下位クラスですり込まれるな

組み分けテストで下位クラスが続くと、子どもはだんだん「自分はこのくらいなのだ」と思い始めます。

最初は上のクラスを目指していたはずなのに、結果がなかなか変わらないと、その目標も少しずつかすんでいく。そして、「どうせやっても無理だから」という気持ちが出てくると、その先の受験勉強はなかなか好転しません。

しかし、クラスはその時点の組み分けテストの結果で決まったものにすぎません。子どもの力のすべてを表しているわけではないのです。

実際には、下位クラスにいたとしても、以前よりできるようになったことはたくさんあるはずです。

「知識が確実に増えてきた」

「場合の数の問題が解けるようになった」

「計算ミスが減ってきた」

「長い文章題にも取り組めるようになった」

そうした変化に、きちんとスポットライトを当ててください。

大切なのは、漠然と「がんばっているね」と言うだけではなく、何ができるようになったのかを具体的に本人へ伝えることです。見える成果として示されれば、子ども自身も「自分は少しずつ進んでいる」と感じることができます。

クラスが上がってから自信がつくのではありません。小さな成長を認められ、自信がついてくるから、その先の結果が変わっていくのです。

下位クラスという位置づけを、本人の能力だと思わせてはいけません。今できるようになっていることを積み重ね、前に進んでいる実感を持たせる。それが、やる気を引き出し、やがて好結果につながっていきます。

粘る?

問題が解けないとき、もう少し考えるべきか、それとも答えや解説を見るべきか。子どもの勉強を見ていると、判断に迷うことがあります。

すぐに諦めてしまうのは困りますが、長く考え続ければ必ず力がつく、というわけでもありません。手がかりがないまま同じ式を書き直したり、ただ問題を眺め続けたりしているのであれば、それは粘っているというより、勉強が止まっている状態です。

大切なのは、考えている間に何かが進んでいるかどうかです。条件を図に書き込む、わかっている数を整理する、似た問題を思い出す、別の方法を試す。こうした動きがあるなら、もう少し粘ってみる価値があります。

しかし、何をしてよいかわからない状態が続くなら、いったん解説を見た方がよいでしょう。家庭学習では、10分から15分程度をひとつの目安にします。それまでに方針が立たなければ、解説を読んで考え方を理解し、その後に自分でもう一度解いてみる。その方が、限られた時間を有効に使えます。

一方、試験中はさらに早い判断が必要です。一問に粘りすぎて、解ける問題を残してしまっては得点につながりません。少し考えて方針が見えなければ印をつけて先へ進み、残った時間でもう一度戻る。この切り替えも、受験では大切な力です。

粘るべきなのは、時間ではありません。解くための手を動かし続けることです。考えが進んでいるなら粘る。止まっているなら学び方を変える。その区別をつけられるようになると、勉強の質は大きく変わっていきます。

早く読もうとしない

近年の入試問題は、国語だけでなく、理科や社会でも問題文が長くなっています。実験や観察の説明、会話文、資料を読むための条件などが増え、読む量そのものが多くなりました。

そうなると、「もっと速く読まなければ間に合わない」と考えがちです。しかし、慌てて読んでも、ろくなことはありません。条件を一つ読み落としたり、問われていることを取り違えたりすれば、その後の計算や判断がすべて無駄になってしまいます。

大切なのは、文章を速く目で追うことではなく、必要な情報を正確につかむことです。何がわかっていて、何を求めるのか。どの資料を使い、どの条件に注意するのか。そこを確認しながら読んだ方が、結局は解答まで早く進めます。

もちろん、すべての問題を最後まで解き切れるとは限りません。しかし、入試は全問正解を競うものではなく、合格点を取る試験です。できる問題を見つけ、そこで確実に得点を重ねる方が、慌てて全体に手を出し、あちらこちらでミスをするよりも点数はまとまります。

時間が足りないと感じると、子どもは読むところから急ぎ始めます。しかし、急ぐべきなのは問題文ではありません。難しい問題に長くとどまらないことや、後回しにする問題を判断することで時間を作るべきです。

早く読もうとしない。しっかり読んで、できるところを正確に解く。その方が、結果として安定した得点につながります。速さだけを求めるのではなく、確実に点を取るための読み方を身につけてください。