みなさんの勉強を見ていると、テキストやプリントの問題を解いていることが多いのではないかと思います。しかし、問題にのっている図だけで問題が解けるとは限りません。特に入試問題になると、ヒントになる図はあったにしても、自分で新しく図を書いて考えなければならない場面がたくさんあります。ところが、与えられた図だけで考えていると、自分で新たな図を書くチャンスがないので、図を書くのがいつまでたってもうまくならないのです。
私は授業ではホワイトボードに図を書いて、生徒によく写してもらっています。最初のころは、みんなへたくそです。どう見ても立方体に見えない立体がほとんどですが、書きなれてくると次第にバランスがとれてくるものです。4年生や5年生のうちは、なるべく自分で問題の図も書き直してみることをおすすめします。そうすると、自分で図を書く意味がよくわかってくるはずです。図を書けば問題の意味もよくわかるようになる。立体や平面図形も何が問題なのか、思いつくことは多いものです。入試問題になると、単純にひとつの方向だけでなく、別の方向から見た図やグラフを書くことも大事なヒントになるでしょう。問題文をじーっとにらみつけても、なかなか解法は思いつきません。むしろノートにいろいろな図を書いてみるように心がけてください。そうすれば、次第に頭が動いてくるのがわかるでしょう。発見も着想も、実はこういうところから生まれてくるものなのです。