2027年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

家でできることを増やす

秋になると、塾の授業が増えていくことが多くなります。通常の授業に加えて、学校別対策や過去問演習、模擬試験などが入り、気がつけば週のほとんどを塾で過ごしている、ということも珍しくありません。

もちろん、必要な授業は受ければ良いのですが、ここで一度考えておきたいのは、「本当に塾に行かないとできないことなのか」ということです。

例えば、過去問を解くこと、間違えた問題をやり直すこと、知識を覚えること、計算練習をすること。こうした勉強は、必ずしも塾でなければできないわけではありません。むしろ家庭で落ち着いて取り組んだ方が、自分のペースで進められる場合もあります。

通塾には授業時間だけではなく、往復の移動時間もかかります。準備をして出かけ、帰宅してから食事をして、また宿題をする。そう考えると、1回の授業に使っている時間は意外に長いものです。

秋以降は、やらなければならないことがどんどん増えていきます。だからこそ、時間を増やすのではなく、時間の使い方を考えなければいけません。

先生に質問したい、解説を聞きたい、学校別のポイントを教えてほしい。そういうことは授業を利用する。一方で、自分でできる演習や復習はできるだけ家庭で進める。

受験が近づくほど、塾にいる時間を増やせば安心する、ということもあります。しかし、大切なのはどこで勉強したかではなく、何ができるようになったかです。

家でできることを少しずつ増やしていく。そうすることで、自分の勉強を自分で組み立てる力もついてきます。秋以降は、そんな視点で学習時間を見直してみても良いでしょう。

過去問が合格点に届かない

この時期、初めて過去問に取り組んでみると、思っていた以上に点が取れず、「これではまだまだだ」と感じることがあるでしょう。

しかし、今の段階で合格点に届いていないこと自体は、それほど心配する必要はありません。入試まではまだ時間がありますし、ここから学校の出題傾向に慣れ、必要な力を身につけていけばいいのです。

ただし、「まだ時間がある」と安心しすぎるのも問題です。

秋以降は模擬試験も増えますし、塾の授業や学校行事もあります。気がつけば、入試までの時間はどんどん少なくなっていきます。だからこそ、今の得点を出発点として、「あと何点取れるようにするのか」「そのために何を直すのか」を具体的に考えていく必要があります。

模擬試験の結果ももちろん気になるでしょう。しかし、第一志望の合格に一番直接つながるのは、やはりその学校の問題が解けるようになることです。

過去問で少しずつ点が取れるようになってくると、「この学校の問題なら戦える」という感覚も出てきます。それが受験勉強を続けるうえでの自信にもなります。

ですから、過去問はどんどん練習していきましょう。

一度解いたら終わり、ではありません。間違えた問題を直し、しばらく時間を置いてもう一度解く。必要であれば2回目、3回目と繰り返して構いません。

最初から合格点を取る必要はないのです。

大事なのは、過去問を重ねるたびに、少しずつ取れる問題を増やしていくことです。入試本番までに合格点へ届けばいいのですから、今の点数に落ち込むより、ここから確実に得点力を上げていきましょう。

併願校を考える

受験シーズンが近づくにつれて、模擬試験の結果が徐々に明らかになり、志望校の選択を見直す時期がやってきます。その中で、多くのご家庭が安全圏と考える併願校の検討に頭を悩ませることでしょう。しかし、いわゆる「安全校」と呼ばれる学校も、単に合格できればよいというわけではありません。大切なのは、入学後に子どもが充実した学校生活を送れ、伸びやかな成長を支えてくれる環境かどうかを見極めることです。

成績の波が激しい時期でも、学びの場が子どもにとって安心できる場所であることは欠かせません。偏差値の数字だけで選ぶのではなく、その学校の教育方針やサポート体制、そして生徒の自主性を尊重する姿勢に目を向けてみてください。管理型の学校が多いのは事実ですが、その「管理」のスタイルも多様です。過度に厳しい環境は子どもの意欲を損なう恐れがあり、反対に適度な見守りが子どもの自信や自主性を育むこともあります。したがって、単なる安全策としての併願校選びではなく、子どもの未来にとってプラスとなる選択であることが何より望まれます。

また、子ども自身はやはり第一志望に向けて気持ちが集中しがちで、併願校について消極的なことも少なくありません。こうした気持ちのすれ違いを埋めるためにも、親子の対話が重要です。併願校は親御さんが主体的に情報を収集し、方針を固める必要がありますが、決めた後は揺るがずに受験対策を進めることが効果的です。頻繁に学校を変えてしまうと、準備が分散し、かえって不利になることもあるためです。

安全校だからといって軽んじず、また子どもの意思も尊重しながら、受験期の併願校選びには慎重な計画と深い思慮を持って臨んでいただきたいと願います。こうしたプロセスを通して、子どもが受験だけでなく、その先の学校生活にも自信を持って歩み出せるよう、親として支えていきたいものです。