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難度をある程度はしぼる

志望校の対策を考えるとき、まず見ておきたいのは、やはり過去問です。

学校によって、問題の作り方はかなり違います。国語であれば、物語文が多い学校もあれば、説明文を重視する学校もあります。記述が多い学校、選択肢が中心の学校、漢字や語句をきちんと出す学校もあります。

ただ、もうひとつ大事なのは、問題の難度です。

どの学校も、毎年まったく違う問題を出しているように見えて、実はある程度、受験生の層に合わせて問題を作っています。あまりにやさしすぎれば差がつきませんし、逆に難しすぎれば、合格者を選ぶ試験として成り立ちにくくなります。

ですから、学校ごとに「このくらいのレベルの問題を解ける子に来てほしい」という幅があるのです。

受験勉強をしていると、どうしても難しい問題に手を出したくなります。難しい問題が解けるようになれば力がつく、と思いやすいからです。しかし、志望校の入試でそこまでの難問が出ないのであれば、時間の使い方としては少しもったいない。

それよりも、その学校でよく出るレベルの問題を、確実に解けるようにすることの方が大事です。

過去問を見ていくと、「この学校はこのくらいの難度で勝負している」という感覚が少しずつわかってきます。もちろん、年度によって多少の上下はありますが、大きく外れることはあまりありません。

だから、対策では難度をある程度しぼる。

何でもかんでも難しい問題をやるのではなく、志望校に必要な難度の問題をくり返し練習する。そこで正確さとスピードを上げていく。その方が、入試本番ではずっと点数につながりやすいのです。

子どもたちの時間は限られています。だからこそ、やるべき問題のレベルを見極めることが大切です。志望校が求めている難度を知り、そこに合わせて力をつけていく。それが、効率の良い学校別対策につながっていきます。

行きたい学校の準備をすればよいだけ

塾は、どうしても「全部やる」方向に進みます。

いろいろな学校を受ける子どもたちが集まっているわけですから、塾としては、どの学校にも対応できるようにカリキュラムを組まざるを得ません。したがって、あれもやる、これもやる、ということになる。

しかし、子どもによって志望校は違います。必要な力も違います。出題されやすい分野も違えば、答案の作り方も違う。だから、本当はある時期から先は、志望校に合わせて勉強を組み立てていく必要があります。

ところが、集団塾ではなかなかそれができません。

みんなが同じ授業を受け、同じ宿題を出され、同じテストで席順やクラスが決まる。そうなると、子どもたちはどうしても塾のペースに合わせることになります。志望校に必要かどうか、今の自分に必要かどうか、という判断よりも、まず塾で出されたものをこなすことが優先されてしまう。

その結果、子どもたちの負担はどんどん大きくなります。

もちろん、基礎を固める時期には、ある程度幅広く学ぶことも必要です。しかし、受験までの時間は限られています。すべてを同じ重さでやろうとすれば、肝心なところに時間をかけられなくなる。

だから、ある段階からは「何をやるか」と同じくらい、「何をやらないか」が大事になります。

志望校にあまり出ないことに多くの時間を使うより、よく出る分野、合否を分ける問題、答案の作り方に時間をかけた方が良い。これは決して手を抜くということではありません。むしろ、限られた時間を子どもにとって一番意味のある形で使う、ということです。

そのためには、塾のペースから少し離れて考える時間が必要です。

今、この子に本当に必要なことは何か。志望校に向けて、どこを強くすればよいのか。逆に、今無理に追いかけなくてもよいものは何か。そういう整理をしていくと、勉強の負担はかなり変わってきます。

子どもが自信をなくしているときほど、まずは量を増やすのではなく、やることを絞るべきです。できる問題を確実に増やし、「これならやれる」という感覚を取り戻す。そこからでないと、なかなか前には進めません。

オンラインの個別指導や、志望校に合わせた学習設計が必要になるのは、まさにこの部分です。全部を塾任せにするのではなく、その子に必要な学習を組み直す。そうすることで、無駄な負担を減らしながら、合格に必要な力をつけていくことができます。

受験勉強は、たくさんやればよいというものではありません。

その子にとって必要なことを、必要な順番で、しっかり積み上げていくことが大事です。塾のカリキュラムに振り回されるのではなく、志望校と子どもの現状から逆算して、学習の道筋を考えていく。

その視点を持つだけで、親も子も少し楽になります。そして、勉強も前に進みやすくなるのです。

塾のペースから少し離れて、まずは確実に自信を取り戻す。そういう学び方もあります。こちらもあわせてご覧ください。

組み分けの結果は固定化しやすい

各塾で、組み分け試験が行われて、クラスや席が決まっていきますが、だんだん固定化される傾向が出てきます。

これはある意味仕方がない部分があり、例えば上位クラスでは、基礎はある程度飛ばして応用問題をやるが、ロークラスでは基礎をがんばらなければいけないから、応用問題まで手が出ない。

結果として、差が追いつかない、というのはあるのです。

ただ、これもカリキュラムが進行していく中で、終わりに近づいていけば変わってくる。当然、先に進まなくなれば、いろいろやり方は出てくるわけです。

しかし、その前に気持ちが削がれてしまう子が多い。

「どうせ、できないから」「まあ。こんなもんでしょ」みたいな感じになってくると、あまり良い状態とは言えない。

やはり、目標に向かってがんばる姿勢を持ってもらいたいので、志望校に目標を持っていくことが大事でしょう。

ただし、志望校と組み分けをリンクしてしまうと、それも難しくなるので、別立てで考えて行くことが必要です。