受験勉強は、効率化が一番

過去出題されたいろいろな学校の問題にすべて対応する、ということになると、その対策は膨大になります。

中学受験は、小学校の教科書の範囲が出題範囲ではありません。それでは差がつかないので、差がつくように「小学生ができる問題」という定義で問題を作っているわけですが、当然、競争ですから、あまりに簡単な問題ばかりを出すわけにもいかないので、それなりにいろいろな問題を作る。

しかし、それをすべて追い求めることは難しい。

だからこそ、入試傾向に合わせて勉強する内容を絞り込む必要があるのです。

過去問をやるのも、学校別模擬試験を受けるのも、すべてやることをなるべく絞り込み受験勉強を合理的にする工夫なのです。

ですから、そこはがんばった方が良い。

これも出るかもしれない、あれも出るかもしれない、ではきりがありませんから、子どもたちのためにしっかりやる内容を絞り込んでください。

のびる時

勉強を続けていると、ある時、「少しできるようになってきたな」と感じられることがあります。

それまで苦労していた問題が解けるようになったり、正解する回数が増えたりする。こういう時は、一気に力をのばすチャンスです。

ただし、調子が上がってきたからといって、あれもこれもと手を広げすぎてはいけません。算数ができるようになってきたのに、国語も理科も社会も同時に増やしてしまえば、せっかく生まれた勢いが止まってしまうことがあります。

のび始めた時は、まずその教科に時間をかけることです。

例えば算数なら、基本問題ができるようになったところで終わりにせず、いろいろな問題に取り組み、「このくらいの問題なら自分で考えられる」というところまで進めてしまう。少しできるようになった段階から、得意教科と呼べるところまで押し上げるのです。

その間、ほかの教科に十分な時間をかけられなくても、あまり気にする必要はありません。すべての教科をいつも同じように進めなければならないわけではないからです。

一つの教科がある程度の水準に達すると、以前ほど時間をかけなくても成績が安定するようになります。そうなれば、今度は別の教科に力を移すことができます。

子どもがのびる時は、いつも均等にやってくるわけではありません。できるようになってきた教科を見つけたら、その勢いを大切にする。のびる時に、しっかりのばしてしまいましょう。

第一志望の子を採りたい

東京、神奈川の中学入試では、2月1日の1回だけで入試を終えられれば理想だ、と考える学校は少なくありません。

しかし、1回の入試だけで予定している人数を確保するのは、そう簡単ではありません。そこで複数回入試を行ったり、午後入試を設けたりして、受験の機会を増やすことになります。

学校にとって大事なのは、入試の回数そのものではなく、その学校を第一志望とする子をどれだけ迎えられるか、ということなのでしょう。

複数回入試では、第一志望の学校が残念な結果になり、その後の入試で合格した学校へ進学する子も少なくありません。もちろん合格はうれしい。しかし本人の中には、「本当は別の学校へ行きたかった」という気持ちが残ることもあります。

そうなると、入学当初から気持ちが十分に前を向かない場合もあるでしょう。うれしいような、しかし心から喜びきれないような、複雑なスタートになることもあります。

その点、自校を第一志望として受験し、合格して入学してきた子は、最初から学校生活を楽しみにしています。制服を着ることも、校門をくぐることも、待ち望んでいたことです。学校側としても、そういう子どもたちをできるだけ多く迎えたいと思うのは自然なことでしょう。

だから、2月1日の1回入試で定員が満たせる学校は理想的だ、と言われるのです。それは単に人気があるということではなく、「この学校に入りたい」と考える受験生が多いことを意味しています。

もちろん、すべての子が第一志望校に合格できるわけではありません。入試である以上、残念な結果になることもあります。

それでも各校は、いつか第一志望の受験生だけで定員を満たせる学校になりたいと考え、教育内容を磨き、学校の魅力を伝え続けています。入試日程の背景には、学校側のそんな思いもあるのです。