先日、ある塾の経営者の話を聞いていて、
「塾はサービス業ですから、先生という態度を
すてて奉仕するという気持ちで接しなければいけ
ない」
という話を聞いて、うーんとうなってしまいま
した。
「先生」という響きは危険です。
自分がえらくなってはいけない。その意味でこの
指摘は正しい。
ただ、教えるという作業は子どもの様子、様子を
見ながら、対応していかなければならず、例えば
「もう一度考えてごらん」というのは当然ありま
すね。
ところが最近、塾の現場では頻繁に、
「先生からおっしゃってください。」
とか
「先生から教えていただけますか」
とか
いっぱい言われるのです。
「先生から怒ってください」
なんて昔の親はあまり口にしませんでした。
あれは、自分が注意しなければいけないという
気持ちがあったからだと思うのです。
最近は、そうでもなくなりました。
塾の先生もベテランになれば、そういうのをうまく
立ち回って子どものために、何も言わないというこ
ともあります。
しかし、多くの先生たちがお母さんたちに言われて、
ついでにいえば、経営者にも冒頭のことばをいわ
れると、全部やってあげてしまうだろうなあと
思うのです。
してもらえば、自分でやる機会を失います。
何でも買えてしまうということは、便利なようでいて
結構、危険な部分が隠れていますね。
塾はサービス業ですが、でも本当に子どもに力をつ
けるという意味では、そうではないかもしれませんね。