2027年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

理科計算を出す学校、出さない学校

理科の計算問題が苦手、という子は少なくありません。

特に6年生になると、溶解度、気体の発生、中和、電気、力のつり合いなど、いろいろな分野で計算が出てきます。算数で比や割合を勉強しているとはいえ、それを理科の条件にあてはめて考えるとなると、また別の難しさがある。

だから、理科計算でつまずく子が出てくるのは、ある意味当然です。

ただ、ここで考えておきたいのは、すべての学校が理科計算を同じように重視しているわけではない、ということです。

学校によっては、かなりしっかり計算問題を出してくるところがあります。例えば、物理や化学の分野で、条件を整理し、比例関係を使い、場合によっては何段階か計算を重ねる問題を出す。こういう学校では、理科計算を避けて通ることはできません。

一方で、あまり理科計算を出さない学校もあります。

もちろん、まったく計算が出ないというわけではありません。基本的な割合やグラフの読み取り、表の数値を使った簡単な計算ぐらいは出るでしょう。しかし、受験生が大きく時間を取られるような本格的な計算問題は、それほど出さない学校もあるのです。

なぜそうなるのか。

ひとつには、理科の計算問題は正答率が低くなりやすい、という事情があります。難しく作れば作るほど、ほとんどの受験生ができない問題になってしまう。そうなると、問題としては出しても、合否を分ける材料になりにくい場合があるのです。

また、学校によって理科で見たい力が違います。計算力を見たい学校もあれば、知識を正確に使えるか、実験や観察の意味を理解しているか、文章や図表から考えられるかを重視する学校もあります。

ですから、理科計算が苦手だからといって、ただちに理科全体がだめだと考える必要はありません。まず志望校がどの程度、理科計算を出しているのかを見ておくことが大事です。

過去問を数年分見れば、かなりはっきりします。

毎年のように電気や力学、化学計算が出ている学校なのか。出るには出るが、基本的な計算にとどまっているのか。あるいは、計算よりも知識や観察、実験の考察を重視しているのか。

この違いを見ずに、ただ「理科計算をもっとやらなければ」と考えると、勉強の配分を間違えることがあります。

もちろん、基本的な理科計算はできるようにしておいた方が良いでしょう。溶解度の基本、気体の発生量、電流と抵抗、ばねやてこの基本などは、入試に出る出ない以前に、理科の理解として必要な部分です。

ただし、どこまでも難しい問題に突っ込んでいく必要があるかどうかは、志望校によって違います。

理科計算をしっかり出す学校を受けるなら、早めに対策を始める必要があります。計算の型を覚えるだけでなく、条件を整理する練習をしていく。図を書く、表にまとめる、比例関係を見つける。そういう練習が必要になります。

一方、理科計算の比重がそれほど高くない学校であれば、難問に時間をかけすぎるより、基本知識、実験の理解、グラフや表の読み取りを安定させた方が得点につながる場合があります。

入試は満点を取る試験ではありません。

特に理科は、すべての分野を完璧に仕上げようとすると時間がいくらあっても足りません。だからこそ、志望校に合わせて、どこに時間をかけるかを決める必要があります。

理科計算が出る学校なのか、出ない学校なのか。

ここをまず確認してください。その上で、必要なレベルまで練習する。必要以上に怖がらない。逆に、出る学校なのに後回しにしない。

この見極めが、理科の勉強では案外大事なのです。

今のやり方が合わないと感じる場合は、家庭で進めやすい形に切り替えることも大事です。こちらもあわせてご覧ください。

子どもの疲れを見逃さない

受験勉強が進んでくると、子どもたちはだんだん疲れてきます。

もちろん、勉強ですから多少のがんばりは必要です。毎日決めたことを続ける、難しい問題にも向き合う、できなかった問題をもう一度やり直す。そういう積み重ねが力になることは間違いありません。

ただ、その一方で、子どもの疲れを見逃さない、ということも大事です。

子どもは、大人が思っているほど自分の状態をうまく説明できません。

「疲れているの?」と聞いても、「別に」と答えるかもしれません。あるいは、本人も疲れていることに気づいていない場合があります。眠い、集中できない、すぐにイライラする、字が乱れる、簡単な計算を間違える。そういう形で、疲れが表に出てくることが多いのです。

ところが、親の側も忙しい。塾の予定、宿題、テストの結果、偏差値、志望校対策。見なければいけないものがたくさんあります。そうすると、つい「まだ終わっていない」「もっとやらないと」という方に意識が向いてしまう。

しかし、疲れている子にさらに量を積ませても、あまり効果は上がりません。

机には向かっているけれど、頭に入っていない。問題は解いているけれど、ただ手を動かしているだけ。復習しているつもりでも、実は同じところを何度も読み流しているだけ。そういう時間が増えてくると、勉強時間は長くなっているのに、成果は出にくくなります。

だから、子どもの様子を見ることが大切です。

たとえば、いつもより反応が鈍い。食事中にぼんやりしている。朝なかなか起きられない。塾から帰ってくると、すぐに横になってしまう。ちょっとしたことで涙が出る。そういう変化が出てきたら、「気合いが足りない」と見る前に、まず疲れているのではないか、と考えてみる必要があります。

受験勉強は、短距離走ではありません。

一時的に無理をしても、その後に大きく崩れてしまえば、結局遠回りになります。特にこれから夏に向かって、塾の授業も増え、課題も増え、模擬試験も入ってきます。ここで疲れをためすぎると、本来力を伸ばしたい時期に、集中力が落ちてしまうことになりかねません。

では、疲れていると感じたときに、どうすればよいか。

まず、全部をやろうとしないことです。

今日やるべきことの中で、本当に大事なものを絞る。計算だけはやる。漢字だけはやる。直しは2問だけ丁寧にやる。そういう形で、量を減らしても質を落とさないようにするのです。

休ませることも、勉強の一部です。

早く寝る。少し散歩をする。何もしない時間をつくる。好きなことを少しやる。そういう時間があるから、また机に向かう力が戻ってきます。休んだら遅れる、と思いがちですが、疲れたまま続ける方が、実は遅れる原因になることも多いのです。

また、親の声かけも大切です。

「どうしてできないの?」ではなく、「今日は少し疲れているかな」と受け止める。

「全部やりなさい」ではなく、「今日はここまでにしよう」と区切る。

そういう言葉で、子どもはずいぶん楽になります。

子どもが安心して休める家庭であることは、受験勉強において大きな力です。

もちろん、いつも休んでばかりでは困ります。けれども、本当に疲れているときに、ちゃんと休ませてもらえる。自分の状態を見てもらえている。そう感じられることは、子どもにとって大きな支えになります。

受験勉強で大事なのは、最後まで続けられることです。

そのためには、がんばらせるだけではなく、疲れを見逃さないこと。無理をしているサインに早く気づき、必要なら勉強の量やペースを調整すること。

子どもの力を伸ばすためには、勉強を増やすことばかりが答えではありません。

今の子どもの状態をよく見て、必要なときには休ませる。その判断ができることも、受験を支える大事な親の役割なのです。

先生の予約

個別指導では、どうしても「先生の予約」という問題が起こります。

特に夏期講習や冬期講習のように、みんなが同じ時期に授業を増やしたいと考えると、人気のある先生の時間はすぐに埋まってしまいます。いつもの先生に見てもらいたい、できればこの曜日、この時間がいい、と思っていても、なかなか希望通りにはいかないことがあるでしょう。

ただ、これは個別指導である以上、ある程度避けられない問題でもあります。

ひとりの先生が同時に見ることのできる生徒は限られています。集団授業であれば、ひとつの教室に多くの生徒を入れることができますが、個別指導ではそうはいきません。子どもの状況を見て、今何がわかっていて、どこでつまずいているのかを確認しながら進めるからこそ、先生の時間には限りがあるのです。

ですから、先生の予約が取れないからといって、すぐに「この塾はだめだ」と考える必要はありません。むしろ大事なのは、その限られた時間をどう使うかです。

たとえば、先生にすべてを教えてもらう、という考え方にしてしまうと、授業時間はいくらあっても足りません。しかし、家庭でできることを先に進めておき、わからないところ、判断に迷うところ、答案の直し方などを先生に見てもらう形にすれば、短い時間でも効果は上がります。

先生の役割は、すべてを最初から説明することだけではありません。今の勉強の方向が合っているか、優先順位は間違っていないか、子どもがどこで止まっているのかを見つけることも、大事な役割です。

特に受験学年になると、あれもこれもと授業を増やしたくなります。しかし、授業を増やせば成績が上がる、というものでもありません。授業を受ける時間が増えれば、その分、自分で考える時間、復習する時間、やり直す時間は減っていきます。

だから、先生の予約が取りにくいときほど、少し冷静に考えた方が良いのです。

本当にその授業は必要なのか。家庭で進められる部分はないのか。先生に見てもらうべきところはどこなのか。そこを整理しておくと、限られた指導時間をかなり有効に使うことができます。

また、先生が変わることを必要以上に不安に思わないことも大切です。もちろん、子どもとの相性はあります。しかし、別の先生に見てもらうことで、違う角度から課題が見えることもあります。同じ問題でも、説明の仕方が変わると、子どもがすっと理解することもあるのです。

大事なのは、「この先生でなければだめ」と決め込みすぎないことです。もちろん信頼できる先生に継続して見てもらうことは大切ですが、それ以上に、子どもが自分で勉強を進められる形を作っていくことの方が、長い目で見れば大きな力になります。

先生の予約は、確かに悩ましい問題です。

しかし、それは同時に、勉強の進め方を見直すきっかけにもなります。先生に頼るところと、家庭で進めるところを分ける。授業を受けることよりも、授業で何を解決するかをはっきりさせる。そういう使い方ができるようになると、個別指導の効果はずいぶん変わってきます。

先生の時間は限られています。だからこそ、その時間をどう生かすかを考えることが大事なのです。

今のやり方が合わないと感じる場合は、家庭で進めやすい形に切り替えることも大事です。こちらもあわせてご覧ください。