親のイライラをどうする?

夏休みになると、子どもが家にいる時間が増えます。その分、お父さん、お母さんがやらなければならないことも増えていきます。

例えば昼食です。学校がある日は給食がありますが、夏休みはそうはいきません。午前中に塾へ行くのか、午後から行くのかによって、食事の時間も変わります。お弁当を持たせるのか、家で食べさせるのか。その段取りを考えるだけでも、なかなか大変です。

もちろん、気になるのは生活のことだけではありません。

学校の宿題には、ドリルや読書感想文、自由研究があります。塾からも宿題が出ますし、講習の復習も必要でしょう。やらなければならないことはたくさんあるのに、当の本人はそれほど焦っているようには見えない。

そこで、お父さん、お母さんのイライラがだんだん大きくなっていきます。

こちらは食事の準備をし、予定を考え、勉強の進み具合まで気にしている。それなのに、子どもはのんびりしている。注意をしても返事だけで動かない。場合によっては、いっぱしの口答えまで返ってくる。

「いったい誰のためにやっているの?」

そんな気持ちになるのも、無理はありません。

しかし、どこかで「これは子どものすることだ」という線を引いておくことも大切です。

まだ十二歳前後の子どもが、自分の予定を完璧に管理し、親の苦労まで察して、先回りして動く。そんなことは、なかなかできません。口だけは達者になっていても、中身はまだ子どもです。

だから、言うべきことは言ってよいのです。ただし、親のイライラを解消するために怒ってはいけません。

感情のままに強く言えば、その場では少しすっきりするかもしれません。しかし、子どもは何を直せばよいのか分からず、ただ怒られたという気持ちだけが残ります。そうなると、勉強が進むどころか、家の中のバトルが増えるだけです。

腹が立ったときは、まず一呼吸置くことです。

そして、「何に困っているのか」「子どもに何をしてもらいたいのか」を整理する。必要であれば、お父さん、お母さんで話をしてから、次の手を考えてください。

全部を一度に直そうとしなくてもよいのです。今日は宿題の時間だけ決める。昼食後に一つだけ終わらせる。まずは、具体的に動けることに絞って伝える方が、子どもにも分かりやすいでしょう。

夏休みは、子どもにとっても長いですが、親にとっても長いものです。

親が先に疲れ切ってしまわないように、子どもの課題と親の感情を少し分けて考える。それが、イライラを大きくしないための大事なポイントです。

自由に進めるシステム

以前、フリーダムに参加した女の子が、こんなことを言っていました。

「自分で進めるからイイ。」

これは、なかなか大事な言葉だと思うのです。

勉強は、やはり自分でやるようにならなければ、なかなか力がつきません。言われたからやる、宿題だから仕方なくやる、という状態では、どうしても「早く終わらせたい」という気持ちが先に立ちます。

一方、自分で勉強するようになると、わかるまで考えたり、必要なところをやり直したりするようになります。自分で努力を積み重ねることができるようになれば、学力も少しずつ伸びていくでしょう。

また、勉強が進んでくると、子ども自身が「ここはわかった」「ここはまだわからない」と判断できるようになってきます。

もう十分に理解しているところを、同じペースで何度も繰り返さなければならないと、だんだんつまらなくなってしまいます。逆に、よくわからないまま先へ進めば、あとで困ることになる。

ですから、その子の理解に合わせて進められることは大切です。わかれば次へ進む。わからなければ、もう一度授業を見たり、問題を解き直したりする。そうやって、自分で進み方を決められるようになると、勉強に対する姿勢も変わってきます。

実際に子どもたちの様子を見ていると、こちらが教えている時間よりも、自分で問題を考えている時間の方が長いことがあります。

「ヒントを出そうか?」と声をかけても、

「もうちょっと待ってください。」

と断られることもあります。

しかし、この「もうちょっと」の時間が、とても大事なのです。

ああでもない、こうでもないと自分で試しているうちに、問題の条件が整理され、考え方が少しずつ見えてきます。たとえ最後まで自力で解けなかったとしても、その時間は決して無駄ではありません。

先に十分考えているからこそ、そのあとに解説を聞いたときも、「なるほど、そう考えるのか」と納得できます。そして、次に似た問題が出てきたときには、自分で考えるための手がかりが残っているのです。

勉強は、まず自分でやってみることから始まります。周囲がすぐに手を出すのではなく、子どもが自分で進もうとする力を、できるだけ引き出してあげてください。

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講習の宿題

夏期講習が始まると、毎日のように宿題が出ます。

授業で習ったことを定着させるためには、もちろん復習が必要です。授業を受けただけで、全部ができるようになるわけではありません。わからなかった問題をもう一度考え、解き方を確認する。その時間があって、初めて講習の内容が自分の力になっていきます。

ただし、出された宿題を全部やることが、いつも正しいとは限りません。

すでにできる問題まで何度も繰り返したり、授業で十分に理解できているところに長い時間を使ったりすれば、本当に直さなければいけない問題に手が回らなくなります。講習中は授業時間も長くなりますから、家庭で使える時間には限りがあります。

大事なのは、宿題を終わらせることではなく、できなかったことをできるようにすることです。

まず、授業中にできなかった問題、解説を聞いてもまだ不安が残る問題を優先する。反対に、自力で確実に解ける問題は、すべて繰り返さなくてもよいでしょう。宿題の量が多いときほど、どこに時間を使うかを考える必要があります。

子どもは、宿題として出されれば「全部やらなければいけない」と思います。ですから、保護者が様子を見ながら、必要なものを整理してあげることも大切です。終わったページ数ではなく、昨日できなかった問題が今日できるようになったかを見てください。

講習の宿題に追われて、睡眠時間が減ったり、過去問や自分の課題ができなくなったりしては、本末転倒です。講習のために家庭学習があるのではなく、力をつけるために講習も宿題も利用するのです。

今のやり方ではうまく進まないと感じる場合は、家庭で取り組みやすい形に切り替えることも一つの方法です。