新学年が始まって、2週分の週例テストのデータがそろいました。全塾生のデータを見ていて、おやと思うことがありました。
一番上のコースを取っている6年生の男の子の算数と国語のデータが思いのほか悪いのです。
この子は算数もできるし、授業中の発言もしっかりしています。
でも、テストになるとミスを連発したり、実際に国語の文章が読めていないということになるのです。
こういうとき、私は担任の指導員に聞いてみたり、実際に自分で子どもと話をしに行きます。
子どもはというと「やはり問題ですよね」とひとごとのように言います。しかし、これはこの子なりの反省の裏返し。自分で何とかしないといけないとは思いつつ、どうしてこうなるのかわかっていないということなのです。
指導員には、「授業中、文章の意味がとれているかどうか、確認すること」と「算数のプリントでプレッシャーをかけてみる」という2点を頼みました。文意がとれないというのは、多分、ボキャブラリーが不十分であるからだと思うのですが、当然そうでない場合もあります。これは確認してみないとわかりません。
またプレッシャーをかけるというのは「時間内に解かせる」という点を強く意識させて、普段通り解けるかどうかという点を見てみることです。多分、これは当たりだと思っているのですが、普段授業でできてもそこに弱点があれば点数がまとまりません。入試ではこれ以上にプレッシャーがかかるわけですから、実力を出し切れない子である可能性があるわけです。
そうだとすれば、それなりの練習をさせないといけないわけで、データはその辺の兆候を教えてくれるのです。
テストはクラス分けのためにするのではなく、生徒ひとりひとりのデータからその子の取るべき道筋を見つけるためにやるものなのです。
データは見方によってはいろいろなことが出てくるもの。上手に使って指導に厚みを増したいと思います。