なぜオンライン個別指導に特化したのか?

塾に通うのが当たり前、と思われている時代が長く続いてきました。

しかし、私は前から少し違うことを考えていました。

本来、受験勉強というのは、子どもが自分で考え、自分で理解し、自分でできるようになっていく過程でなければいけない。

ところが集団塾は、どうしても全員を同じペースで動かします。授業があり、宿題があり、テストがあり、その流れについていける子もいれば、そうでない子もいる。

しかも中学受験の勉強は、わからないところをそのままにすると、次の単元でさらに苦しくなりやすいのです。特に算数はそうでしょう。ひとつつまずくと、その先が全部わかりにくくなる。

であれば、本当はその子に合わせて、その場で調整できる方がいい。

それなら個別指導になるわけですが、個別指導にも課題があります。

まず場所の問題がある。近くに良い先生がいるとは限らない。時間の問題もある。送り迎えもしなければならない。さらに教室に通うこと自体で、子どもが疲れてしまうこともある。

だったら、家でできた方がいい。

私はそう考えるようになりました。

オンラインであれば、移動がいりません。送り迎えもいらない。授業が始まる直前まで家で落ち着いていられるし、終わった後もすぐに復習に移れます。これは子どもにとって、かなり大きい。

特に今の子どもたちは、日々本当に忙しい。学校があり、塾があり、習い事があり、週末はテストがある。その中で移動時間まで積み重なると、勉強以前に消耗してしまう。

だから、まず無駄な負担を減らしたい。

オンライン個別指導に特化した理由のひとつは、ここにあります。

もうひとつ大きいのは、全国どこでも同じ質で指導できる、ということです。

地方に住んでいるご家庭は、どうしても選択肢が限られます。近くに中学受験対応の塾がない場合もあるし、あっても志望校に合った対策が十分できるとは限らない。

しかしオンラインであれば、地域に関係なく必要な指導が受けられる。これは非常に大きなことです。

実際、中学受験は学校によって対策が違います。慶應を目指すのか、他の学校を目指すのかで、やるべきことはかなり変わる。にもかかわらず、住んでいる地域だけで指導の内容が決まってしまうのは、本来あまり合理的ではありません。

オンラインなら、その壁を越えやすいのです。

さらに言えば、個別指導は「教える」だけでは足りません。

子どもがどこで止まっているのか、何が負担になっているのか、どこを変えれば動き出せるのか。それを見極める必要がある。

この点でも、オンラインは十分機能します。

画面越しでも、子どもの表情や反応はわかるし、手元の答案も確認できる。むしろ家庭で受けているからこそ、普段の様子に近い状態で学習が見えることもある。教室ではがんばっていても、家に帰ると動けない、ということはよくあるわけで、その現実に近いところで指導できる意味は小さくありません。

もちろん、オンラインなら何でもうまくいく、ということではありません。

子どもによって向き不向きはあるし、最初は慣れが必要な場合もあります。家庭の通信環境も大事でしょう。

しかし、少なくとも今の時代、オンラインだから不利だ、とはもう言えない。

むしろ、子どもの負担を減らし、その子に必要な勉強に絞り込み、地域差を越えて必要な指導を届ける、という点では、オンライン個別指導の方が合理的な場面は多いのです。

私は、子どもたちにこれ以上、余計な負担を背負わせたくないと思っています。

通塾のために疲れ、集団のペースに合わせるために苦しみ、わからないところを抱えたまま次へ進む。そういう勉強の仕方を、できるだけ減らしたい。

本当に必要なのは、その子に合った勉強を、その子が続けられる形で進めることです。

だから、オンライン個別指導に特化しました。

便利だから、というだけではありません。

子どもたちが無理なく続けられ、必要なことに集中できる形を考えていくと、自然にここに行き着いた、ということなのです。

適性学習量

「1週間にどのくらいの問題をこなせばよいのでしょうか」というご質問を、よくいただきます。

しかし、これは一概には決められません。子どもによって違うからです。したがって、「これだけやれば大丈夫」というような、共通の基準があるわけではないのです。

たとえば算数で、その週にひとつのテーマを学ぶとしましょう。普通は、まず例題があり、基本問題があり、それを応用した練習問題が続いていくはずです。

ところが、ある子にとっては、その基本を理解するだけでもなかなか大変なことがあります。そういう場合に、1週間で練習問題まで全部進もうとすると、どうしても無理が出やすい。とりあえず手をつけることはできても、本当の意味で理解するところまで行かないことが多いでしょう。

一方で、別の子にとっては、基本はすぐにわかる。例題も基本問題もそれほど苦にならず、練習問題までかなり進めてしまうこともあります。

もちろん、そこには力の差があるのかもしれません。試験であれば、頭の回転が速い子が有利になる場面は確かにあるでしょう。

しかし、入試は初めて学ぶことをその場で競うものではありません。しっかり準備をして、できるようになったところで競争するのです。ですから、単に頭の良い子だけが勝つ勝負ではないのです。

だから、最初の段階で基本を理解するのに時間がかかる子は、まず基本をしっかり身につければいいのです。練習問題まで進めなかったとしても、そこで慌てる必要はありません。基本が本当に理解できたら、次の機会に練習問題に進めばよいのです。

最初のうちは、できる量の多い子との差が広がっていくように見えるかもしれません。しかし、学習する範囲には限りがあります。やがて、みんなが何度か学んだ範囲の中で勝負する時期がやってきます。そうなると、基本をていねいに身につけてきた子が、少しずつ差を詰めていくのです。

実際、毎年入試が近づくころになると、定員の2倍程度の受験生の力は、思っているほど大きくは違わなくなっていきます。

大事なことは、「今できないこと」を数えることではありません。「今がんばればできること」に集中することです。

そして、ひとつわかるようになると、理解はそこから広がっていきます。わかることが増えると、勉強は少しずつおもしろくなりますし、自信も出てきます。

もちろん、楽なことだけやっていればいいわけではありません。ある程度の負荷は必要です。負荷があるからこそ力がつく。

しかし、その一方で、今の段階では到底無理なことを追いかけ続けても、あまり実りはありません。

今の自分が、がんばってできることに集中する。その結果としてこなせる問題数こそが、その子にとっての適正な学習量なのです。

塾に行きたくない

子どもが塾へ行きたがらないと感じるとき、親として戸惑うことも多いでしょう。その気持ちは、ただのわがままや怠け心とは異なり、何かしらの内面の声である可能性があります。塾は学びの場であると同時に、子どもにとっては居心地の良さや楽しさも必要な要素です。もしその場所が苦痛に感じられるなら、何かがうまくいっていないサインと考えるのが自然です。

子どもが「行きたくない」と言葉にする理由は様々ですが、はっきりとした答えを示さずに「なんとなく」と返される場合は、なおさら注意が必要です。理由を言いたくない気持ちや、自分でも理由がわからない混乱した心境が隠れていることが多いのです。こうした場合、無理に通い続けさせることは逆効果を招きかねません。まずは子どもの話にじっくり耳を傾け、安心して心を開ける環境を整えることが肝心です。

親が焦って「遅れが心配だから」と急かすよりも、子どものペースに合わせて気持ちを尊重することが、結果的に学習意欲の回復につながります。塾の先生とも連携を図りながら、子どもが安心して学べる環境を模索することが大切です。学びの形は塾だけに限らず、多様な方法があります。強制ではなく、子ども自身が前向きに取り組める姿勢を支えることが、何よりの教育の基盤となるでしょう。

無理をせず、じっくりと子どもの話を聞き、状況を見守ること。そうした配慮が、子どもと親の信頼関係を深め、学びの喜びを育む第一歩になるはずです。大切なのは、子どもの心と向き合いながら、共に歩む姿勢を保つことです。