確実に取らなければならない問題、ミスをしてはいけない問題を中心に固めていくことが大事です。

これからの目標は、偏差値を追いかけることではありません。志望校の入試で合格点を取ることです。

その視点に切り替えて、残りの時間の使い方を考えていきましょう。

夏休みは天王山ではない

夏期講習のパンフレットを見ると、「夏こそステップアップ」「夏は受験の天王山」といった言葉が並んでいます。

確かに、入試までの間で、夏休みほどまとまった時間を取れる時期はありません。学校が休みになり、平日にも勉強時間を確保できるわけですから、ここで力をつけたいと考えるのは当然です。

しかし、だからといって、夏休みがすべて自由に使える時間になるわけではありません。

実際には、塾の夏期講習があります。講習が始まれば、本人の得意不得意に関係なく、塾が必要だと考える内容がどんどん進んでいきます。授業があり、宿題があり、復習も必要になる。そこにさらに家庭で弱点補強をしよう、過去問も始めよう、暗記も進めよう、ということになると、あっという間に時間はなくなります。

お盆を過ぎれば、塾によっては一気に過去問へ向かう流れになるかもしれません。そうなると、夏休みの前に思い描いていた「あれもやろう、これもやろう」という計画は、なかなかその通りには進まないものです。

ですから、夏休みに過大な期待をしすぎないことが大事です。

夏休みは天王山ではない。少なくとも、ここで全部を仕上げる時期だと考えない方が良いでしょう。むしろ、限られた時間の中で「これだけはやる」と決めることの方が大切です。

最も優先順位の高い勉強は何か。

算数の苦手単元を一つつぶすことなのか。理科の計算を整理することなのか。国語の記述を見直すことなのか。あるいは、志望校の過去問に入る前に、基本知識を固め直すことなのか。

家庭によって、子どもによって、優先すべきことは違います。だからこそ、塾の予定をそのまま全部こなすことだけを目標にしない方が良いのです。

あれもこれもと欲張るより、「この夏はこれをやった」と言えるものを一つ、二つ作る。それで十分です。

夏休みは、入試までの通過点です。ここで無理に詰め込みすぎるより、秋以降にしっかり伸びていけるように、必要なことを絞って取り組むことを考えてください。