行ける学校はひとつだけ

中学受験では、複数の学校を受けるのが普通です。

午前入試、午後入試、1月校、2月校と考えていくと、受験する学校の数はどうしても増えていきます。合格をいくつかいただくこともあるでしょう。けれど、最終的に通える学校はひとつだけです。

ここを忘れてしまうと、受験準備がどんどん広がっていきます。

この学校も良い、あの学校も気になる。ここも対策しておいた方が良いかもしれない。そう考え始めると、学校ごとの傾向も気になり、やるべきことが増えていきます。もちろん併願校を考えることは大事です。しかし、全部の学校に同じだけ力を入れようとすると、結局どれも中途半端になりやすいのです。

だから、まずは「本当に行きたい学校」をはっきりさせることが大切です。

子どもがその学校に通う姿を思い浮かべられるか。毎日通いたいと思えるか。合格したら本当にうれしいと思えるか。そういう気持ちがある学校を中心に据えることで、勉強の方向も決まりやすくなります。

第一志望校が決まれば、やるべきことも絞られてきます。その学校の出題傾向を見て、何を優先するかを考える。過去問を通して、どこで点を取るか、どこを補強するかを決めていく。これは、ただたくさんの問題を解くよりも、ずっと実戦的な準備になります。

もちろん、第一志望校に必ず合格できるとは限りません。思うような結果にならないこともあります。だからこそ併願校を考える必要がありますし、受験の安全策も大切です。

ただ、それでも中心に置く学校はひとつで良いのです。

「ここに行きたい」という気持ちがあるから、子どもは苦しい時期も踏ん張れます。何となくいくつもの学校に向けて勉強するよりも、目標がはっきりしている方が、本人の気持ちも続きやすいのです。

入試当日まで、受験校はいくつかあるかもしれません。でも、進学する学校はひとつだけです。

だからこそ、早い段階で「わが家にとって一番大事な学校はどこか」を決めておきたい。その軸があることで、勉強の優先順位も、親のサポートの仕方も、ずっと整理しやすくなります。

たくさん受けることよりも、本当に行きたい学校に近づくこと。

中学受験では、その考え方を忘れないようにしたいものです。

進める時は進む

勉強は、いつも同じペースで進むわけではありません。

すっと理解できる単元もあれば、何度説明を聞いてもなかなか腑に落ちない単元もあります。だから本来、学習の進め方は、その子の理解度に合わせて変えられる方が良いのです。

オンライン学習の良いところは、まさにそこにあります。

わかるところは、自分でどんどん進めることができる。授業の進度を待つ必要もありませんし、周りに合わせて立ち止まる必要もありません。理解できている内容であれば、テンポよく先へ進めばよいのです。

もちろん、急ぎすぎて雑になるのは困ります。問題を解き、確認し、間違えたところを直す。その基本は守らなければいけません。しかし、きちんと理解できているのであれば、必要以上に同じところに時間をかけることはありません。

むしろ、進める時に進んでおくことが大事です。

後になれば、必ず難しいところが出てきます。算数であれば、条件整理が複雑になる問題。理科であれば、実験やグラフを読み取って考える問題。国語であれば、本文の根拠を正確に拾って答える記述問題。そういうところでは、どうしても時間がかかります。

そのときに、前の単元で必要以上に足踏みをしていると、じっくり考える時間がなくなってしまいます。

だから、できるところは前へ進む。わからないところは立ち止まる。この切り替えが大切なのです。

一斉授業では、どうしても全体のペースがあります。わかっている子も、まだわかっていない子も、同じ時間を同じ内容に使うことになります。それが悪いというわけではありませんが、子どもによっては、もったいない時間が生まれることもあります。

オンラインで自分のペースを作れるなら、その利点を活かすべきです。

今日は調子が良い。内容もよくわかる。問題もきちんと解ける。そういう日は、少し多めに進めてよいのです。反対に、引っかかるところが出てきたら、そこは無理に進まない。説明を見直し、質問し、類題を解き、時間をかけて理解する。

大事なのは、毎日同じ量を機械的にこなすことではありません。

その日の学習内容を見て、進めるところは進み、止まるべきところでは止まる。その判断を少しずつ身につけていくことです。

受験勉強では、後半になるほど時間の使い方が重要になります。過去問、弱点補強、志望校対策と、やるべきことは増えていきます。そのときに余裕を作るためにも、今、進めるところはしっかり進んでおく。

オンライン学習は、そのための道具としてとても有効です。

ただ画面の前に座っているだけでは意味がありません。自分で進める、自分で止まる、自分で確認する。その使い方ができるようになると、学習の効率は大きく変わります。

進める時は進む。

そして、難しいところに出会ったら、そこでしっかり時間をかける。

このメリハリが、後半の伸びにつながっていくのです。

妥当な第一志望校

これからいろいろ成績が出てきます。

で、親として、何となくこのくらいの学校に入ってくれれば良いかなあ、というイメージができてくる。

これがまあ、ある意味妥当な第一志望校です。

で、それと今掲げている第一志望をどうするか? 取り下げるか?

いえ、それは違うでしょう。あくまで狙ってきた第一志望は大事なエンジンです。それを変えるということは結構、勉強の仕方も大きく変わるし、一度それをやってしまうと、また秋に成績が出てきて、変わったりするリスクが出てくる。

なので、妥当な第一志望というのはあくまで併願校として扱うべきでしょう。

ただ、最初からここを狙いたいと本人が思うのであれば、今はまだ変更できる時期かもしれません。