全問に手をつける

過去問に取り組むとき、最初から試験時間を計って解かせるご家庭は少なくありません。しかし、まだ問題に慣れていない段階で時間ばかりを意識すると、前半の問題に時間を使いすぎて、後半はほとんど見ないまま終わってしまうことがあります。

これでは、せっかく過去問を解いても、その学校がどのような問題を出すのか、最後まで十分に知ることができません。過去問を始めたばかりの時期は、時間内に終えることよりも、まず全部の問題に手をつけることを優先してください。

すぐに解き方が分からなくても、問題文を読み、図を描き、条件を整理してみる。国語なら本文のどこを使うのかを探し、理科や社会なら資料や設問を最後まで確認する。正解できるかどうかは別として、一度は自分で考えてみることが大切です。

全部に手をつけてみると、前半は解けるが後半になると条件を整理できない、知識問題はできるが記述で止まる、といった課題が見えてきます。そこまで分かれば、その後に何を勉強すればよいかも具体的になります。

もちろん、入試本番では時間内に得点をまとめなければなりません。しかし、時間配分を考えるのは、まず問題全体を知ってからです。最初から時間に追われて、できそうな問題まで見落としてしまっては意味がありません。

過去問の初期段階では、点数よりも、全部の問題を見て、全部の問題について一度は考えること。その積み重ねが、やがて「どの問題を先に解くか」「どこで見切るか」という本番の判断力につながっていきます。

積み重ねが大事

中学受験の勉強を続けていると、「カリキュラムは一通り終わったはずなのに、まだできない問題が多い」と感じることがあります。基本的な問題で間違えたり、以前できたはずの内容を忘れていたりすると、保護者の方も不安になるでしょう。

しかし、中学受験の学習範囲は非常に広く、一度習っただけですべてが身につくわけではありません。習ったときには分かったつもりでも、しばらく時間がたてば忘れることもあります。別の問題になると、同じ考え方を使えないこともあるでしょう。

だから、受験勉強では積み重ねが大事なのです。

一度でできるようにしようとするのではなく、忘れたら覚え直す。間違えたら、もう一度考える。前にはできなかった問題が少し分かるようになり、やがて自力で解けるようになる。そうした小さな積み重ねによって、少しずつ力がついていきます。

もちろん、受験までの時間には限りがあります。しかし、だからといって、今すぐすべてを完璧にしようとすると、かえって勉強が苦しくなります。大切なのは、今日できなかったことを確認し、次にできるように準備することです。

子どもの力は、毎日の学習の中ではなかなか見えにくいものです。それでも、数週間、数か月と振り返ってみれば、読める文章が増え、覚えた知識が増え、解ける問題も確実に増えているはずです。

目の前の結果だけで、「伸びていない」と決めつけないことです。今日の勉強が、すぐに点数に表れないこともあります。しかし、その努力はなくなったわけではありません。積み重ねたものがつながったとき、急にできることが増える時期がやってきます。

焦らず、しかし止まらず、毎日少しずつ進んでいく。中学受験では、その積み重ねが最後に大きな力になります。

子どもの数だけ伸ばし方はある

勉強の教え方というか、指導法というのはいろいろあります。

だからある先生の指導法がすべての子に合うか?と言われればそうではない。例えば、気合いを入れていこうと言われて、「気合いって何ですか?」という子もいるわけだから、まあ、何でもエイエイオーで済むというものでもない。

これは学校選びも同じですが、やはり子どもの性格に合う伸ばし方や環境というのがあるので、そこは親がしっかり考えて選んで行く必要があるのです。

合格実績とかでつい同じことをさせないと、と思われることが多いのですが、同じことをやってもうまくいかないことはたくさんある。

子どもの数だけ伸ばし方はあるものです。

その意味で、引き出しの多い先生に習うとうまくいくことが多いでしょう。

これは年齢に関係ない。

ベテランでも引き出しの少ない人もいるし、若くても自分がいろいろ勉強して対応しながら子どもたちの力を伸ばす、という先生もいる。

子どもに合う先生を見つけられたら、結果はかなり違います。

残念ながら集合授業では先生を選べないことが多いですが、それでも子どもたちは自分に合う先生がわかる。

なので、子どもに合う先生を見つけて指導してもらうと、一気に状況が変わっていくケースが多々あります。