第5回 算数、初歩の勉強法

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■最初のうちは、算数も基本問題が多いものです。例えば、和差算を勉強するとき、いくつかのパターンがありますが、そのパターンを網羅しようとすると、量をこなすことになります。この量をこなすという勉強の仕方が、子供たちにはあまりプラスに働きません。

■ なぜか、内容が理解できた子供たちにとってすれば、「できることを、なぜ繰り返す必要があるのか?できるに決まっているのに。」という気持ちを起こさせます。できない子供たちからすれば、「できないから、もうやりたくない。」という気持ちになりますから、いずれにしてもあまり良い気持ちにさせてあげられないのです。

■4年生や5年生のうちは、まだ、問題も複雑ではありませんから、自信がつきやすい時期です。この時期に算数は得意だと思わせてあげることが非常に大切です。では、得意だと思わせるにはどうすればよいでしょうか。

■基本的には「できる」「わかる」という気持ちがおこればよいのです。先日、理系の大学院生と話をしていたとき、「どうして今の専門を選んだの?」とたずねたところ、「この勉強がおもしろかったから。」という答えが返ってきました。「どうして、おもしろいと感じたんだろうね。」とさらにたずねてみると、「多分、わかったからだと思います。」という返事でした。その通りだと思うのです。自分ができると感じる勉強はおもしろくなるものです。

■ですから、算数の初歩ではとにかく「できること」をなるべく多くすることに集中してください。カリキュラムにあって、難しくてわからないところは、最初のうちは避けて通りましょう。それでよいのです。それをできるようにしようと思うばかり、お父さんもお母さんもいっしょになってがんばってしまうと、逆効果になることが多いのです。

■「僕は算数きらいだ」といわれてしまうと、これを直すのには大変苦労します。「わかる」→自信ができる→「好き」という流れに乗せてしまえれば、子供たちはほっておいても勉強するし、勉強すれば必ずできるようになるものです。

■難しい範囲が出てきたら「これは今わからなくても大丈夫だ」といってあげてください。4年生や5年生のうちは、それをわからせることで「自信を失わせてしまう」ことの方に問題がありますから、注意が必要です。

(平成15年5月18日)

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